インボイス制度の変更点など〜令和5年度税制改正大綱

ついに出ました令和5年度税制改正大綱。その中からインボイス関するところだけ抜き出してみました。

(1)適格請求書等保存方式の円滑な実施について

消費税の複数税率制度の下において適正な課税を確保する観点から、令和5年10月に施行される消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)については、インボイス発行事業者の登録申請件数が令和4年 11 月末現在で約 200万者となっていることも踏まえ、引き続き、円滑な制度移行に向けて政府・与党が一体となって事業者に対する支援を一層きめ細やかに行っていく必要がある。

IT導入補助金を充実し、デジタルインボイスの普及など中小事業者の取引やバックオフィス業務のデジタル化に対する支援を通じた生産性向上を後押ししていく。

インボイス発行事業者となる免税事業者に対しては、持続化補助金によりこれまで以上に手厚い支援を行うとともに、制度移行に伴って小規模事業者が不当な取扱いを受けないよう、独禁法等に基づく書面調査の実施や下請Gメン、相談窓口での対応等の取組みを引き続き実施し、適切に対処していく。


① インボイス発行事業者となる免税事業者の負担軽減

これまで免税事業者であった者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を売上税額の2割に軽減する3年間の負担軽減措置を講ずることにより、納税額の激変緩和を図る。この措置により、簡易課税制度の適用を受ける場合に比べ、更に事務負担が軽減される。

② 事業者の事務負担軽減

インボイス制度の定着までの実務に配慮し、一定規模以下の事業者の行う少額の取引につき、帳簿のみで仕入税額控除を可能とする6年間の事務負担軽減策を講ずる。加えて、振込手数料相当額を値引きとして処理する場合等の事務負担を軽減する観点から、少額の返還インボイスについて交付義務を免除する。

インボイスの登録申請について

令和5年3月 31日の登録申請の期限について柔軟な対応を行う。その上で、令和5年 10 月のインボイス制度移行後においても弾力的な対応に努めるとともに、新たな課題が生じた場合には、必要に応じて柔軟に対応策を講じていく。

(2)電子帳簿等保存制度の見直し

国税関係帳簿書類の電子化を一層進めるため、事業者等における経理の電子化の実施状況や対応可能性、適正な課税の確保の観点での必要性等を考慮しつつ、必要な見直しを行う。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度については、システム対応が間に合わなかったことにつき相当の理由がある事業者等に対する新たな猶予措置を講ずるとともに、他者から受領した電子データとの同一性が確保された電磁的記録の保存を推進する観点から、検索機能の確保の要件について緩和措置を講ずる。

スキャナ保存制度については、制度の利用促進を図る観点から、更なる要件の緩和措置を講ずる。

国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度については、令和3年度税制改正において、会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、事後検証可能性の高い電子帳簿については、優良な電子帳簿として過少申告加算税の軽減措置を設けることにより普及を促進することとしつつ、その他の電子帳簿についても、正規の簿記の原則に従うなど一定の要件を満たす場合には電子帳簿として電子データのまま保存することを可能としたところである。今般、信頼性の高い電子帳簿への更なる移行を目指す観点から、過少申告加算税の軽減措置の対象となる優良な電子帳簿について、その範囲を合理化・明確化することにより、一層の普及・一般化を図る。

地方税においても、国税と同様、地方たばこ税及び軽油引取税に係る書類等の電子的保存の要件等について、所要の措置を講ずる。

そんなところで

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