武田家滅亡に学ぶ事業承継

2012年6月30日

「武田家滅亡に学ぶ事業承継」

歴史と経営の融合本。
よくあるが、うまく融合できず、歴史に偏ったり、経営に偏ったりが多いなか、 
リアル山県が解説してくれたりと趣向もこらしていて、最後まで興味深く読めました。
たくさんの事業承継本を読んできましたが、これほど読みやすいのは初めてですね。
皆が良く知っている、武田信玄。
愚かな二代目勝頼の承継により、稀代の強国が、たった10年で滅亡してしまう。
 基本的には、そういう認識を持たれていることが多いだろうし、私もそうであった。
父親コンプレックスの勝頼が、古参部下たちに囲まれ、
なんとか格好をつけよう、いいところをみせようとするが、
血気にはやるあまり、全てがうまく運ばなくなる。
しかし、そのコンプレックスを植えつけたのは、
他ならぬ、信玄であった。
「事業継承は、継ぐ側よりも、継がせる側の方に問題がある場合が多い」
 これが、著者の主張の根本のようですが、
 継ぐ方と継がせる方どちらに問題があるかは、ケースバイケースであるとは思いつつも、
 この著作を読み終わると、すっかり納得してしまいますね。
 歴史事例の合間に挟まれる、現実世界の事例。
 詳細が記載していないので、実際の事例であるかは確認できませんが、
 どの事例どの事例も、かなり悲惨な切羽詰った事例で、
 事業承継対策を怠った場合の末路が描かれています。
    (なんと、先代社長の愛人問題が多いことか・・・)
合間合間に、山本勘助や、真田幸隆などの名将の紹介があり、
歴史好きには満足のいく一冊ですね。
こんな本が書きたい。 
にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ

PVアクセスランキング にほんブログ村