インターネット広告を使って成果につなげるには?
ネットの広告は効果が出るのか?広告を実施する前に考えること
ネット広告を出す前に考えること
ホームページを作っても、ネットショップを立ち上げても、サイトに人が来訪せず、問い合わせや売上に繋がらないことはよくあります。集客する手段は色々とありますが、ネットの広告を使うのも一つの作戦になるでしょう。確かに広告を使えば、サイトに人を呼ぶことはできます。
ただし、広告する前に必ず考えてほしいことがあります。果たして広告で人を読んでも、皆さんのサイトから問い合わせはされるでしょうか?ネットショップなら売り上げは上がるでしょうか?
是非一度、ユーザの気持ちになって考えてほしいです。私がお客さまなら、このサイトから問い合わせをするだろうかと。
当たり前ですが、広告はお金がかかります。そして広告を使うと、人は呼べますが、ほとんどの場合、売上や問合せといった成果を保証するものではありません。
実店舗をオープンすることを想像してみてください。新規オープンするので、地域にチラシを配布したり、駅前に広告を出せば、ある程度のお客様は訪問してくれるかもしれません。しかし、商品の品揃えや陳列が悪かったり、接客が悪かったら、お客様は失望して、もう二度と訪問してくれない可能性が高いです。
ネットでも同様で、お客様を迎え入れる準備ができていないのに、広告を実施しても無駄に終わることが多いです。
ある程度はコンバージョン率が高くないと、広告を実施しても、目の荒いザルで水をすくっているようなものです。まずは広告でお客さまを呼びたいページの内容を充実させるところから始めるべきでしょう。
ネット広告で成果を出すには
それではネット広告で効果を出すにはどうしたらいいのでしょうか。ネット広告はテレビのマス広告と違って、ターゲットを絞れるのがメリットです。そのため、誰が見てもいいような広告を出すよりは、特定のターゲット顧客に絞って広告を出すことが求められます。
ただし、広告でターゲットを絞っても、商品やサービスの紹介ページが絞れていないと、広告は無駄に終わるケースが多いです。以下の例を見てください。
例えば工務店が、「木の家」に関する広告を出したとしましょう。検索ワードや広告文面、広告の写真などに木の家を使って広告を出します。そして広告を押して自社のサイトのページに誘導します。このページを着地ページ(LandingPage)、通称LPと言います。
上記の図表のように、広告の内容とLPの内容がずれていたら広告の成果は下がります。木の家を作りたいと思って、広告をクリックしたのに、木の家だけでなく鉄筋の家も出てきたり、どんな家でもお任せください、と言われると、なんだか騙されたような気分になりませんか?
こんなアンマッチなことは、しないと思うでしょうが、多くの広告で見られます。広告自体には特徴的なメッセージや写真を出しているのに、いろんな情報が記載されているページへ誘導しているケースは多いものです。
広告で成果を出していくためには、ターゲットを絞って、ターゲットに合った、内容が絞り込まれたページを作るところから始めましょう。
ネット広告は効果がでるのか?
ネット広告の種類
広告の以下の他に種類は多数あります。中心となるのは、検索エンジンでの検索結果で表示されるリスティング広告、ホームページを見ているときに表示されるディスプレイ広告、ソーシャルメディアを見ているときに表示されるSNS広告が挙げられます。
Google広告の種類
Google広告だけをとっても色々種類があります。その中でも下図の赤枠で囲んだ検索結果へ連動する検索広告と、サイトでのバナー表示されるディスプレイ広告がよく使われてきました。ただし最近では、動画広告であったり、地図に表示されるローカル広告であったりもよく使われるようになってきました。私自身はGmailを使っていますが、Gmail内に表示されるファインド広告もよく見かけます。
検索広告とは
検索広告については、下図の例のように、「リフォーム」というキーワードを検索すると、検索結果に広告が表示されます。検索結果では、検索順位が1位のホームページより上位に表示されます。お客様が沢山検索するキーワードに出稿すると、多くのお客様を自社のホームページに誘導できます。
そしてクリックされるたびに広告料がかかってきます。(クリック課金) 広告単価は人気が高いキーワードほど高くなります。(入札制) 例えば下図によると、「リフォーム」というキーワードは月間50万回程度検索されますが、競合企業が出稿していることが多く、高額なときには、1クリックで474円かかることもあります。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告は、ホームページ内に表示されている広告です。こちらは検索結果の結果ではなく、たまたま閲覧したホームページに表示されます。
よく見かけるのが、一度見た商品の広告が継続的にディスプレイ広告に表示されるケースです。そういった場合は、ディスプレイ広告でリマーケティングを行うと、ユーザを追跡して広告を表示することができるわけです。一人の消費者としては、あまり追跡されて良い気分はしない広告ですが。
どの広告を選べばいいのか?
