「ECの死」は来るのか? 〜 AIが変える、ネット通販の未来

ネットでの購入は増えるだろう
これからもネットでものを購入する割合は高まっていくでしょう。すでに自分自身は買い物の95%以上はネットで行っていると思います。数値はとってないですが。
思えばガジェット系を昔、日本橋や秋葉原で探しに行っていたものが全てAmazonやヨドバシになりました。
もちろん書籍も、以前は部屋が本で埋もれていたのですが、ほとんど処分して、Kindleにしました。今は家に書籍は100冊も残っていないです。
そして、この数年でアパレルも完全にネットになってしまった。店舗で試着するのとかだるいですし。
後は、靴は流石に店頭で買っているけど、一度買って良かった靴は、すぐネットで二足目を買っている。
残りは・・・生鮮食料品くらいでしょうか、店舗で購入しているのは。
つまりネットでの買い物は死ぬどころか、ますます元気になっていくと思います。
一方でECのSaaSや、ショッピングモールはどうなるのでしょうか?
私もちょびっと株を買ってたShopifyはドーンと株価下がりましたね。南無三。

ということでAIに確認しながら「ECの死」について考えてみます。
まず「ECの死」って何のこと?
最近、ネット業界やビジネスのニュースで「ECの死」という言葉をよく耳にするようになりました。言葉だけ聞くと「ネット通販がなくなるの?」と驚いてしまいますが、実際にはもう少し複雑な話です。
「ECの死」とは、「ネット通販そのものがなくなる」という意味ではありません。今まで私たちが当たり前のように使ってきた"ネットショッピングのやり方"が根本から変わってしまう、という変化を指しています。
→そらそうですね。ネットでの購入額は増える。問題は買い物の仕方がどれくらい変わるか。それによって、モールやECカートは変わらねばならないし、出品者もどこにどう出品していくかを考えないといけない。
「SaaSの死」から始まった話
「ECの死」を理解するには、まず少し前に起きた「SaaSの死」という議論を知っておく必要があります。
SaaS(サース)とは、インターネット経由で使う業務用ソフトウェアのことです。たとえば、会社で使うメールシステムや顧客管理ソフト、経理ソフトなどがこれにあたります。
2024年12月、マイクロソフトのCEOが「AIエージェントの時代には、SaaSという考え方はすべて崩れる」と発言しました。さらに2026年1月〜2月には、Anthropic(Claudeを作っている会社)が業務を自動でこなすツール「Claude Cowork」の新機能を発表し、SaaS企業の株価が次々と大きく下がりました。
この「SaaSの死」の衝撃が収まらないうちに、次は「ECの死」という話が出てきたのです。
→そういう意味では、ECの死はSaaSの死と同意味のところも多いですね。ECカートの死はまさにSaaSの死と同じですしね。ただショッピングモールがどうなっていくかは、また別の議論になるのかも、と思います。
AIエージェントがすべてを変える
「ECの死」の核心にあるのが、「AIエージェント」という存在です。
AIエージェントとは、人間に代わって自律的に買い物を完了してくれるAIのことです。たとえば「防水で8,000円以内のバックパックを買っておいて」と指示するだけで、AIが複数のECサイトを横断して価格・レビュー・配送速度を比較し、最もよいものを選んで注文まで済ませてくれます。
この場合、あなたはAmazonや楽天市場のトップページを見ることも、商品一覧をスクロールすることも、広告を目にすることも、一切ありません。
これが「ECの死」と呼ばれる理由です。ネット通販という「行為」は続きますが、消費者がECサイトを訪れる、という体験そのものがなくなってしまうのです。
→ショッピングモールに対しては愛着はないので、モールを訪れずに買い物をするのには抵抗はないですね。お手頃で良い商品をAIが提案してくれるなら。ただ、買い物する時の決済はどうするのでしょうね。もちろんAIに決済情報を渡せば、各モールで決済してくれるでしょう。ただ、自分はAmazonやヨドバシの会員登録はしているが、会員登録をしていないモールも多いし、もちろん独自ショップの多くに会員情報は登録していない。会員登録しますか?とAIが聞いてきて、断ると、会員登録無しで買い物していくかんじになるのだろうか。
実際に何が起きているのか
この変化は、すでに現実として動き始めています。
2024年から2025年にかけて、生成AIやチャットサービスからECサイトへのアクセスが、なんと年間4,700%増(約47倍)という驚異的な数字を記録しました。インターネット利用者の約半数がAIを使って商品を検索するようになっており、その流れは「商品を探す」だけでなく「実際に購入する」ところまで一気につながり始めています。
各テック企業もこの動きに対応しています。OpenAI(ChatGPTを作っている会社)は2026年2月に「Instant Checkout」という機能を展開し、ChatGPTの画面から直接購入できる仕組みを整えました。Perplexityというアプリも「ユーザーに代わってAmazonで自動購入する」機能を実装し、Amazonがこれに対して訴訟を起こすという事態にまで発展しています。
