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適格請求書の義務が免除される場合

適格請求書(インボイス)にはさまざまな義務がありますが、一方で義務が免除されるシーンもあります。それを見ていきます。

問 23 適格請求書の交付が困難な取引として、交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。

適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税 事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています(新消法57の 41)。

ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付するこ とが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令70の92)。

  • 1 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送(以下「公共交通機関特例」といいます。)
  • 2 出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
  • 3 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売 (無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
  • 4 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等(以下「自動販売機特例」といいます。)
  • 5 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

問 24 公共交通機関特例の対象となる公共交通機関の行う旅客の運送とは、具体的にはどのようなものですか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送で、次のものをいいます(新消令70の92一)。

1 船舶による旅客の運送

一般旅客定期航路事業(海上運送法25)、人の運送をする貨物定期航路事業(同法19の6 の2)、人の運送をする不定期航路事業(同法202)(乗合旅客の運送をするものに限ります。) として行う旅客の運送(対外航路のものを除きます。)

2 バスによる旅客の運送

一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法3一イ)として行う旅客の運送
(注) 路線不定期運行(空港アクセスバス等)及び区域運行(旅客の予約等による乗合運行)も対象となります。

3 鉄道・軌道による旅客の運送

・ 鉄道:第一種鉄道事業(鉄道事業法22)、第二種鉄道事業(同法23)として行う旅客の運送
・ 軌道(モノレール等):軌道法3条に規定する運輸事業として行う旅客の運送

問 25  3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の92一)。 この3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します(インボイス通達3-9)。したがって、1商品(切符1枚)ごと の金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。

【具体例】
東京‐大阪間の新幹線の大人運賃が 13,000 円であり、4人分の運送役務の提供を行う場合には、4人分の 52,000 円で判定することとなります。

問 26 特急列車に乗車するために支払う特急料金や駅構内に入場するために支払う入場料金は、公共交通機関特例の対象になりますか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の92一)。

ご質問の特急料金、急行料金及び寝台料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価として、公共交通機関特例の対象となります。

他方、入場料金や手回品料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので、公共交通機関特例の対象となりません(インボイス通達3-10)。

問 27 卸売市場を通じた生鮮食料品等の委託販売は、出荷者の適格請求書の交付義務が免除さ れるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

卸売市場法に規定する卸売市場において、同法に規定する卸売の業務として出荷者から委託を受けた事業者が行う同法に規定する生鮮食料品等の販売は、適格請求書を交付することが困難な取引として、出荷者から生鮮食料品等を購入した事業者に対する適格請求書の交付義務が 免除されます(新消法57の41、新消令70の92二イ)。

なお、この場合において、生鮮食料品等を購入した事業者は、卸売の業務を行う事業者など 媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の 要件となります。仕入税額控除の要件については、問48をご参照ください。

【参考】
○ 卸売市場法第2条(定義) この法律において「生鮮食料品等」とは、野菜、果実、魚類、肉類等の生鮮食料品その他一般消費者が日常生活の用に供する食料品及び花きその他一般消費者の日常生活と密接な関係 を有する農畜水産物で政令で定めるものをいう。
2 この法律において「卸売市場」とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であつて、卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものをいう。 3・4 (省略)

○ 卸売市場法第4条第2項第4号(卸売市場整備基本方針) 卸売の業務(卸売市場に出荷される生鮮食料品等について、その出荷者から卸売のための販売の委託を受け又は買い受けて、当該卸売市場において卸売をする業務をいう。以下同じ。) 又は仲卸しの業務(卸売市場を開設する者が当該卸売市場内に設置する店舗において当該卸 売市場に係る卸売の業務を行う者から卸売を受けた生鮮食料品等を仕分けし又は調製して販 売する業務をいう。以下同じ。)を行う者の経営規模の拡大、経営管理の合理化等経営の近代化の目標

問 28 農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が 免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

農業協同組合法に規定する農業協同組合や農事組合法人、水産業協同組合法に規定する水産業協同組合、森林組合法に規定する森林組合及び中小企業等協同組合法に規定する事業協同組 合や協同組合連合会(以下これらを併せて「農協等」といいます。)の組合員その他の構成員が、 農協等に対して、無条件委託方式かつ共同計算方式により販売を委託した、農林水産物の販売 (その農林水産物の譲渡を行う者を特定せずに行うものに限ります。)は、適格請求書を交付す ることが困難な取引として、組合員等から購入者に対する適格請求書の交付義務が免除されま す(新消法57の41、新消令70の92二ロ)。

なお、無条件委託方式及び共同計算方式とは、それぞれ、次のものをいいます(新消令70の 92二ロ、新消規26の52)。

1 無条件委託方式
出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること
2 共同計算方式
一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること
また、この場合において、農林水産物を購入した事業者は、農協等が作成する一定の書類を 保存することが仕入税額控除の要件となります。仕入税額控除の要件については、問48をご参照ください。

問 29  3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、適格請求書の交付義 務が免除されるそうですが、具体的にはどのようなものが該当しますか。

適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機とは、代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみ で、代金の受領と資産の譲渡等が完結するものをいいます(インボイス通達3-11)。

したがって、例えば、自動販売機による飲食料品の販売のほか、コインロッカーやコインラ ンドリー等によるサービスのように機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結す るものが該当することとなります。

なお、小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように、機械装置により単に精算が 行われているだけのものや、自動券売機のように、代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるものの資産の譲渡等は別途行われるようなものは、自動販売機や自動サービス機によ る商品の販売等に含まれません。

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