アダムズ方式とは〜そもそも都道府県ごとに国会議員を配置する必要はあるのだろうか?
2021/8/23追記
再びアダムズ方式に注目があたってきました。改正法案が無事提出されるでしょうか?
国会議員は減らすべき?
国会議員が何人が最適なのか、正直わかりませんが、とりあえず半分で250人くらいにしたら良いのにと思います。10人削減って意味があるのか?そんなチョビっと減らすのに莫大な労力を使うくらいなら、一度に減らして調整したほうが良いのになと。
- 衆議院は475人(小選挙区295人・比例代表180人)
- 参議院は242人(選挙区146人・比例代表96人)
衆院選挙制度見直し 「アダムズ方式」焦点に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160223/k10010418481000.html
小選挙区で6、比例代表で4を削減しても、289人の小選挙区、176人の比例代表となり、変化があった感がまるで無いですね。
ところで、アダムズ方式ってなんでしょう?人の名前?調べてみました。
アダムズ方式
西日本新聞から引用です。
都道府県や比例代表ブロックといった一定の地域の人口に基づき、それぞれに何議席配分するかを決める計算方式の一つ。第6代米大統領のアダムズ氏が提唱したとされる。人口をある数(X)で割り、得られた答えの小数点以下を切り上げた値を定数とする。答えが4・1なら定数は5。有識者調査会が答申に盛り込んだ小選挙区定数289を前提にすると、Xは都道府県に割り振られる議席数の合計が289になるよう調節して決める。
やっぱりアダムズさんが提唱したのね。人口をある数Xで割り・・・Xってなんの数字なんでしょうね。
もうちょっと探してみると論文がありました。
議員定数配分方式について 〜一定数削減,人口変動と整合性の観点から (大和 毅彦)
http://www.orsj.or.jp/~archive/pdf/bul/Vol.48_01_023.pdf
アダムズ方式は(アダムス?)は除数方式の一つらしい。
うーむ。数値を入れて考えてみよう。
基準人口 d 仮に50万人としよう
都道府県 仮に山口県としたら Pi 145万人
Pi÷d=2.9人
アダムズ方式は切上げなので、 山口県は3人・・・そしてこれを47都道府県で割って繰り返すのですね。
下のエクセルで計算してみると、その合計が280人となりました。
今の議員定数がが295人なので、dの値をもう少し小さくして、定員に近づけていくわけですね。 なお、切り捨ては、ジェファーソン方式というのがあるらしい。もちろん、切り捨てられると、人口の少ない都道府県は不利で、アダムズ方式のように切り上げると、人口の少ない都道府県が少し有利になるわけですね。
エクセル上の手動シミュレーションですが、d=470,500にすると、ピッタリ295人になりました。
この計算で行くと、東京は現の21人から28人に増えるわけですね。鳥取は2名のママ!
今は、一人別枠方式!?
なお、現状は、一人別枠方式になっているそうで、まず、各47都道府県に一人配置し(これで47人)。295から47引いた、252人を人口比率によって配分するわけです。最初に別枠で確保している分、少人数都道府県が有利になるわけですね。
衆院選の選挙制度改革 「アダムズ方式」は一票の格差を埋められるのか(BLOGS)
http://blogos.com/article/162151/
単純に人口比で割り振れば、鳥取の人口は、59万(2012年3月時点)、一方東京の人口はは1335万(2014年5月時点)。単純に割り算すると、鳥取に1人国会議員がいれば、東京には23人必要になります。
現状は、鳥取は2人。(一人は不破さんですね)、東京は21人。そりゃ、2話以上の格差がつくわけで。鳥取の2人を維持している限り、国会議員の総数は減らしようもないわけです。
そして、さらに今回、アダムズ方式にすると、一人別枠方式よりは、少人数都道府県には不利になりますが、それでも、スチュワート方式や単純に人口比例よりは、少人数都道府県の方が有利なわけで。(有利とは一票あたりの人口が少ないということですね)
自民さんもグダグダ言っていないで、とりあえず、アダムズ方式で減らす。そうすれば今度の人口動態の変化にも柔軟に対応できるんでしょうね。
でも、道州制とかにしてそもそも都道府県の数を整理すれば、もっと人口に応じた議員数を実現でき、議員の数も減らせると思うんですけどね(^^;
都道府県の県議が地方のことを考えて、国会議員は特に地方関係なく、国のことを考えるものにすれば、そもそも都道府県ごとに定員なんてなくて良くなりそうですが、そうすると全部比例代表に近くなるのか?国民的人気投票になってしまうのか? 制度設計って難しいですね。
いずれにせよ、この難しい制度を当事者である議員さんたちが考えるのは可哀想なので、せめて、議員じゃない人たちが制度設計すべきだと思います。
そんなところで。