診断士試験の過去問・解説をAIに読み込ます〜NotebookLMはなかなかすごいな
過去問を読み込んでみる
診断士試験の問題集の執筆をほそぼそと続けています。今回は中小企業診断士1次試験 企業経営理論の過去問と解説をGoogleのNoteBookLMのAIに読み込ましてみてどれくらいの精度で回答してくれるか、試してみました。
NotebookLM
700ページ近くあるPDFを読み込んでみました。そのPDFに対してチャットで指示ができて、その結果をメモとして保存しておくことも可能です。
まず目次を作ってもらいました
最初からPDFには、目次が付いてるのですが、PDF全体から目次をつくってみよと。
そしてその結果。
章ごとの小見出しはもともとのを拾ってきてますね。そしてその章の要約が一緒に生成されました。
もう一段階、下の階層の目次案を作ってくれてもいいかなあと思いましたが、それはそのように指示したらきっとでてくるでしょう
出題傾向を聞いてみました
競合分析の5force分析の出題傾向を確認しました。
5forceの基本概念を最初に説明してくれ、そして、どのようなポイントが大事が教えてくれました。
5つの競争要因の強弱に関わる理解が重要とのことです。
関連する出題をピックアップしてみる
診断士試験では何年も続けて出題されたり、数年に1度出題されたり、新しい理論が一度だけ出題されたりということもあります。そこで、関連する問題をピックアップしてくれるか、以下のようにお願いしました。
5force分析関連の出題年次と問題を一覧で提示してお願いしました。
そうすると過去問の中で5forceに関する出題が一覧でピックアップされました。
果たしてピックアップされた内容はあっているのでしょうか?答え合わせをしてみました。
過去問マスタでは分野ごとに出題された項目をまとめて並べて掲載しています。5force単独ではグルーピングしていませんが、業界の構造分析、業界標準、5force分析でまとめているので比較してみましょう。
H27-4、R03-06、R05-03、R06-07 は直接的に5forceに関する出題でした。2問はピックアップされているが、2問は含まれていません。どうしてよ。
それ以外の上記のピックアップされた問題を確認していきます。
R02-03 は交渉力の問題ですが、業界の構造関連なので含まれてよいですね。
R02-06は垂直統合度の問題で,R02-05は多角化とM&Aの問題であり、関連はしますが、過去問マスタでは、「(3)多角化、M&A、戦略的提携、垂直統合」の章にいれていました。
H28-05は競争戦略の問題で、R05-06は先行者優位の問題で、ともに関連しますが、過去問マスタでは「競争地位別戦略、競争優位の戦略」に含めています。
R05-03やR03-06の問題は5フォース分析とタイトルにもつけているのにピックアップしてくれないのは不満です。
geminiでgmailから一覧を取り出してとお願いすると高い確率で取りこぼしがあります。一覧を表示するのは苦手なものなんでしょうかね。
回答を聞いてみる。
次は思い切って、設問そのものを入力して回答と解説をお願いしました。
以下の問題の答えを教えて。解説もして。
R01-06
「業界の構造分析」の枠組みに基づいて想定される,既存企業間での対抗度に関する予測として,最も適切なものはどれか。
ア 業界の成長率が高いと,製品市場での競合が激化して,業界全体の潜在的な収益性は低くなる。
イ 顧客側で生じるスイッチングコストが高い業界では,製品市場での競合が緩和されて,業界全体の潜在的な収益性は高くなる。
ウ 固定費が高い業界では,製品市場での競合が緩和されて,業界全体の潜在的な収益性は高くなる。
エ 事業戦略の方向性という点で,多様なバックグラウンドを有する企業が事業を展開する業界では,製品市場での競合が緩和されて,業界全体の潜在的な収益性は高くなる。
オ 退出障壁が高いと,製品市場での競合が緩和されて,業界全体の潜在的な収益性は高くなる。
NotebookLMの解説は・・・ ほぼ私の書いた解説通りが出てきました。なぜかである調で書いていた、ですます調で出力さていますが。
以下、私の書いた解説です。
まあ、該当の問題番号がわかっていれば、解説本を読めばいいので、出力する必要はないのかもしれませんが、出題してくれて自問自答できる感じでしょうか。
出題をお願いした
5force分析について1次試験の問題を出題して。基本的なものをお願いします。
出題されましたね。過去問をそのまま出力してくるかと思いきや、独自の問題を出してきました。
ア. 供給企業が多数存在し、製品の差別化が進んでいない。
→この選択肢は買い手の交渉力が強いと思います。 誤問ですね。
感想
大量の資料を読み込んで質問に答えてくれたり、要約してくれるのはありがたいですね。
特に、要約はそれほど誤りがないので便利な機能になりそうです。
ただ、一覧で表示して!では取りこぼしが多数ありました。
また問題出題して、という少し難易度の高い問いかけでは出題してくれたものの、誤りがありました。こういった精度の向上のためにはチューニングが必要なんでしょうが、出来合いのサービスであるNotebookLMでは、チューニングすると言ってもあまり細かいことはできないので、難しいかもしれません。
そんなところで