軽減税率の論点〜疑問点って何が残っている?
軽減税率の論点について随時記載していきます。 まだ議論しないといけないもの。もう決まったから対策を考えないといけないもの、いろいろ列記で思いつくままに挙げていきます。
軽減税率の対象品目は?
「酒類・外食を除く飲食料品」と「 週2回以上発行される新聞」 で基本的確定。 しかしなぜ新聞入ってるの?それなら 書籍もいれないといけないのでは? いや、有害図書もあるから一律にはいかない、といった内容が出ています。他にも各業界団体から、これも品目に入れてくれ!という陳情は常にでていますね。 ただ対象品目を増やすほど、税収が減り、意味がなくなるので、これ以上はなかなか増やせないでしょうね。(むしろ新聞ははずすべきだと思います)
イートインの定義とは?
外食やケータリング等は、軽減税率の対象となりません。 テイクアウトや飲食料品の出前・宅配等は、軽減税率の対象となります。
外食の定義は 政府広報によると以下になっています
- (1)テーブル、いす、カウンター等の飲食に用いられる設備のある場所で行う、
- (2)飲食料品を飲食させるサービス
しかしコンビニでは外食か持ち帰りを確認するように提示されています。
コンビニエンスストアでは、ご質問のようなホットスナックや弁当のように持ち帰ることも店内で飲食することも可能な商品を扱っており、このような商品について、店内で飲食させるか否かにかかわらず、持ち帰りの際に利用している容器等に入れて販売することがあります。このような場合には、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定していただくこととなります。
なお、その際、大半の商品(飲食料品)が持ち帰りであることを前提として営業している コンビニエンスストアの場合において、全ての顧客に店内飲食か持ち帰りかを質問するこ とを必要とするものではなく、例えば、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」等の掲示をして意思確認を行うなど、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うこととして差し支えありません。
イートインが (1)の設備要件を満たすことは間違いないでしょう。 ただ、コンビニでの販売は(2)サービスなのか。
たとえば、おでんとか よそって渡すのはサービスなので、イートインで食べたら外食で10%になるのは仕方ないかもしれません。 (お味噌汁とりわけ問題もありますが) しかし、おにぎりを買った場合は、包装されており、サービスを提供したとは言えないと思います。 セフルサービスのレジを使ってもサービスを提供したといえるのか・・・
いずれにせよ、混在するコンビニは顧客確認が必要になりそうですね。 その他の一般小売であれば、サービス要件を満たすものがなければ、休憩席があって、お客さまがそこでたべても外食とはならないかもしれませんね。
お味噌汁を取り分けたら
国税庁のQAにお味噌汁事例があります。 容器へのとりわけは、サービス要件に当てはまらない。ので外食ではなく8%の軽減税率対象になるようです。 ・・・コンビニでの おでんのとりわけも サービス要件にならない気がしますが、どうなんでしょうか?
問59当社は、味噌汁付弁当の販売・配達を行っています。弁当と味噌汁を配達する際には、配達先で味噌汁を取り分け用の器に注いで一緒に提供していますが、この場合の味噌汁付弁当の販売は、ケータリングに該当しますか。【平成30年1月追加】
【答】軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」には、「相手方が指定した場所において行 う加熱、調理又は給仕等の「役務」を伴う飲食料品の提供(いわゆる「ケータリング、出張料理」)は含まないこととされています(改正法附則341一ロ、軽減通達12)。 この「役務」には、「盛り付け」を含むとされていますが、飲食料品の譲渡に通常必要な行為である、例えば、持ち帰り用のコーヒーをカップに注ぐような、容器への「取り分け」行為は、含まれません。 したがって、ご質問の「味噌汁を取り分け用の器に注ぐ」という行為は、味噌汁の販売に必要な行為である「取り分け」に該当し、ケータリングに該当しません(味噌汁付弁当の全体が軽減税率の適用対象となります。)。
セット? 一体商品
お菓子とおもちゃ お弁当とビール 福袋(食品とそれ以外) のような商品は 何%になるでしょうか。
- 三分の二以上が食品
- 合計価格が1万円以下
- 予め一体になっている
- 一体の値札のみ
の要件をみたせば軽減税率対象となり、8%となります。予めなので、 お弁当とビールを別々に販売していて、レジでセットとして計算する場合は、お弁当が8%、ビールが10%となります。つまりセット商品→一体資産として認められないってことですね。
ビール300円、お弁当800円 で セットにすると1,000円という売り方にすると、値札も別々にできてしまうので、一体資産にならず、それぞれ税率を別々に計算しないといけないです。
なやましいのは三分の二・・・ 仕入れて販売の場合は仕入れ価格で判断できますが、製造して販売する場合は、価格は自社次第ですものね。原価計算とかそれぞれの値段とかをきめて、それからセットにしておきたいですね。
給食って?
