ギリシャが事業再生中の会社だったら

ギリシャのユーロ圏離脱問題も佳境ですね。なんとか合意がなされて進みそうな感じですが、まだまだ合意した内容をギリシャが実行できるのかも、追加融資が実行されるか不安なところです。

ギリシャの支援を見ていると企業の事業再生支援も近しいところがあると感じます。

ただ、そもそも再生中の会社がギリシャみたいな態度をとったら、普通もたないだろう・・・と思う一方で、SHARP級の大会社になると同じような感じなのかもしれません。金融機関やその他周辺の関係者が潰すとか離脱させるとかは言い切れず、結局のところズルズルずる。傷口が広がっていくわけです。

ギリシャと事業再生中の会社の対比

<ギリシャ1>2010年にギリシャの財政赤字隠しが発覚。
<再生企業1>粉飾が発覚して税務署から怒られて、悪評が立つ。

<ギリシャ2>ギリシャ破綻寸前に追い込まれる。
<再生企業2>取引先から敬遠されて売上が急減。資金繰りが回らなくなる。

<ギリシャ3>同じような財政問題を抱えていたスペインなどの南欧にも危機が飛び火。
<再生企業3>自社の資金繰りが滞り仕入先に支払いができず、仕入先などの取引先もピンチに。

<ギリシャ4>2011年 欧州債務危機に発展。
<再生企業4>連鎖倒産のおそれが発生して、業界全体にやばい雰囲気がただよう。
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<ギリシャ5>とりあえず、EU、ECB、IMFにお金を貸りまくって問題を沈静化させる。
<再生企業5>とりあえず、メインバンクとその他銀行が集まって、お金を返してもらうのをしばらく先送りにする。(リスケ)

<ギリシャ6>お金を借りる条件として緊縮策(増税、公務員のリストラ、年金のカット)を受け入れる。
<再生企業6>リスケの条件として、緊縮策(商品の値上げ?、リストラ、コストカット)を実行する。(しぶしぶ)

<ギリシャ7>ギリシャ失業率は7%→25%に。4人に1人が失業者する。
<再生企業7>リストラによって社員数が3/4になり、社内のムードが停滞する。
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<ギリシャ8>緊縮策に疲れ切った国民が緊縮策に反対して、チプラス首相を選挙で選ぶ。
<再生企業8>あまりの社内停滞ムードに社内クーデターが起き、新しい社長に交代する。

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<ギリシャ9>疲れたから、緊縮策をやめて、ガンガン行くからお金返さないけどもっと貸して!と宣言してEU各国を困らせる。
<再生企業9>このままだとジリ貧なので、ここで一発大規模投資をして売上拡大を目指すから融資してくれと、いって、金融機関を困らせる。

<ギリシャ10>EU各国ブチギレ。新しく貸す前にちゃんと返す準備をしろと怒られる。
<再生企業10>金融機関ブチギレ。新しく貸す前にちゃんと返す準備をしろと怒られる。

<ギリシャ11>シュンとして、わかった緊縮策受け入れるから、お金貸してと頼む。
<再生企業11>このままでじゃ潰れると思い、さらなるのリストラを受け入れて、社員を減らしてコストをカットして、なんとか延命の融資をお願いする。

<ギリシャ12>国民から話が違うと怒られ、チプラス政権の危機 
<再生企業12>社員から話が違うと怒られ、新社長続投と会社存続の危機

<ギリシャ12>なんとか緊縮策が議会で可決され、緊縮するからまた金貸してくれの交渉をEUと開催予定。←イマココ(2015/7/16)
<再生企業12>社員たちもしぶしぶ受け入れて、新しく融資交渉を始める。


ギリシャはこれからどこに向かうんでしょうね。自国の公務員制度や年金制度が他国に比べて優遇されすぎていて、一方で、観光産業などの主要な収入が下がっています。社員の福利厚生が充実していて、経費もじゃんじゃんつかっているが、売上が減少している状態と同じです。普通なら金融機関はお金貸してくれなくて終わり、といったところですが、国といった大きな規模なので簡単にEUも潰すことができず、だらだらと続いているわけです。

結局ギリシャはコスト削減施策は提示できても、収入アップ施策は何も見えてきません。急に観光収入を上げろ!と言われてもムリだろうとはお思いますが、2011年からすでに6年が経ち、それなりの時間があったわけですから、収入を増やす取り組みにももっと力を入れるべきではなかったでしょうか。

企業の再生においても、自社内だけでできるコスト削減が優先して実行されるでしょう。いきなり売上を2倍にするから再生できるので融資してとお願いしても、過去の実績から考えて無理な計画だと金融機関に断られるでしょう。
さりとて、コスト削減だけを、何度も繰り返しているのは、からからになった雑巾を絞り続ける状態であり、国民(社員)のモチベーションは下がっていきます。

短期的な止血処理のためのコスト削減と、会社が成長していくための売上アップの施策の両面が回ってこそ、企業が再生し、次に進んでいけるのではないでしょうか。

そんなところで。