まちづくり構造改革―地域経済構造をデザインする

中小企業診断士の村上です。

引続き、シティーマーケティングや街づくりについての現状把握のため、様々な本を読みあさっています。
今日はこれ。

まちづくり構造改革―地域経済構造をデザインする

タイトル  : まちづくり構造改革―地域経済構造をデザインする
発行年月日 : 2014/04
著者 : 中村 良平
出版社 : 日本加除出版
ページ数 :225ページ
AmazonURL:まちづくり構造改革―地域経済構造をデザインする

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(目次)

序章 まちづくりの経済原則
第1章 いま、まちの経済は?
第2章 まちの経済構造、どこが問題?
第3章 まちの経済の成り立ちは?
第4章 まちの経済のどこを見る?〜地域経済構造分析の導入
第5章 具体的に何をする?〜地域経済構造分析の実践
第6章 まちの構造改革に向けて〜〜地域経済構造分析の展開
第7章 こうしてまちの経済は変わった!
第8章 変わりつつあるまち

概要

まち(地域)の「産業連関構造を変える」ことこそが自立ある持続可能な地域経済を作り上げる基礎になるという信念と、各地で取り組んできた事例を元に、その具体的な「地域経済構造分析」のやり方を説明しています。
経済学の視点で地域の構造を見える化している。

特に感銘をうけたのは次のところ。


域内・域外のお金の流れを地域経済構造分析として解説されているのが秀逸です。
地域の税収を上げるのが自治体経営の一つのゴールだとすると、域内でお金が循環しているうちに、域外に漏れ出していくのをいかに防ぐことが重要なのかを、「地域経済構造分析」が教えてくれる。
一方で、漏れるのを無理やり塞いでも非効率な域内ビジネス圏ができあがり持続可能ではない。域内で循環冴えるマネーの量を増やす地域ビジネスの創出が求められます。

企業誘致の誤解 (P.23)

地域振興といえば企業誘致、さらに工場誘致を目指しているところが多いです。そのための施策として固定資産税の一定期間の減免や、リッチにあたっての直接補助金などの施策を提供しているところが多数あります。
しかし気をつけていないと企業誘致の罠にはまります。地元に納税してくれると思っても、その工場の原材料仕入れが全て域外だとすると域内への工場誘致効果は激減です。公共工事なら、地元の企業を選んで発注も出来るでしょうが、工場の仕入先まではなかなか自治体でコントロール出来ないでしょう。
だから誘致する前に、そこまで見越して企業を選ばねばなりません。

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地域振興の罠 (P.54)

“企業誘致の誤解”で記載したように「域内でマネーを生み出して循環させること」が重要です。
しかし、100%の自給率を目指すのは現実的ではありません。無利子て自給率を上げると、コスト高の効率の悪い経済になってしまいます。域外に優れたものがあれば、積極的に取り入れるべきですが、その分、域内でも積極的に域外に売り出せる物を見つける必要があります。
→いわゆる比較優位の原則です。

このバランスをどうとっていくかが難しところです。

まちの経済循環システム (P.68)

基盤産業と非基盤産業の軸で経済循環構造システムを分析します。
域外市場産業は、域外を販売市場産業です。(マネー獲得する方)
域内市場産業は、域内で販売する産業です。(マネー循環)

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まちの経済循環システム〜6次化産業 (P.76)

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シティマーケティングにつながる視点

今までのシティプロモーションの最大の問題は、街としての課題認識が不明確なまま、個別の施策を実行して、単発的な成功と失敗を繰り返してきた。

本書の「地域経済構造分析」を行うことで、どこで地域経済がまわらくなっているのかを把握でき、全体を俯瞰した施策の立案につながると考えられる。
また、施策実行後に、もう一度同じ分析を行い、比較することで、成果の測定にもつながるのではないか。