平成30年は中小企業のIT分野にはどういった補助金が出るのか?〜平成30年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等の概要
中小企業診断士の村上知也です。
中小企業庁から、平成30年の中小企業向けの概算予算要求が出ています。まあ、来年どんな補助金が出てくるかということですね。
平成30年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等の概要
この記事は以下URLにあるPDFの内容を掲載しています。
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2018/pdf/01_6.pdf
中⼩企業対策費の推移
もちろん、現時点では予算要求なので、実際にどこまでの額になるかはわかりませんが、今年の実行額より多めの金額が要求されています。
平成30年度中⼩企業・⼩規模事業者政策の重点項⽬
特に注力する分野としては、今年と変わり映えしませんが、事業承継、IT活用、人材採用ですね。
1.事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進
平成30年の要求は、91億円で、平成29年の当初予算の61億円より1.5倍ですね。来年は、新しく「事業承継・再編・統合集中実施事業」が増えます。 企業再編のために事業計画策定・・・なんて仕事になるんのでしょうか。
○事業承継・再編・統合集中実施事業 【16億円(新規)】
・地域の⽀援機関が連携した事業承継ネットワークを構築し、休廃業リスク分析等も活⽤することで、地域での事業承継⽀援を 促進する。
・事業の再編・統合促進のため、地域⾦融機関等による計画の策定⽀援や設備投資等の⽀援を⾏う。○中⼩企業再⽣⽀援・事業引継ぎ⽀援事業 (拡充)【75億円(61億円)】
(うち事業引継ぎ関連【25億円(17億円)】
・後継者問題を抱える中⼩企業・⼩規模事業者の事業引継ぎや事 業承継の促進・円滑化を図るために、課題の解決に向けた適切な 助⾔、情報提供及びマッチング⽀援等をワンストップで⾏う。
また、創 業希望者と後継者不在事業主等とのマッチングも⾏う。 あわせて、事業の収益性はあるが、財務上の問題を抱えた中⼩企 業・⼩規模事業者の事業再⽣の⽀援を⾏う。○⾮上場株式等についての相続税・贈与税の納税 猶予制度の⾒直し 【拡充】
・後継者が、⾮上場会社の株式等を先代経営者から相続⼜は贈与 により取得した場合において都道府県知事の認定を受けたときは、 相続税・贈与税の納税が猶予される措置について、更なる促進策を 講じる。○中⼩企業・⼩規模事業者の事業再編等に係る税 負担の軽減措置の創設 【新規】
・地域の雇⽤・経済に不可⽋な中⼩企業・⼩規模事業者の経営資 源が、経営者の⾼齢化や後継者不在で失われぬよう、中⼩企業・⼩ 規模事業者のM&A(親族外承継)への優遇措置を創設する。
2.中⼩企業・⼩規模事業者におけるIT活⽤の拡⼤
そして、私としてはIT活用の分野の方が気になります。
決済とIoTとAIがキーワードですかね。IT導入補助金的なものはここには無さそうですね。
○中⼩企業・⼩規模事業者決済情報管理⽀援事業 【4億円(新規)】
・受注から⼊⾦までの決済業務等についてITを⽤いて効率化する実証 を⾏い、 全国の中⼩企業に普及するための体制を整備する。○経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業 【44億円の内数】
・デジタルガバメント実現のため、法⼈認証基盤の整備やデータ連携 の技術基盤を整備するとともに、中⼩企業向け⾏政サービスのデジ タル化(施策情報の発信、各種申請)、ITクラウドサービスの⾒え る化、官⺠データベースの連携等の環境を整備する。○地域中核企業・中⼩企業等連携⽀援事業 (拡充)【178億円(155億円)】
・中⼩企業が地域中核企業等と連携して⾏う活動を、研究開発か ら市場獲得まで⼀体的に⽀援する。その中で、来年度より中⼩企業 のIoT、AI等の技術を活⽤する事業についての取組を促進する。
3.⼈材不⾜への対応
○中⼩企業・⼩規模事業者⼈材対策事業 (拡充)【28億円(17億円)】