それでは数ある広告の中でどの広告を使うのがいいでしょうか?それは集めたいお客様(消費者)の状況によって異なります。
例えば、下図では「買う気満々」と表現していますが、すでに買いたい商品やサービスがあって、購入直前のお客様には、検索広告が向いているでしょう。お客様のニーズは顕在化しており、商品に関するキーワードを検索して調べるからです。検索した際に、キーワードにマッチする広告が表示されればお客様を自社ページに誘導するチャンスですね。
一方で、まだお客様のニーズが潜在的な状態で、具体的に買いたい商品のキーワードが決まっていない場合は、もちろん検索してくれません。その場合には、ディスプレイ広告やSNS広告などで、お客様が探していなくても、こちらから見せていくことが必要になるでしょう。お客様の目に入れてもらい、需要を喚起していくわけです。ただし求めていない人にも広告は表示されてしまいますので、無駄な広告が増える可能性はあります。
検索広告で成果を出すには
1クリック500円の広告は高いのか!?
キーワードによって単価は大きく異なりますが、人気のキーワードであれば、1クリック500円することもあります。この金額は高いのでしょうか?
広告は見てもらうのが目的ではないです。広告を見て、問い合わせしてくれる、申し込んでくれるといった実際にビジネスに繋がることを求めているでしょう。
そうすると、広告を見たお客さまはどれくらいの割合で申し込んでくれるのでしょうか。これはケースバイケースなので以下の図表のリフォーム会社の一例で考えてみます。
広告を100人がクリックしたとして、3%の人が無料見積りボタンを押してくれるとします(3人)。そして無料見積りをした人の1/3が成約してくれるとすると、1人が受注につながったということになります。
1クリック500円だとすると、100人が広告をクリックして、5万円で1受注となります。高いでしょうか?安いでしょうか?受注金額が高額であれば安く感じるかもしれませんし、小額の受注であればとても広告を出す気は起きないかもしれません。
広告を実施する前にこういった確率や金額について、想定で構いませんので考えた上で実際に検索広告を活用していきましょう。
広告を出すときには少しずつトライ&エラーですすめていこう
初めて広告を実施するときは実際に成果につながるかわからず不安だと思います。そのため、どういった広告文面を出すのか、誘導するページはどんな画像を使えばいいのかを、複数パターンで試しながらやっていきましょう。こういった取組をABテストといいます。 少しでも成約率が高い広告や、自社ページを用意できたら、広告の予算を増やしていくといいでしょう。
また、地域を絞って少しずつやっていくのもいいでしょう。例えば、大阪府下全域に広告を出したいとしても、最初は例えば堺市に絞ってだしてみてはどうでしょうか。地域についても、都市部と地方で差が出るのか確認しながらやってみるのもいいでしょう。
どんなキーワードで集客していくか?
