オリンピックの前ではなく、キャッシュレス還元が終了する2020年7月はどれくらい景気が落ち込むのだろう

商工会・商工会議所等の公的機関で多数キャッシュレスセミナーを実施しています。https://london3.jp/2018/09/cashless/

さて、日々キャッシュレスに関するニュースは多数あり、毎日ウォッチしているのも大変です。新しいサービスも多数生まれ、本当にどこか勝者が決まるんだろうか、それともQR決済等は取りまとめられた集約サービスが普及するのか。キャッシュレスに対応しないといけない中小事業者は悩ましいところですね。

そもそも、キャッシュレス・消費者還元事業は、2019年10月から消費税率が10%になり、消費が落ち込むのを防ぐために立案されました。2%税率があがるのに、中小の事業者のお店なら5%還元されるという、不思議な施策です。

消費税率引き上げの影響

税率が上がると消費は落ち込みます。そしてその分、事前に駆け込み需要があります。しかしその割合は時の景気の状況により異なってきます。

例えば、初めて消費税が導入され、税率は3%になったのは1989年でしたが、この年の駆け込み需要や反動減は大きくありませんでした。なぜなら、バブルまっさかり。一方で、1997年の5%では景気は大きく影響を受けました。

それでは前回の8%のときはどうだったのでしょうか。もちろん別途GDP等のデータもありますが、日本チェーンストア協会さんの業界別のデータが面白いです。


なかなか影響がすごいですね。特にアパレルは駆け込み需要より反動減が大きく、4月だけでなくそれ以降も停滞というか減衰が進んでいます。家電などの高額品や、耐久消費財はこのように消費税の影響を強く受けます。一方で、生鮮食品などはあまり影響を受けません。

そして今回、2019年10月も8%から10%に消費税が引き上がるので、景気への影響は大きいですが・・・そこでキャッシュレス還元事業です。

中小小売店等はキャッシュレス決済なら5%還元!

消費税は −2% キャッシュレス還元は +5%

ということは、今回は、2018年に駆け込み需要があまり発生しない可能性が高いですね。少なくともキャッシュレス還元の対象になる商品は。 商品を作るメーカ側も苦慮しそうですね。需要予測が難しい。前回の消費税引き上げの時のデータを見ながら予測しても今回はキャッシュレス還元の影響も受けてしまうわけです。

ところが今度はこの還元事業は2020年6月に終わります。そして7月からはオリンピックが始まります。そうすると・・・

反動減・駆込需要増はどうなる?

電通社の調査によると7割近くの人が駆け込み需要を考えているそうです。

出典 https://ecnomikata.com/ecnews/21742/

ということでどうなるんでしょうか? それぞれ起きる事象について並べてみました。 結局の所これらの事象のプラス側が大きく出るのか、マイナス側が大きく出るのかによって、結果は変わってきそうですね。

  • 2019年9月は キャッシュレス還元対象業界は 駆け込み需要は起きない。むしろ、キャッシュレス買い控えが起きる!
  • 2019年10月は、キャッシュレス還元で需要拡大が起きる。
  • 2019年10月は、さらにPayPayやLINE Payなどの事業者の還元キャンペーンが加わると需要拡大が続く。
  • 2020年7月は、キャッシュレス還元が終了して需要が落ち込む
  • 2020年7月は、オリンピックで需要拡大。
  • 2020年8月後半は、キャッシュレス還元もオリンピックも終了して大きな反動減がやってくる。

同じく電通社の調査によると、キャッシュレスを使うと言っている人は急速に増えていますね。 7割近くが検討しています。

時期による販売促進施策の検討

いずれにしても、例年とは販売促進の計画って変わってくるでしょうね。

  • まずは、経過措置が発生しそうな建設系は半年前の3月に駆け込んでもらうことが必要でしょう。
  • そして、通常なら消費税引き上げ前の駆け込み需要喚起の8−9月は、悩ましいところですが、キャッシュレスにはあまり触れず、耐久消費財など足の長い商品を早めに買ってもらうことが必要になるでしょう。(景品表示法違反には注意です。今だけお得!とアピールして実質的に後から買ってもお得だった!なんてことないように)
  • そして10月以降はキャッシュレスを全面に打ち出して需要喚起でしょうかね。
  • しかし、キャッシュレスとオリンピックが終わった後はどうしよう。

何はともあれ、早く制度の全貌を明確にしてほしいですね。どこまでの決済が対象になるのか、どの業界、どのお店が対象になるのか、ネットショップはどうなるのか?など 気になる点が尽きませんです。

そんなところで