・中⼩企業・⼩規模事業者が必要とする⼈材を地域内外から 発掘・確保・定着を⼀括⽀援する。「⼈⼿不⾜対応ガイドライ ン」の普及や、中核⼈材等の確保に向け多様な雇⽤形態の導 ⼊促進に取り組む。あわせて、中⼩サービス業・ものづくり現場・ まちづくりの中核を担う⼈材や、⼩規模事業者を⽀援する⼈材を育成する。
○中⼩企業・⼩規模事業者ワンストップ総合⽀援事業 (拡充)【59億円(55億円)】
・「よろず⽀援拠点」を活⽤し、中⼩企業が抱える経営課題に 対応するワンストップ相談対応を⾏う。あわせて、⾼度な課題に 対応する専⾨家の派遣や、経営者保証ガイドライン等の周知・ 普及を⾏う。
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ここからは重点ではないけど、引き続き頑張っていく施策
地域未来企業の発掘、経営⼒強化・⽣産性向上に向けた取組
○中⼩企業・⼩規模事業者海外展開戦略⽀援事業 (拡充)【37億円(24億円)】
・海外市場に活路を⾒出そうとする中⼩企業・⼩規模事業者に対して、 事業計画策定から海外販路開拓、現地進出、進出後の課題に対す る対応までを⼀貫して戦略的に⽀援する。
○ふるさと名物応援事業 (拡充)【16億円(14億円)】
・各地域の資源を活⽤した「ふるさと名物」のブランド化や商品・サービ ス開発、 販路開拓等を⽀援する。
○地域・まちなか商業活性化⽀援事業 (拡充)【21億円(18億円)】
・商店街が⾏う全国モデルとなる新たな取組を創出するため、商店街を 類型化(①⽣活⽀援型、②エリア価値向上型、③観光型)し、規 模、ステージに合ったきめ細かな⽀援を実施する。また、中⼼市街地 におけるコンパクトシティ化に取り組む意欲ある地域における、波及効 果の⾼い複合商業施設等の整備を⽀援する。
○⼩規模事業対策推進事業 (拡充)【66億円(49億円)】
・商⼯会・商⼯会議所が「経営発達⽀援計画」に基づき実施する 伴⾛型の⼩規模事業者⽀援を推進する。 ・⼩規模事業者が商⼯会・商⼯会議所と⼀体となって経営計画 を作成し、販路開拓に取り組む費⽤を⽀援する。
○⼩規模事業者経営改善資⾦融資事業 (マル経融資等) (継続)【43億円(43億円)】
・商⼯会・商⼯会議所・都道府県商⼯会連合会の経営指導員 の経営指導を受けた⼩規模事業者に対し、⽇本政策⾦融公庫 が⼀定額を上限に無担保・無保証⼈・低利で融資を⾏う。
○中⼩企業連携組織対策推進事業 (継続)【7億円(7億円)】
・全国中⼩企業団体中央会に対し、組合への運営指導を⾏うた めの経費を補助する。また、効果的な経営改善・⾰新に取り組む 組合等に対して、事業に係る経費の助成を⾏う。
活⼒ある担い⼿の拡⼤
○地域創業活性化⽀援事業 【10億円(新規)】
・地域での創業とそれによる地域経済の活性化を⼀層推進していくため、潜在的創業 者の掘り起こしから創業前の⽀援、創業後の成⻑の後押しまでを実施する。
○中⼩企業基盤整備機構運営費交付⾦ (拡充)【188億円(179億円)】
・中⼩企業基盤整備機構において、中⼩企業・⼩規模事業者の「創業・新事業展 開の促進」、等のための施策を⾏う。
安定した事業環境の整備
○中⼩企業取引対策事業 【14億円(14億円)】
下請事業者による連携を促進することで中⼩企業・⼩規模事業者の振興を図る。ま た、下請取引に関する相談や、下請代⾦⽀払遅延等防⽌法の周知徹底・厳正な 運⽤、官公需情報の提供等を⾏うことで、取引に関する事業者の課題に対処する。
○消費税転嫁状況監視・検査体制強化等事業 【27億円(29億円)】
・中⼩企業・⼩規模事業者等が消費税を円滑に転嫁できるよう、時限的に転嫁対策 調査官(転嫁Gメン)を措置し、違反⾏為の監視・検査体制の強化を図る。
○政策⾦融・信⽤保証による資⾦繰り⽀援 (拡充)【263億円(226億円)】
・政策⾦融や信⽤保証により中⼩企業・⼩規模事業者の資⾦繰りの円滑化を図る。
まあまだ色々ごちゃごちゃしていてよくわかりませんが、IT導入補助金が平成30年度(2018年)も実施されるのは確実そうですね。
IT導入補助金
なので、IT導入補助金の申請の書き方をこの辺りでまとめてみました。もちろん、まだ2018年の書式は出ていないですが、きっと大きな変更はないんじゃないかなとも思います。また、2018年の書式がでたら改めて修正していきたいと思います。
そんなところで