補助金相談は補助金コンサルに相談する前に、必ず商工会議所・商工会などの公的機関に相談しよう
結論
補助金の相談は必ず公的機関、例えば商工会議所・商工会・よろず支援機関等で一旦相談しましょう。
いきなり補助金コンサルタントに相談すると、犯罪に引き込まれたり、申請費用だけ取られて補助金がおりないことがあります。
2025年の補助金状況は?
新事業進出補助金など、新しく補助金が出て、「補助金バブル再来!」と煽っているサイトやコンサルタントを最近良く見かけます。が、そんなことはないです。今までの延長線上のものが多いですし、何なら大きくない中小企業への補助金は減る方向にあります。大きくない中小企業と書いたのは、さらに拡大を目指して中堅企業になろうとしている勢いのある会社には、中小企業成長加速化補助金などが新設されており、政府も応援しています。
一方で、誰でも、法人でもなくても簡単にもらえる!というような補助金は着実になくなっていきます。コロナ禍では小規模持続化給付金など多くの小規模企業に簡単な要件で支給される補助金はありました。しかしコロナ禍だけの特殊な仕組みで、同じような災害が来ない限り復活はありえません。
逆に、次に記載するように補助金不正が頻発しており、厳格な審査で補助金の採択率は下がっていきます。
最近の補助金不正事件
最近ではIT導入補助金の不正がありました。例として100万円しかしないソフトが500万円で登録され、半額の補助金250万円をゲットして、事業者にはソフト費用もキックバックというような事例です。この場合、特に悪質なのはソフトウェアベンダですが、事業者側もキックバックを受けている時点で犯罪に加担したと言えます。以下の記事のようにITベンダや補助金コンサルタントの甘言に乗ると、刑事罰が与えられることになるでしょう。
なぜ補助金コンサルタントに最初に相談してはダメなのか?
よくわからないまま補助金コンサルタントに相談しても前述のように不正に加担させられたり、補助金コンサルタントは儲かったけど、事業者側は結局、補助金がもらえなかったりするケースがあります。そのため、最初に補助金コンサルタントに相談するのではなく、最初は公的機関に必ず相談してください。
公的機関の窓口で相談しても、「簡単に使える補助金を紹介してくれなかった」、「相手にされなかった」・・・というケースもあると思います。これは窓口で相談している担当者の知識不足のケースも稀にはあると思います。しかし、ほとんどは、「なんでもいいから我が社で使える補助金を教えてよ」というスタイルで相談されるケースにはこのような対応を取られることもあるでしょう。補助金ってそういうものではありません。
「◯◯な新事業を始めたいので設備投資のこの部分を補助してもらえるものがあるか?」といった具体的で建設的な相談であれば、窓口の担当者も親身になって相談してくれます。
ただもちろん相談の結果、うまく当てはまる補助金はありません!ということになることも多いです。
採択されるためだけの事業計画書や申請書に意味はない
ところが補助金コンサルタントに相談するとそうではありません。「こうすれば御社にぴったりな補助金がありますよ!」と教えてくれます。
え? 補助金コンサルタントに相談した方がいいじゃん!と思わないで下さい。
公的窓口の相談員は補助金の申請を獲得しても報酬が増えるわけではありません。一方で補助金コンサルタントは補助金の申請件数・金額が増えると直接的に自分たちの収益になります。
そのため、補助金コンサルタントは、何としてでも無理やりに補助金制度に当てはめて申請させるわけです。公的機関で第三者的な立場で冷静に状況を考えて、申請は難しいですよ、と回答しているのに、非現実な採択さえされたらこっちのもんよ、という申請を補助金コンサルタントは代わりに考えてくれるわけです。
そしてその気になって申請すると、とにかく採択されるためだけに、盛りに盛った事業計画書・申請書を作ってくれます。無事それで採択されたら、そこで多くの補助金コンサルタントは着手金と成果報酬をゲットしてサヨナラしていきます。
「え?採択されたんだから、補助金もらえるんでしょ?それでいいじゃん」と思わないで下さい。
まだ補助金はもらえません。実際に事業を実施して、使った経費をまとめて交付申請を行って、もう一度審査されます。その内容が申請時と異なっていると補助金が減額されたり、そもそももらえないというケースに陥ります。
最終的に交付されなくても、もちろん、採択による成果報酬は返金されません。
以下のような流れです。
最初の申請書を書く作業に比べて、交付申請する作業量のほうが圧倒的に多いです。最初の補助金申請が通った時点では、まだ作業がようやくスタート地点についたところだと思って下さい。そのため、最初の申請だけ手伝う補助金コンサルタントには価値がありません。どうしても頼むにしても必ず交付申請、そしてその後数年にわたる経過報告まで付き合ってくれる方を選んで下さい。
依頼するにしても支払いは入金後にすること
コンサルタントに支払う成果報酬は採択時ではなく、交付申請が認められ入金された時にすることは必ず意識してください。お金をもらっていないうちは先に報酬を渡すのは避けたほうがいいでしょう。(着手金が発生するのはある程度仕方ないことだとは思いますが)
補助金はお金が先にもらえるものではありません。自分の事業に必要なお金を使って、せいぜいその半分が補助されるだけです。無理に申請する必要ありません。
「もらえるお金はもらっといた方がいいですよ!」というような甘言がでてきたら、信用するのを怪しい人だと思って相談するのを止めたほうがいいでしょう。
コンサルタントに頼まないと補助金は申請できないのか?
そんな事はありません。自社で記載しながら、公的機関の無料相談でアドバイスを貰う程度で採択されている事業者の方々はたくさんいます。
いやでも、申請書書くのは面倒だし、何書いていいかわからないから頼みたい!と思う事業者は、そもそも補助金を申請する資格がないと思います。自社の事業計画ややりたいことが不明確なのに他人に頼んで書類だけ作ってもらっても、その事業が成功するとはとても思えません。
事業計画は自社で作ることを目指して行きましょう!
生成AIでスムーズに補助金申請書を書きませんか?
生成AIを使って補助金申請をサポートします!という営業問い合わせがたくさん来ます。
生成AIを使うことで、自動で補助金申請書が書けるわけではありません。しかし色々相談しながら書くことができるので、有料の補助金コンサルタントに相談するなら無料の生成AIに相談した方が良いと思います。
つまり生成AIを使って補助金申請するにしても、自分たちで十分できる程度のものです。
生成AIを使って我々がスムーズに補助金申請をサポートしますよ!という甘言にも乗らないようにしましょう。
まとめ
もちろん良心的な補助金コンサルタントもいるでしょう。継続的に付き合いがって信用できるコンサルタントであれば相談してもよいでしょう。長い事顧問をしてもらっている税理士がサポートしてくれるのなら、それは良いことだと思います。
一方で、補助金のためだけにコンサルタントを探すのは不毛なので止めましょう。
そんなところで