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JAの業務管理システムの開発頓挫で会長が辞任

JAシステムトラブル
目次

開発頓挫引責辞任

200億円かけてシステム動かずか。。。動かないコンピューターの記事にはいつなるんでしょうね? さすがに会長が引責辞任ですね。

茨城の農協のシステムを横展開して、地域に合わず失敗ですか。。あるあるですね。しかし、全国の自治体システムも同じように統一して効率化をデジタル庁に図ってほしいのですが、遅々として進んでいないですね。

農協なら、どれも同じようなシステムで行けそうな気もしますが、一方で、米が多いところとか酪農が多いところとか、地域の生産物の違いでなかなか統一システムはできないものなんでしょうか。とは言え、ある程度のパターン化はできそうですが。

いずれにしても各農協も意見だけは色々あるでしょうから、全国でまとめて要件定義したチームには同乗しますね。金融でかつ農業とかの組み合わせだと、IT人材がいなくて、色々苦労されたんだろうな。(個人の感想です)

やはり組織内部に強いデジタル組織と人材を確保しないと、改善していかないと思うのです。

JAグループにおける最近のシステムトラブルに関する詳細報告:2024年後半から2025年前半の動向

エグゼクティブサマリー

JAグループは、2024年後半から2025年前半にかけて、複数の主要なシステムトラブルに直面しました。これらの事象は、JA全中における大規模なシステム開発の失敗から、JAバンクにおける継続的な運用上のアクセス障害、JA共済における重要なサービス停止、そしてJA全農の営農管理システムにおける接続問題まで、多岐にわたります。これらのトラブルは、グループ全体の金融、保険、農業といった基幹事業に広範な影響を及ぼし、ITガバナンスとシステムレジリエンスにおける課題が浮き彫りになりました。

この比較的短期間(2024年9月から2025年7月まで)に、JA全中、JAバンク、JA共済、JA全農といったJAグループ内の異なる組織で、多様なシステム関連の事象が集中して発生していることは、グループ全体のITインフラの回復力、プロジェクト管理、そしてベンダー管理において、根深い課題が存在している可能性を示唆しています。これは、個別の技術的な不具合が連続して発生したというよりも、JAグループが現在、IT変革期にあり、それに伴う固有のリスクに直面していることを強く示唆しています。特に、農林中央金庫のような中央的な金融機関におけるIT問題が、JAバンクのような末端のサービスに直接影響を及ぼすという連鎖的な影響は、グループ全体のITインフラの相互依存性の高さを浮き彫りにしています。

序論:JAグループのデジタルランドスケープと最近の課題

JAグループは、農業、金融(JAバンク、農林中央金庫)、保険(JA共済)など、多岐にわたるサービスを提供する日本有数の協同組合組織です。その日々の業務、組合員サービス、そして事業継続性は、複雑かつ相互に連結されたITシステムに大きく依存しています。今日のデジタル経済において、堅牢なデジタルインフラの重要性は増しており、システム障害が発生した場合の影響は甚大です。本報告書は、JAグループが最近経験したシステムトラブルを時系列で詳細に分析し、その背景、影響、そして組織全体に与える戦略的な意味合いを明らかにすることを目的としています。

JAグループ内の各組織は密接に連携しており、特に農林中央金庫のような中央的な金融機関におけるIT問題は、JAバンクのようなサービスを提供する他の組織に直接的な影響を及ぼす可能性があります。例えば、農林中央金庫のシステム障害がJAバンクやJFマリンバンクの一部サービスへのアクセス困難を引き起こした事例は、この相互依存性を明確に示しています 。このような構造は、グループ全体で高度に回復力があり、統合されたITインフラが不可欠であることを強調しています。

システムトラブルの時系列概要(2024年後半~2025年前半)

以下の表は、JAグループが2024年後半から2025年前半にかけて経験した主要なシステム関連の事象を時系列でまとめたものです。

表1:JAグループシステムトラブルの時系列概要(2024年~2025年)