→AI側は買い物する機能を充実させたいでしょうね。モール側は全力阻止なのか。
Shopify(世界最大のECサイト構築プラットフォーム)は2025年12月に「Agentic Storefronts(エージェント対応店舗)」を発表し、すべてのショップをAI経由でも購入できる構造に変えると宣言。実際、AI経由でのショッピングトラフィックは7倍、AI経由での注文数は11倍に急増したと報告されています。
→Shopifyはモールではなく、独自ショップですが、Shopifyで作っているサイトはやまのようにある。そのShopify横断的にAIで買えるのは良さそうですね。ただもちろんその中にはモールは含まれないか。
誰が「負け組」で、誰が「勝ち組」になるのか
日本経済新聞の報道によれば、この構造変化における「負け組」はAmazonなどの既存のECプラットフォーマーであり、「勝ち組」はウォルマートやホーム・デポといった大手実店舗を持つ小売店だといわれています。
なぜでしょうか。
従来のAmazonのビジネスモデルは、「広告収入」と「商品の見せ方(レコメンド)」に大きく支えられていました。しかし、AIエージェントが購買を代行してしまうと、消費者はAmazonのサイトにアクセスしなくなります。広告も見なくなります。Amazonが精魂込めて作ってきた「ユーザー体験(画面デザインや商品のおすすめ機能)」が、まったく意味を持たなくなるのです。
一方、ウォルマートのような実店舗を持つ大手小売は、AIがいくら介在しても「実際の商品在庫」「配送網」「リアルな購買データ」という強みを失いません。AIエージェントが「どこから仕入れるか」を決める際に、信頼性の高いリアル店舗のバックボーンを持つ企業が有利になると考えられています。
コンサルティング会社のBCGは2025年10月のレポートで「迅速な対応なしには、小売業者はAIエージェントが支配するマーケットプレイスで、単なる裏方(倉庫と配送だけを担う存在)に成り下がるリスクがある」と警告しています。
→うーん、これはどうでしょうか?実店舗は生き残らないでしょうね。ブランドやロイヤリティの高い店舗以外。しかし、在庫や配送網の物流業は残るでしょう。ウォルマートも残るかもしれません。でもその論理で行くとAmazonの方が残りそうですよね。小売には辛い時代が続きそうです。
ブランドへの「愛着」もなくなる?
もう一つ、深刻な問題があります。それが「ブランドロイヤリティ(ブランドへの愛着)の崩壊」です。
私たちが商品を選ぶとき、「このブランドが好きだから」「このショップはいつも使っているから」という感情が働きます。しかし、AIエージェントが代わりに選んでくれる時代になると、AIは感情ではなく「価格・評価・配送速度・在庫」だけを基準に判断します。ブランドへの思い入れは無視されてしまいます。
Deloitte(デロイト)の2026年リテール業界見通しでは、小売業の幹部のうち81%が「生成AIは2027年までにブランドロイヤリティを弱める」と回答しています。
つまり、長年かけてブランドイメージや顧客との関係を育ててきた企業にとっても、AIエージェントの普及は大きな脅威となります。
→ショッピングモールで買うときには、ロイヤリティはないです。でもSNSを見て応援したいお店の独自ショップで買うときにはロイヤリティが無いです。ブランドロイヤリティはどうなるんだろう。小規模メーカなどにとってはSNSでブランドを形成できれば、より他と差別化できて、ロイヤリティの高い顧客を獲得できるのかもしれない。ただもちろん、現時点でもSNSでブランド形成していくのはライバルが多すぎて大変ではありますが。
「ECの死」は本当に来るのか? 冷静な見方も
「ECの死」という言葉はセンセーショナルですが、冷静に考えると、まだ「EC市場が消えた」というデータは存在しません。
日本の経済産業省が発表したデータによれば、2024年の国内のBtoC(消費者向け)EC市場規模は約26兆円で、前年より5.1%増えています。市場そのものは依然として成長しています。ただし成長率は鈍化しており、「高成長を当然の前提とした経営」は難しくなりつつあります。
あるアナリストが端的にまとめています。「ECは死ぬのではなく、UIを失う可能性がある。UIを失う企業が淘汰される。それが今見える最も合理的な変化だ」と。
→そう、これはそのとおりECの市場は死なない。でもUI・・・顧客との接点を失う可能性はある。これはSaaSと同じですね。顧客との接点を失ったら、ブランド形成は難しくなるでしょうね。これらかは売り場を整えるより、全力で顧客との接点の醸成を図らないといけないのかなと思います。
まとめ:変わるのは「形」であって、「買い物」ではない
「ECの死」とは、ネット通販という行為がなくなることではありません。消費者がECサイトを自分の手で操作して買い物をする、という従来の「形」が終わりを迎えようとしている、ということです。
これからの買い物は、AIが代わりに動いてくれる時代へと移行していきます。その変化の中で、誰が生き残り、誰が取り残されるか。ECサイトを運営している企業にとっても、これから起業を考えている人にとっても、避けて通れない問いになっています。
そんなところで