飲食料品を設備のあるところで、サービスを提供しながら提供したら、外食になり、消費税率は10%です。
しかし、以下のような場面では特別に、軽減税率が適応されて、8%になります。 多いな 国税庁のQAよりピックアップ。
ーーーー
「相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供」であっても、次の施設において行う一定の基準を満たす※1飲食料品の提供については、軽減税率の適用対象とされています(改正法附則341一ロ、改正令附則32)。
- 老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、 当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者※2に対 して行う飲食料品の提供
- 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供
- 学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該義務教育諸学校の設置者が、その児童又は生徒の全て※3に対して学校給食として行う飲食料品の提供
- 「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」第2条に規定する夜間課程 を置く高等学校の施設において、当該高等学校の設置者が、当該夜間過程において行う教育を受ける生徒の全て※3に対して夜間学校給食として行う飲食料品の提供
- 「特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律」第2条に規定する特別支援学校の幼稚部又は高等部の施設において、当該特別支援学校の設置者が、その幼 児又は生徒の全て※3に対して学校給食として行う飲食料品の提供
- 学校教育法第1条に規定する幼稚園の施設において、当該幼稚園の設置者が、その施設で教育を受ける幼児の全て※3に対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供
- 学校教育法第1条に規定する特別支援学校に設置される寄宿舎において、当該寄宿舎の設置者が、当該寄宿舎に寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う飲食料品の提供
- ※1上記1~7の施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。また、累計額の計算方法につきあらかじめ書面で定めている場合にはその方法によることとされています(平成28年財務省告示第100号)。
- ※2 60歳以上の者、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者又はそれらの者の配偶者に限られます。
- ※3アレルギーなどの個別事情により全ての児童又は生徒に対して提供することができなかったとしても軽減税率の適用対象となります。
消費税還元セールはどうなる?
現時点では、消費税分を値引きする等の宣伝や広告は、消費税転嫁対策特別措置法で禁止されています。(2021年3月31日まで)
消費税増税分を小売価格から割引する「還元セール」を巡り、政府の方針が二転三転している。二〇一四年四月に税率を5%から8%へ引き上げた際は事実上禁じたが、想定を超えて個人消費が冷え込んだため、来年十月の10%への引き上げの際は認める方針だ。ただ、事業者の理解は広がっておらず、周知が不十分なら混乱を招く恐れもある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201810/CK2018101902000149.html
しかし、今回は、還元セールは認められる方針だと報道が出ています。そうなると、今回は大手スーパーなどはこぞって還元セールをするんでしょうか? ただ、前回の還元セールは、大手スーパーが中小下請け事業者の納入の際にも買い叩いて、消費税分削ったりがありましたので、今回は下請けたたき禁止の部分はのこって、還元セールだけはOKになるんでしょうかね。 それならいいか・・・とおもいつつも、体力のない中小小売店舗は還元セールに付き合うのは大変そうです。価格以外で勝負ができるお店づくりが・・・必要なんでしょうね。
気になる点を随時追記していきます。
そんなところで。