日付影響を受けた組織/サービス事象の種類概要状況/影響
2024年9月18日~19日JA共済連システム障害システムの切替作業に起因する障害が発生。共済金等の支払いや契約申込み手続きに影響。9月18日以降影響発生。支払遅延の場合、所定の遅延利息を支払う方針を発表
2025年1月30日JA全中(新Compass-JAシステム)開発失敗報告新基幹システム「新Compass-JAシステム」の開発失敗が報じられる。約200億円規模の損失が判明 巨額の損失発生。
2025年2月3日JA全農 営農管理システムZ-GIS計画的変更GEOSPACE地図サービス終了に伴い、Google Map(お試し版)の利用を開始 有料版利用者限定。
2025年2月17日JA全中(新Compass-JAシステム)開発中止調整新Compass-JAシステムの使用停止方向で調整中と報道。2025年度収支で約36億円の赤字見込み。追加費用200億円規模の恐れ
2025年2月17日JA全農 営農管理システムZ-GIS計画的変更GEOSPACE地図サービスの2025年9月30日での利用終了を発表。利用料金の改定が見込まれる
2025年3月7日JA全中臨時総会開催システム開発費用の負担による赤字見込みを受け、2025年度事業計画・収支予算を協議 開発責任や経費負担が議論の焦点に。
2025年4月11日JAグループ全般計画的サービス休止システム更改に伴うサービス一時休止を発表。顧客サービス・利便性向上目的
2025年4月22日JAいるま野 JAネットバンク・アプリ プラス計画的サービス停止システムメンテナンスに伴い、5月3日~5月5日までサービス一時停止を発表 期間中の口座登録・削除の反映は5月5日となる。
2025年4月24日~25日農林中央金庫、JAバンク、JFマリンバンクシステム障害農林中央金庫のシステム障害により、JAバンク・JFマリンバンクの一部サービスにアクセス困難が発生 4月24日17:30にJAネットバンクHP以外は暫定復旧。
2025年5月12日JAネットバンクアクセス障害10:15~12:00頃、JAネットバンクホームページにアクセスしづらい状況が発生 同日中に復旧。原因は不明
2025年5月30日JAネットバンクアクセス障害9:30~13:15頃、JAネットバンクホームページにアクセスしづらい状況が発生 同日中に復旧。原因は不明。
2025年7月23日~24日JA全農 営農管理システムZ-GIS接続障害GEOSPACE地図サービスとの接続障害が発生 Z-GIS PC版はアプリケーション改善により復旧。最新版への更新が必要。

主要なシステムトラブルの詳細分析

このセクションでは、JAグループが直面した特に影響の大きかったシステムトラブルについて、詳細な背景と分析を提供します。

「新Compass-JAシステム」開発失敗(JA全中)

「新Compass-JAシステム」は、JA全中とその傘下の農業協同組合向けに、会計、人事、給与、固定資産管理といった基幹業務を統合・効率化することを目的とした、全国規模の重要なシステムとして構想されていました 。このシステムの成功は、JAグループ全体の業務効率と一貫性向上に不可欠であり、その開発失敗は組織全体にとって戦略上の大きな後退を意味します。

開発に関する問題と使用停止の決定は、以下の時系列で進行しました。

  • 2025年1月30日: システム開発の失敗が最初に報じられ、約200億円規模の損失が発生していることが明らかになりました 。
  • 2025年2月17日: JA全中は、新たに開発した情報システムの使用を停止する方向で調整していることが報じられ、事実上プロジェクトの頓挫が確定しました 。
  • 2025年3月7日: JA全中は臨時総会を招集し、システム開発費用による負担が響き、約36億円の赤字が見込まれる2025年度の事業計画と収支予算について協議しました 。

このシステム開発の失敗による財務的影響は甚大です。

表2:JA全中「新Compass-JAシステム」開発失敗の財務的影響

項目推定費用/影響額(日本円)参照元
追加開発費用の総額180億円~220億円
2025年度JA全中の予想赤字額約36億円
農業協同組合への利用料値上げ予想当初計画の約3倍

この巨額な財務的影響は、システム開発の進捗管理における責任について深刻な問いを投げかけています 。また、追加開発費用の負担や、組合員である農業協同組合への会費増額の可能性は、今後の議論の大きな焦点となるでしょう

特筆すべきは、180億円から220億円という莫大な損失が発生しているにもかかわらず、提供された情報からはJA全中がこの「新Compass-JAシステム」の失敗に関して特定のベンダーに対して大規模な賠償請求を行っているという明確な記述がない点です。他のシステム障害の事例では、ベンダーへの賠償請求(例えば、2億2990万円の賠償請求)が言及されていますが、これは別の企業(マルヨシセンター対ソフテック、日本通運対アクセンチュアなど)の事例であり、JA全中の件に直接関連するものではありません 。このことは、JA全中のシステム失敗における主要な問題が、外部ベンダーとの訴訟よりも、内部の責任問題や組織全体での費用負担の調整に焦点が当てられている可能性を示唆しています。これは、単純な第三者責任の追及を超えた、より複雑な内部説明責任の課題が存在することを示唆しています。

