IT導入補助金を補助金コンサルタントに申請代行を頼んではだめな3つの理由

2020年6月16日

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2019年は、「生産性特別補助金」ということで、IT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金が統合されて、1,100億円という予算がついています。

生産性向上は、日本企業の喫緊の課題。人手不足を嘆くより、生産性を上げましょうということなんですね。

補助金、申請はめんどくさいです(^^; そしてなにより、苦労しても申請しても100%採択されるとは限りません。倍率が高ければ採択率が30%を切ることもあるでしょう。

そのため、「成果報酬型の補助金コンサル」はこの数年、大流行しています。面倒な作業を、代行でやってもらって、お金で解決!っていうのは悪いことではありません。しかしよくわからないまま、補助金コンサルタントにお願いして、無駄な投資をさせられて、儲かったのはコンサルト、メーカという構図に終わっているケースは多数あります。

事業者が生産性が向上し、その結果、メーカやコンサルが儲かるのはWin-Win-Winですが、実際は、Lose-Win-Winの関係の場合が多いでしょう。 そんなデータは正直ありませんが、Loseになった事業者の怨嗟の声はよく伺います。

補助金の申請を頼む場合は、少なくとも事業者自らが制度の内容をある程度は把握し、投資効果をきっちり見積もってからやらないと、そもそも無駄に終わるでしょう。

その上で、実際に申請書を書くのは手間がかかるので、慣れているコンサルタントに頼むのも一つです。しかし、IT導入補助金だけは、補助金コンサルタントは必要ありません。

もう一度書くと、IT導入補助金を申請したい場合に、補助金コンサルタントは不要です。

その理由を説明していきます。

IT導入補助金とは

最初にIT導入補助金について確認しておきます。

補助上限 450万円 補助率 1/2 下限は40万円
つまり、900万円のシステムを導入したら、450万円が戻ってくるということです。補助下限は40万だから80万以上じゃないと対象になりません。結構大きいですね。でも、無理して80万とかに導入しちゃだめですよ。あくまで必要なものだけ。補助金に下限にあわせてIT投資額を決めるのは愚策です。

なお、去年(2018年)は、上限50、下限15でした。30−40万のWebサイト構築にたくさん活用されていましたが、下限40、すなわち最低でも80万円の導入が必要となりますので、小規模のWebをIT導入補助金で作るのは難しいでしょう。

  • 中小企業・小規模事業者等の生産性向上を実現するため、バックオフィス業務の効 率化や新たな顧客獲得等の付加価値向上(売上向上)に資するITツールの導入 支援を行います。
  • 小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって取り組む販路開拓や生産性 向上の取組を支援します。
  •  複数社が連携した共同設備投資等は補助上限500万円(50万円×10者)
  • 展示会開催支援
“IT導入補助金 2019” をダウンロード 181221yosan10.pdf – 5858 回のダウンロード – 343.47 KB

今年の詳細はまだ発表されていないので、ここからは、去年の話になります。はやく募集要項が出るといいのですが。

IT導入補助金の特徴としては、予め登録されているIT会社のITパッケージの中からしか申請できません。そして、申請書はエクセルとかワードではなくて、Webから申し込める仕組みができています。さらに、申請はIT会社が代行で申請します。

ということで本題です。

補助金コンサルがIT補助金に不要な3つの理由

採択率が高い

ものづくり補助金や持続化補助金は採択率が低下していました。一方で、IT導入補助金は、採択率が高いです。というか、去年はちゃんと申請要件を満たせば、落ちることはなかったと言ってもいいくらいです。

通常、補助金は予算がなくなってしまえば、終了なので、1次募集で終了することすらありますが、IT導入補助金は、去年は3次募集までありました。さらに以下の図をみてください。3次募集は、3−1から3−7までありました。実質9回募集があったと言えるでしょう。


つまり、予算を使い切るほどの申請が無かったため、何度も募集され、みんな落ちなかったので、補助金申請に慣れている人が申請しないと通らないというわけではなかったのです。

申請内容が簡単

前述のとおり、ものづくり補助金や持続化補助金は採択率も低下したため、採択されるには、補助金申請のストーリーが必要でした。単に、「機械買うからお金ちょーだい!」では通らなかったわけです。

どんな問題があり、こんな新しいこと始めるから、補助して欲しい。そして、補助してもらえると、こんなに利益が上がるから、よろしく! といったストーリなどです。

一方、IT導入補助金は、基本的には、チェックシートで、「受注管理に課題がある」、「新規集客に課題がある」、といった選択式の項目が中心です。

一番悩むところは生産性が向上する数値計画を出すところですが、これも売上と要員数の予定を考えれば事業者でも十分に作成できる内容です。

IT会社が代行で申請してくれる

そしてなにより、申請はIT会社が代行してくれます。自分で初めてのシステムを使って申請するのなら大変でしたが、操作になれているIT会社が代行してくれます。

また、IT会社としても事業者さんの申請を通すと、自社の売上が上がるわけですから、どのように申請すべきか、心得ています。 (大抵のところは)

ですからわからないことは、IT会社に直接聞けばいいのです。

申請の負荷も高くないので、改めて補助金コンサルタントを頼む必要はないわけです。

ただし、ITコンサルタントが必要な場合はある

ということで、ことIT導入補助金に関しては補助金コンサルタントに頼むに必要はありません。

ただ、事業者にとって、IT導入補助金の最大の課題は、IT会社を選んでITサービス・ソフトウェアを選択することです。事業者が自分で選ぶのはなかなか難しいものです。

でもこれもね、本当は事業者が自分で選ぶべきだと思います。ものづくり補助金でも、自社で買いたい機械は自分で選ぶでしょ? ITよくわからないから選べないという事業者は、きっとIT導入補助金でITサービスを導入しても使いこなせない公算が高いです。

IT業者を選べないから、補助金コンサルに頼ろうとしても、ITに詳しくないコンサルに聞いたら、せいぜい、補助金コンサルとタッグを組んだIT会社しか紹介してくれません。そんなことなら自分で探したほうがマシでしょう。

ただし、規模の大きめのITサービス・システムを選ぶのは、確かに事業者にとってハードルが高いのも事実です。そんなときは、補助金専門のコンサルタントじゃなくて、相談すべきはITコンサルタントです。 

え、自分に誘導? そんなことないですよ。村上は少なくともIT導入補助金のお手伝いをして事業者さんからお金をもらうことはありません。 

本格的なITコンサルが必要であればいつでも有償で相談には乗りますが。

おっと。その前に、村上は公的機関での無料相談窓口にも結構いますので、相談していただくのは無料です。その際の予約は、以下ページの各公的機関に直接ご連絡ください。

まとめ

  • IT導入補助金の申請自体は、コンサル不要で自分でできる(IT会社が代行してくれる)
  • IT導入をすすめるには、自分で調べて選ぶという気力も必要(じゃないとわからないまま導入して、使わないとなりがち)
  • そうはいっても、規模の大きめのIT導入なら、ITに詳しい人に相談してほしい。(ITコンサルでも、公的機関のIT窓口相談でも)

そんなところで

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