拙速と神速~孫子とクラウゼヴィッツの戦略
最近、また、歴史関係の書物に意識が向くことが多い。
とくに、やっぱり 歴史から経営につなげるというのは楽しいし、わかりやすい。
孫子・戦略・クラウゼヴィッツ―その活用の方程式 を読んでみた。
古代と近代の戦略家の二大巨頭の考え方を比較した本で、非常に興味深かった。
二人の理論は相反しているところが多々ある。
ただ、それは当り前で、彼らの生きた時代背景が違うのだから。。
だからこそ、歴史に学んで活用しようとするわれわれは、
現状にマッチする先人の言葉を使わないといけない。
すべてのことが孫子に書かれているわけではなく、いつも孫子を適用するのはおかしい。
使うべきところで使う戦略を間違えないことなんだなあと実感した。
さて、本書の中から一つ。 「拙速」について。
「拙速」は、現代日本では、準備不足でもスピード重視!という意味でつかわれることが多い。
私も、なるべく、拙速を心がけている。
遅いより、速く。 完璧より、まず形にすること。
しかし、そもそも、孫子は「拙速」という言葉を、上記の意味で使ったのではないらしい。
「兵は拙速を聞くも、いまだ功の久しきをみざるなり」(作戦篇)
短期決選に出て成功した例は聞いても、長期戦に持ち込んで成功した例は聞かない。
→準備不足で急いで戦に出かけるのではなく、
戦い自体を 「もう終わってしまうのか?」というくらいのスピードで
早く終わらせすぎてしまったことを言うらしい。
私が普段使っている、拙速は、もしかしたら 神速の方が正解なのかもしれない。
兵は神速を貴ぶ 「魏志」郭嘉伝
戦いには迅速な行動が重要であり、思案を重ねているようだと機を逸することになる。
なるほど。
では、郭嘉が大好きなこともあり、好きな言葉を 拙速 から 神速 に変えようと思ったが、
そこで、友人のZ山君が、いいこと言った。
「巧速」を目指すべきだよ!と。
なるほど・・・なかなかに実行するにはレベルは高いですね。巧速。
まずは、今までどおり、 神速を尊びながら、
巧速に近づいていけるように精進したいと思います。
そのためには、100kmで走ってたのを、90kmにして、
10%速度を落とす代わりに、10%質の向上を目指すようにしよう。