JAバンクグループにおけるサービス障害の頻発

JAバンクグループでは、短期間に複数のアクセス障害が発生しました。

  • 2025年4月24日~25日: 農林中央金庫のシステム障害が原因で、JAバンクおよびJFマリンバンクの一部のサービスにアクセスしづらい状況が発生しました 。影響を受けたサービスには、JAバンク、JAネットバンク、法人JAネットバンク、JAネットローン、JFマリンバンク、JFマリンネットバンクの各ホームページが含まれました。システムは4月24日午後5時30分までにJAネットバンクホームページ以外は暫定復旧しました 。
  • 2025年5月12日: JAネットバンクホームページにおいて、午前10時15分から午後12時頃にかけてアクセスしづらい状況が発生しました 。この問題は同日中に復旧しましたが、具体的な原因は提供された情報からは不明です 。
  • 2025年5月30日: 再びJAネットバンクホームページで、午前9時30分から午後1時15分頃にかけてアクセスしづらい状況が発生しました 。こちらも同日中に復旧しましたが、具体的な原因は不明です。

これらの事象は、顧客が重要な銀行サービスを利用できないという大きな不便を引き起こしました。JAバンクは、これらの混乱について顧客に深く謝罪しています

これらの運用上のトラブルは、JAグループ全体で広範なIT活動が行われている時期に発生しています。例えば、2025年4月11日には、JAグループ全体で「システム更改」に伴うサービス一時休止が発表されており 、またJAいるま野では2025年5月3日から5月5日にかけてJAネットバンクおよびJAバンクアプリ プラスの計画的なシステムメンテナンスによるサービス停止がありました

JAネットバンクで短期間に「アクセスしづらい状況」が複数回発生していることは、個別の偶発的な問題ではなく、システムの根底にある不安定性や反復的な問題のパターンを示唆しています。これは、システム容量の問題、バックエンドでの継続的な変更が断続的な問題を引き起こしている可能性、またはトラフィックやシステム移行を効果的に処理するための堅牢なインフラが不足している可能性を示唆しています。これらの運用上の問題が、JAグループ全体で発表されている「システム更改」の時期と重なっていることは、これらのトラブルが進行中の大規模なIT近代化の取り組みに直接的または間接的に関連している可能性が高いことを示唆しています。これは、JAバンクグループが大規模なシステム移行に伴う複雑さに苦慮しており、断続的な不安定性やユーザーエクスペリエンスへの悪影響が生じていることを示しています。この状況は、より堅牢な移行計画、包括的なテスト、そして大規模なIT変更期間中のユーザーへの影響を最小限に抑えるための段階的な展開戦略の必要性を示唆しています。

JA共済のシステム切替作業に起因する障害

2024年9月19日、全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)は、9月18日から発生していたシステム障害を発表しました 。この障害の根本原因は、連合会システム内の「切替作業」に起因すると特定されています 。これは、計画されたシステム変更やアップグレードの際に問題が発生したことを示しています。

この障害は、共済金等の支払いや契約の申込み等の手続きといった、JA共済の基幹サービスに直接的かつ重大な影響を及ぼしました

JA共済連は、この混乱と潜在的な遅延に対応するため、共済金等の支払いが約款に定める支払期日を超えて遅延した場合、所定の遅延利息を支払うことを積極的に発表しました 。この措置は、組合員の金銭的な不便を軽減し、信頼を維持することを目的としています。この遅延利息の支払いを確約したことは、組織がシステム障害によって重要な支払いに遅延が生じることを予期していたか、既に経験していたことを強く示唆しています。このような措置は、費用を伴うものではありますが、協同組合型の保険団体にとって極めて重要な組合員の信頼を維持し、潜在的な評判の損害や法的責任を軽減するための明確な努力を示しています。これは、サービス中断の深刻さと、組合員への直接的な金銭的影響を組織が認識していることを暗黙のうちに認めるものです。

