6.インボイス制度への取り組みはどれを選択すべきか〜採択されるためのIT導入補助金2022年の交付申請のポイント

2022年4月21日

昨日(4/19)も交付申請の手引がバージョンアップされました。これからも続きそうですね。

インボイス制度に関するIT導入補助金での選択項目

昨日の変更ではありませんが、交付申請の手引P.50には、インボイス制度への取組という選択画面があります。デジタル化基盤導入類型の画面です。デジタル化基盤導入類型ではインボイス制度の対応が必要になるので、このような選択項目が増えたわけです。

基本的に、素直に選択していけばいいのですが、IT導入補助金は、他の補助金制度と違って、文章をたくさん書いて、採点してもらうものではありません。(フリー記載枠はなるべく書いておきたいですが、それでも少量)

さらに、事業計画(労働生産性の計画)についても今回のデジタル化基盤導入類型では記載の必要がありません。

つまり、ただでさえ、採択に向けての差がつきにくいIT導入補助金であったわけですが、デジタル化基盤導入類型は、さらに差がつきにくいでしょう。その分、採択率が上昇することは期待したいですが、そうは言っても100%採択されるというわけではありません。

どこかで補助金の採点に差がつくでしょう。

ということで、この設問のチェックのポイントを考えてみます。

インボイスに対するIT投資(会計・受発注・決済・EC分野)状況

今までのインボイスに対するIT投資の状況について聞かれています。

4番目の選択肢の「これまでITツールは一切導入していない」ような企業はいないように感じますが、インボイスに対するITツールには一切、導入していない、ということはあるでしょう。しかしそれであれば、選択肢1のすでにITツールの導入は行っているが、インボイスは未対応、ということになると思います。そうすると、4番目を選ぶ可能性は低そうです。(実際に全くIT投資したことない企業はほとんどいないでしょうし)全くIT投資してこなかった企業を応援するために、加点される可能性が0ではないでしょうが、考えにくいでしょう。

逆に2番めの選択肢はITツール導入済みでインボイスも対応済みという謎選択肢です。インボイス対応済みなら、今回IT導入補助金を利用する必要もないでしょうから、2番めの選択肢も選びにくいですね。もちろん、会計分野はインボイス対応済みで、今回はEC分野のインボイス対応だから、というケースはありそうですが・・・これをチェックしたら減点というわけではない気もしますが、選択しづらいですね。

3番めの選択肢はIT導入済みだが、会計・受発注・決済・EC分野はIT未導入のため、ということで、これはありえそうですね。ただ、会計とか受発注にITを入れてないのに、他の分野からIT導入を進めているケースは少ないと感じます。

いずれにせよ、皆さんの会社のIT化状況を補助金事務局が把握しているわけではないですが、気をつけたいのは、過年度にIT導入補助金を使ってITを導入している場合ですね。今回の会計・受発注・決済・EC分野、だったり他分野だったりでIT導入している場合は、事務局にそのデータがあるわけなので、アンマッチにならないようにしておきたいです。IT導入補助金で会計システムを過去に入れているのに、選択肢3や4は選ばない方がいいでしょう。

ということで、この選択肢は1番目が一番選びやすそうですね。

嘘をつかないということ、他情報とアンマッチにならない!という点は常に留意したいところです。

ITツールの導入により電子化する事務の範囲

次に導入範囲についてです。

これも今回実際に導入するシステム範囲とあわしておきたいです。と入っても曖昧な表現で悩ましいところです。

選択肢1:自社の会計業務 →会計分野
選択肢2:自社の請求書発行業務 →受発注や会計分野だが、請求書発行に限定されている?
選択肢3:自社の受発注業務 →受発注分野
選択肢4:取引先の受発注業務 →受発注分野(EDI,BtoB EC)
選択肢5:取引先からの請求書受領業務 →受発注や会計分野だが、請求書発行に限定されている?
選択肢6:自社・取引先間の決済業務 →EC分野

気になったのは、選択肢2と6です。妙に請求書に限定されています。

公募要領では、請求書作成のみのソフトウェアは対象外としています。もしかして罠でしょうか。ここは選択肢2や6だけの選択はしづらいですね。もちろん、複数選択なので、他の選択肢も選択しながら、2や6を選ぶのはありだと思います。

あとは、アンマッチをさけること。ECを導入するのであれば、選択肢6を選んでおく、会計を導入するのであれば選択肢1を選ぶなど漏れなきようにしておきたいですね。

また複数分野に跨がる場合、例えばBtoB ECであれば、受発注とECの2つにまたがってソフトウェアが登録されている可能性があります。(これはITベンダに確認となります)そうすると、選択肢3,4,6あたりにチェックしておきたいですね。

ITツールの導入によりインボイス対応に資する業務

次は今回のツール導入によりインボイス対応の何ができるかということですね。

これも紐づく分野があるんでしょうかね、微妙なところ。

選択肢1:スキャンした請求書の自動データ化 →会計分野、受発注分野
選択肢2:仕入先が免税事業者かどうかの確認 →会計分野、受発注分野
選択肢3:免税事業者の控除率の自動化 →会計分野
選択肢4:請求書発行時の登録番号記載 →請求書機能(受発注、会計分野)
選択肢5:税率ごとの区分表示 →会計、受発注、EC分野

まず選択肢1はインボイス対応っぽくないですね。どちらかと言うと電子帳簿保存法の対応の選択肢のようです。

今回の選択肢も、導入分野とアンマッチは避けたいですが、どの分野にも当てはまりそうな内容で選択しづらいですね。

そうすると加点される可能性があるとしたら、複数分野にまたがって、導入されている方が、生産性の向上に寄与することになるので、良いのかもしれません。無い機能を選択するわけにはいきませんが。

まとめとして、自社の入れるITツールの分野を把握して、当てはまらないものはチェックしない。その中で、機能が実現されているなら、なるべく多くチェックする、という感じでしょうか。

そんなところで。

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