第4回 ホームページからの問い合わせを増やすには〜中小企業のホームページ活用法
みなさん、こんにちは!中小企業診断士の村上知也です。前回は、ホームページに人を集める方法についてお伝えしました。今回は、集めたお客さまが、どうしたらより問い合わせしてくれるかについて記載します。
1. 絞ったほうが焦点は明確になる
第2回で木工細工の会社のホームページについて紹介しました。消費者向けの木工細工を販売するのか、事業者である設計会社に技術を買ってもらいたいかによって、アピールする内容は変わってきます。また結果的に焦点を明確にした方が、ホームページを見る人にとってわかりやすく、成約率は高くなります。
例えば、税理士さんの例で考えてみます。
得意な業界が「飲食業界」で、多くのお客さまを持っているとします。また、得意な業務が、潰れかけの企業を立ち直らせる「事業再生」だとしましょう。 「飲食業界の事業再生が得意な税理士です!」というタイトルに決めホームページを作ったとします。非常に絞られていて明確なページですが、気をつけないとお客さまを取り逃すこともあるかもしれません。
今度はお客さまの立場で考えます。
新しく創業した焼き鳥屋が税理士を探していて、「飲食業 税理士」で上記の税理士を見つけたとします。そこですぐ発注してくれればいいのですが、焼き鳥屋は考えるのではないでしょうか?「この税理士は飲食業が得意かもしれないが、潰れかけの企業のコンサルティングが得意なんだ。そうすると当社のように創業する焼き鳥屋は関係ないかもしれない・・」と
逆もそうです。潰れかけの美容院がこの税理士ホームページを見つけたとしても、「潰れかけの企業のコンサルティングは得意でも、美容院は得意ではないかもしれない・・・」と。
絞っていくとテーマは明確になりますが、気をつけないと絞りすぎてお客を失うことになりかねません。ではどうすればいいでしょうか?「飲食業界の事業再生が得意な税理士です!」は不変とすると、「飲食業に強い税理士です」「事業再生が得意な税理士です」という2つのページも別に作っておきます。そうすると、テーマは混じらず、お客さまを逃してしまうことも減るのではないでしょうか? お客さまを思い浮かべ、お客さまごとにページを作ることを意識していきましょう。
2. お客さまの購買心理を考える
絞ったページを作るとして、ページの中身はどうしたらいいでしょうか? 幾つかパターンはありますが、一番王道の流れを確認しておきます。問い合わせや成約を増やすには以下の流れでページを作ってみてください。
①結論 → ②納得 → ③信頼 → ④行動
①結論
ホームページで最初に記載しないといけないのは結論です。ホームページは上から下に見ます。また、近年はスマホでホームページを見る人も多いでしょう。ホームページを開いて、目に飛び込んできた情報に興味がなければそれで帰ってしまうお客さまは多いです。
結論として、訴えたいポイントが3つあるなら、その内容を画像バナーとしてまとめ、一番目立つところにおいておきましょう。このポイント3つに興味がある人は続きを読んでください、というわけです。最初に興味を惹かないと続きがみてもらえないのはチラシとも同じですね。
②納得
結論で興味を持ってもらえたら、お客さまがこのホームページで問い合わせをしたり、購入したりするために、納得してもらう情報を掲載しましょう。結論で訴えた3つのポイントをわかりやすく説明していきましょう。
ホームページではなくリアル店舗であれば、この段階で購入してもらえるかもしれませんが、ネットはそうはいきません。本当にこのホームページを信じていいか不安になるものです。昨今、多くの詐欺ホームページがあります。問い合わせ・成約してもらうためには、ホームページや当店を信頼して貰う必要があります。そこで、次に③信頼情報を載せます。
③信頼
信頼情報としてまず思い浮かぶのは、顧客の声ですね。それ以外にも店長が登場したり、スタッフが登場したりして、安心感をアピールするわけです。また、累計で何個売れた!とか、マスコミに取材されたと言った情報の掲載もありますね。
(あまりやりすぎると、胡散臭くなってしまいますが)
それ以外にも細かい情報を載せておくといいでしょう。返品や交換、ギフト包装など、お客さまの知りたいQ&Aを先に解決してあげることでより信頼してもらいましょう。ホームページで問い合わせしてもらうのは大変なものです。ちょっとした疑問があっても問い合わせるのではなく、このホームページはやめておこう、となってしまいます。
④行動
最後に今行動してもらうためのひと押しですね。残り3個です!や、今申し込むと、◯◯がついてきます!などです。
3. LP、ランディングページとは
こういった ①結論 → ②納得 → ③信頼 → ④行動 の流れを体現しているのが、ランディングページ(LP)と言われるものです。
「ランディングページ集めました。( http://lp-web.com/ )」を見てみると、業種ごとにランディングページの例が掲載されています。ご自身に近い業種があれば、参考にしてみるといいでしょう。
ランディングページを日本語で言うと着地ページです。スマホでホームページを見る人が多くなり、たくさんページをホームページに作っても、お客さまは多くのページを見てくれません。そのため、着地した1ページで決着をつけ、説明したい情報は、この1ページに全てまとめてしまう作戦です。
もちろん、こういったランディングページは、行き過ぎのものもあります。売り込みが激しすぎて、下品に感じることもあるでしょう。自社のトーンにあった範囲で、①結論 → ②納得 → ③信頼 → ④行動 の流れはしっかり作っていくことが、問い合わせや成約を増やしていくポイントになります。
そんなところで。