JA全農 営農管理システムZ-GISの接続問題とサービス変更

JA全農の営農管理システムZ-GISでは、地図サービスに関する問題と計画的な変更が並行して進行しました。

  • 地図サービス接続障害: 2025年7月23日から発生し、7月24日に報告されたGEOSPACE地図サービスとの接続障害が発生しました 。この問題はZ-GIS PC版のユーザーに影響を与え、地図サービスを利用できない状況を引き起こしました。アプリケーションの改善により接続は復旧し、ユーザーは最新バージョンのダウンロードが必要で、.NET Framework 4.6以上が必須となりました 。
  • 計画的なサービス移行:
    • 2025年2月3日: Z-GIS内でGoogle Map(お試し版)が代替地図サービスとして導入されました 。
    • 2025年2月17日: GEOSPACE地図サービスが2025年9月30日をもってZ-GISでの利用を終了することが発表されました 。これは、外部プロバイダーが順路経路探索機能の提供を終了するためです。
    • 影響: この移行に伴い、Z-GISの利用料金の改定が見込まれています 。ユーザーは新しい地図サービスと、それに伴うシステム要件への適応が必要となります。

既存のGEOSPACE地図サービスで接続障害が発生している一方で、JA全農がGoogleマップへの移行を積極的に計画しているという状況は、レガシーシステムを管理しながら新しいシステムを導入することの固有の課題を浮き彫りにしています。不安定な古いシステムを維持しつつ、同時に新しいシステムを統合するという二重のプレッシャーは、運用上の不安定性を増大させ、ユーザーの不満を引き起こす可能性があります。これは、既存のサービスが既に脆弱性を示している場合に、重要な外部サービスへの依存関係を移行することに伴う複雑さとリスクを強調しています。

JAグループ全体への影響と戦略的含意

JAグループが経験した一連のシステムトラブルは、組織全体に広範な影響を及ぼしています。

財務的影響の統合的見解

最も重大な財務的影響は、JA全中における「新Compass-JAシステム」の開発失敗に起因しており、推定180億円から220億円の損失が発生しました 。この失敗は、JA全中の2025年度の収支において約36億円の赤字に直結すると予測されています 。さらに、この費用の負担は、組合員である農業協同組合への利用料の増加につながる可能性があり、当初計画の約3倍になると見込まれています

JAバンクやJA共済における運用上の障害も、具体的な金額は示されていないものの、インシデント対応、復旧作業、そして潜在的な補償(例:JA共済による遅延利息の支払い )に関連するコストを発生させています。

運用上の課題と組合員サービスおよび信頼への影響

一連の事象は、オンラインバンキング、ローン申請、共済金支払い、重要な営農管理ツールといった基幹サービスの中断を含め、重大な運用上の課題を引き起こしました。これらの混乱は、JAグループの組合員や顧客の利便性と生産性に直接影響を与え、JAサービスの信頼性に対する信頼を損なう可能性があります。障害発生時やシステム移行期間中における、より強化されたコミュニケーションと透明性の必要性は、組合員の期待を管理し、信頼を維持するために極めて重要となります。

ITガバナンス、プロジェクト管理、およびシステムレジリエンスへの広範な含意

JA全中における壊滅的な「新Compass-JAシステム」の失敗や、異なる組織間で繰り返される運用上の問題といった一連の事象は、JAグループがITガバナンスの枠組みを包括的に再評価し、強化する必要があることを強く示しています。これには、プロジェクトの監督、リスク管理手法、ベンダー管理戦略、そして大規模なシステム開発および近代化の取り組みにおける内部説明責任の根本的な見直しが含まれます。これらの事象のパターンは、既存のプロセスがグループ全体の現在のIT事業の複雑さと規模を管理するには不十分である可能性を示唆しています。

「新Compass-JAシステム」の失敗によるJA全中への莫大な財政的負担(180億円~220億円の損失、36億円の赤字)と、組合員である農業協同組合への会費増額の可能性は、JAグループ全体の将来のIT投資や戦略的なデジタル変革の取り組みを著しく制約する可能性があります 。この財政的な打撃は、技術導入に対するより保守的なアプローチ、ITプロジェクトの優先順位の見直し、あるいはデジタル近代化のペースの減速を余儀なくされる可能性があり、JAグループの長期的な競争力やサービス提供能力に影響を与える可能性があります。

結論

本報告書は、JAグループが2024年後半から2025年前半にかけて、一連の重大なシステムトラブルを経験したことを結論付けています。これらの事象は、JA全中における「新Compass-JAシステム」開発の壊滅的な失敗(数十億規模の損失を伴う)から、JAバンクサービスにおける運用上のアクセス障害の頻発、JA共済における重要なサービス中断、そしてJA全農の営農管理システムにおける接続問題まで多岐にわたります。これらの累積的な影響には、多額の財務的損失、運用上の課題、そして組合員の信頼が損なわれる可能性が含まれます。

