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中小機構調査「中小企業のDX推進に関する調査2025年」レポートを確認

量から質へ・・・取り組んでいる企業は減っている

本報告書は、2025年12月に実施された全国の中小企業1,000社を対象としたアンケート調査に基づき、中小企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗状況、成果、および直面している課題をまとめたものである。

主要な分析結果は以下の通りである。

• 認知と必要性の定着: DXの理解度は49.2%、必要性の認識は73.3%と、前回調査(2024年12月)から横ばいであり、概念としての定着は進んでいるものの、理解の深化には至っていない。

• 取組内容の高度化とAIの急進: DXに取り組む企業の割合(39.1%)に大きな変化はないが、取組内容が単なる電子化(デジタイゼーション)から、業務プロセスのデジタル化(デジタライゼーション)へと高度化している。特に「AIの活用」は28.4%と、前回から14.1ポイントの大幅な増加を記録した。

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• 顕著な成果と実例: すでにDXに取り組んでいる企業の78.3%が成果を実感しており、残業ゼロの達成や決裁時間の短縮など、定量的・定性的な効果が明確に現れている。

• 深刻なリソース不足と戦略の不在: 最大の課題は「IT・DX推進人材の不足」であり、前回調査を上回る深刻な状況にある。また、全体の66.0%がDXに関するビジョンや経営戦略を策定しておらず、場当たり的な取組に留まっている懸念がある。

• セキュリティ懸念の増大: DXが進んでいる企業ほど、情報漏洩やサイバー攻撃への懸念が高まっており、推進における心理的・実務的障壁となっている。

1. DXの理解度と必要性の認識

中小企業におけるDXの基盤となる認識状況は、前回調査から大きな変動は見られず、膠着状態にある。

• 理解度の現状:

    ◦ DXの内容を「理解している」または「ある程度理解している」と回答した企業は49.2%。

    ◦ 従業員規模が小さいほど理解度が低くなる傾向が継続している(20人以下:37.0%に対し、101人以上:61.2%)。

    ◦ 業種間の格差が拡大しており、サービス業(情報通信業)が76.0%と高い一方、建設業は32.0%に留まっている。

• 必要性の認識:

    ◦ DXを「必要だと思う」企業は73.3%と高い水準を維持しており、必要性については共通認識が形成されている。

2. DXの取組状況と進捗の質的変化

DXへの着手状況は横ばいだが、その内容は「質の向上」と「技術の多様化」が見られる。

• 着手率と規模別格差:

    ◦ 「既に取組んでいる」または「取組みを検討している」企業は39.1%。

    ◦ 従業員101人以上の企業では68.0%が取り組んでいるのに対し、20人以下では21.3%に留まり、企業規模による「デジタル格差」が顕著である。

• 進捗段階の高度化:

    ◦ 取組済み企業において、「デジタライゼーション(個別プロセスのデジタル化)」が32.8%となり、「デジタイゼーション(アナログ作業のデジタル化:32.3%)」を逆転した。

    ◦ 特筆すべき点として、従業員20人以下の小規模企業において「デジタルトランスフォーメーション(ビジネスモデル等の変革)」に取り組む割合が39.2%と、他規模よりも高い数値を示している。

• 具体的取組内容の変化:

    ◦ 「文書の電子化・ペーパレス化(55.8%)」が依然として最多。

    ◦ AIの活用が急増: 前回の14.3%から28.4%へと倍増しており、中小企業におけるAI実装への関心が急速に高まっている。

    ◦ クラウド活用(32.5%)、テレワーク実施(30.9%)、セキュリティ強化(29.4%)も増加傾向にある。

3. DX推進による成果の創出

DXに取り組んでいる企業の多くが、明確なポジティブな変化を報告している。

• 成果の概況:

    ◦ 取組済み企業の78.3%が「成果が出ている」と実感している。

• 主な成果内容:

    1. 業務の自動化、効率化(52.0%)

    2. コスト削減、生産性の向上(43.9%)

    3. データの一元化、データに基づく意思決定(41.9%)

• 具体的な成果事例(自由回答より抜粋):

    ◦ 生産性向上: 「残業ゼロを達成」「30分の作業が5分以下に短縮」。

    ◦ データ活用: 「顧客データ分析によりリピート購入者が1.5倍に増加」「月次決算を2週間短縮」。

    ◦ 働き方改革: 「出先からの文書閲覧や決裁手続きが可能になり、時間外労働が短縮」。

4. DX推進における課題と障壁

取組の進展に伴い、リソース不足や戦略的不透明感といった課題がより浮き彫りになっている。

• 人材と予算の不足:

    ◦ 「IT人材の不足(28.3%)」、「予算確保の困難(26.0%)」、「DX推進人材の不足(25.6%)」が上位3課題であり、いずれも前回調査時より深刻化している。

• 取組状況別の課題特性:

    ◦ 未着手・予定なし企業: 「具体的な効果が見えない(25.7%)」ことが最大の障壁。

    ◦ 取組済み企業: 「効果が見えない(18.5%)」との回答も一定数存在し、投資対効果の測定に苦慮している実態がある。

• 戦略・ビジョンの欠如:

    ◦ 全体の66.0%が経営戦略・ロードマップを「未策定」としている。

    ◦ 「既に取組んでいる」企業ですら29.6%が未策定のまま進めており、長期的な展望を欠いたデジタル化が懸念される。

5. セキュリティに関する懸念と支援策への期待

今後のDX加速に向けて、外部支援とリスク管理の重要性が増している。

• 情報セキュリティの影響:

    ◦ DX推進に際し、セキュリティへの懸念が「影響している」企業は24.6%。

    ◦ 特に「既に取組んでいる」企業では、58.2%(「影響している」21.2%+「ある程度影響している」37.0%)が懸念を抱いており、実践段階におけるリスク管理が重要な課題となっている。

• 期待される支援策:

    ◦ 「補助金・助成金(43.9%)」への期待が圧倒的に高い。

    ◦ 「DX推進指針の策定・公表(21.0%)」や「研修制度(16.0%)」への期待も増加しており、金銭的支援のみならず、具体的な進め方や教育に関する支援が求められている。

期待する支援策回答率 (2025年)前回比
補助金・助成金43.9%+2.3pt
DX推進指針の策定・公表21.0%+0.3pt
研修制度16.0%+1.9pt
ベンダー、ツール情報の提供14.3%+0.5pt
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