多くの人を集客したいときは、幅広いキーワードを設定してしまいます。しかし、キーワードの幅広くなると、成約率は低下しがちです。広告の運用を外部に依頼する際には、もっと集客するためにキーワードの幅を広げようと提案を受けるかもしれません。しかしその際には、そのキーワードで集客しても、本当に自社の売上につながるのかは、冷静になって考えてみましょう。
例えば、結婚関連のギフトを販売したいとします。いろんなキーワードが考えられますし、Google広告ではキーワードのマッチタイプがあります。部分一致。フレーズ一致、完全一致です。
完全一致であれば、「結婚 ギフト」と完全に同じキーワード検索をした人だけに広告が表示されます。しかし、部分一致であれば、「結婚」や「ギフト」に関連する検索に対して広告が表示されてしまいます。そうすると、「結婚 出逢い」と検索した人に対しても広告が表示されるかもしれません。
友達が結婚したのでギフトを贈りたいと思っている人を集客したいのに、結婚の出逢いを探している人が集客されてしまうと、自社の商品購入の成約にはつながらないでしょう。キーワードについても徐々に考えながら広げていく方が無難です。
そのため、除外キーワードの設定も重要です。除外キーワードはそのキーワードが含まれる場合は広告を出さないという設定ができます。前述の例では、「出逢い」や「マッチング」などのキーワードは除外しておくと、無駄な広告コストがかかるのを防げます。
データを見ながら進めていく
いずれにしても重要なことは広告結果のレポートをじっくり確認することです。どんなキーワードでは成約している確率が高いのか、1受注にいくらかかっているのか(コンバージョン単価)を見ていきましょう。
また、自社の商品サービスにつながらないような無駄なキーワードで来訪していないかも確認していきましょう。
ネット広告では、紙やテレビの広告に比べて成果測定ができ、費用対効果が明確になります。コストが見合っているのかを確認しながら広告にチャレンジしていくといいでしょう。
SNS広告の活用
消費者が検索するということは、明確なニーズがある場合が多いので、成約率は高くなります。一方でSNS広告はある程度のターゲットは絞れるものの、まだニーズが顕在化していない消費者に対して広告を見せることになるので、成約率は検索広告より下がりがちです。
SNSの広告活用は、以下の図表のように、まだ当社の商品サービスを知らない消費者に対して、認知をしてもらい興味・関心を持ってもらうことが目的になるでしょう。
他社がどんな広告を出しているか見てみる
自社の広告をする前に、他社がどのような広告をしているのか確認しておきましょう。実際にSNSを開いて、どのようなキャッチコピーと写真、動画で広告を出しているのか見て参考にしてみてください。
また、以下の広告ライブラリサービスで、他社が過去にどのような広告をだしていたのかも閲覧可能です。出稿している会社名で検索することができます。
Facebook Instagramの広告ライブラリ
https://www.facebook.com/ads/library/
Instagram広告を出す前の準備
今回は、実際にSNSの中でも、Instagramで広告を出す流れを紹介します。事前準備としては、ビジネスアカウントに変更しておく必要があります。ビジネスアカウントに変更すると広告出稿の他、インサイト(アクセス解析)も見ることができるようになります。
なお、InstagramはFacebookと同じくメタ社が運営していることから、Facebookページとの連動や、支払い用のクレジットカードの設定が事前に必要となります。
スマホアプリで広告を出す
それでは、実際に広告を出稿していきます。一番シンプルな広告として、すでにInstagram上で投稿した内容を広告するには、「投稿を宣伝」ボタンを押すと設定が始まります。
最初に、目標を選択することで、自社のWebサイトへ誘導したり、Instagramのプロフィールページへ誘導したりと、広告先を指定することができます。
次にオーディエンス(ターゲット)を指定します。地域を絞ったり、性別や年齢で絞ったりすることができます。興味・関心で絞ることもできますが、どこまで正確に絞れているかは多少疑問が残るところです。
そして最後に広告予算を設定します。図表の例では、3千円を6日間と設定をすると、2,600〜6,800のリーチが行われるという推定が表示されます。リーチとは、Instagramの広告が画面上に表示される回数になります。
18,000円で6,800人にリーチできたとしたら、2.6円強で1人に広告が見てもらえることになります。2,600人にリーチだと6.9円強ですね。
このように検索広告に比べて価格は安いです。ただし、消費者としては画面に広告が表示されたとしても、よほど興味をひく内容でないと、実際にクリックしないでしょうし、広告がクリックされたとしても売り上げにつながるのかは別の問題になります。広告で誘導するページを事前に充実させておくことが重要です。
まとめ
今回はスマホアプリから簡単にInstagram出稿できることを紹介しました。実際は、パソコンの広告マネージャーでより細かな設定をして、動画広告であったり、複数枚の写真を使って広告を出したりできます。
ただ、パソコン版はスマホ版に比べるとできることが多いので、少し操作が複雑になります。そのため、慣れていない方は、一度スマホで出稿してみるのかいいでしょう。
いずれにしても、どんな写真とキャッチコピーを見せればお客様に反応してクリックしてもらえるかを少しずつトライアンドエラーで実験してください。
より成果の高い出稿ができるようになったところで、予算を増額するなど、ステップを踏んで進めていただければと思います。
そんなところで