この期間の経験は、JAグループが堅牢なITインフラに投資し、プロジェクト管理能力を強化し、インシデント対応とコミュニケーションメカニズムを改善することの重要性を浮き彫りにしています。この期間は、相互接続性が高く技術に依存する環境において、デジタル変革に伴う固有のリスクと複雑さを乗り越える大規模で複雑な協同組合組織にとって、極めて重要な教訓となります。システムレジリエンスと効果的なITガバナンスの確保は、JAグループの将来の安定と、組合員への効果的なサービス提供能力にとって最も重要となるでしょう。

ここからはChatGPTまとめです。

なぜシステムは開発頓挫したのか?

① 「新 Compass‑JA」業務システム開発失敗の背景とリスク

● 要件定義の甘さ・限定的な汎用性

  • 茨城県農協の既存システムをベースに全国展開した結果、地域ごとの業務要件の違いに対応しきれず、全国対応には不向きだった可能性があります。汎用性を確保するには要件整理や業務理解が不足していたとみられます。

● 開発組織のノウハウ不足

  • 茨城県電算センターが中心となって開発を進めましたが、全国規模の大規模システム構築経験が十分でないことが、プロジェクト管理や技術面での対応力を欠いたと判断されています。

● 運用コストの予測ミス

  • 当初の想定運用費は年間約7億円でしたが、実際には2.8倍に膨れ上がり、年間20億円規模になる見通しとなりました。これを受けて2025年2月、システムの運用停止が決定されました 。

● 組織構造・文化の課題

  • JA全中(中央会)には、制度疲労や属人的・丸投げ体質が根強く、無責任体質や透明性の欠如が構築の失敗につながったとされます 。

② トラブル発生後の障害要因(金融システムとして)

金融機関において、銀行系システムの不具合には以下のような一般的要因が確認されており、JAバンクの障害にも共通する点があります:

  • リリース作業の誤りや二重起動:本番環境に準じたテスト環境がなく、リリース手順が十分検証されていないことで、全銀システムとの通信が不安定になり、取引が正常に処理されなかった事例があります 。
  • 設定ミスやテスト不足:冗長構成の切り替えが機能せず、障害発生時に自動化された切り替えが動作しなかったケース、IP設定漏れによる接続エラーなど、通常運用外作業の管理体制が不十分だった可能性があります。
  • レビュー・検証プロセスの欠如:要件定義→設計→プログラムへの落とし込みといった工程でのレビューや第三者によるチェックが不十分で、仕様誤解やバグが現場に持ち込まれた事例も報告されています。

🔍 総合まとめ(原因と構造的要因)

領域主な原因
要件・設計要件定義不足、地域特有の業務を吸収できない設計
開発体制開発経験の乏しい組織によるノウハウ不足
コスト見通し運用コスト予測の甘さ、予算管理の失敗
ガバナンス組織文化としての丸投げ体質、透明性・責任所在の不明確さ
テスト・QA本番に準じた環境なし/リリース手順未検証/レビュー漏れ
運用管理設定ミス、冗長切替不具合、監視・アラート不足など

今回のトラブルは、システム開発フェーズから運用体制まで複数の段階で管理不備があった構造的なプロジェクト失敗と位置づけられます。公式の公式発表や報道においては、JA全中やJAバンクは内部監査・外部レビューを進め、再発防止策の実施・組織体制の見直しを示唆していますが、詳細は未公表の部分もあります。

📌 最近の主なシステムトラブルの時系列

◾️ 2025年4月11日:システム更改に伴うサービス休止の公表

  • JAバンク(ATMやネットバンクなど)全体が対象となる システム更改 のため、一部地域で サービスが一時停止されたと発表(例:北海道〜沖縄の全国規模)

◾️ 2025年4月24日:JAバンク・JFマリンバンクで障害発生

  • 同年4月24日午後4時30分ころ、JAバンクおよびJFマリンバンクの一部サービスアクセスしにくい状態が発生。
  • この障害は翌25日まで続き、銀銀行(全銀)システムを介した取引に影響を及ぼしたと報告されています。

◾️ 2025年5月30日:JAバンクで再度の障害発生

  • JAから公式に「一部サービスが利用できない可能性」があると情報提供があり、確認中であると発表されました。
  • 影響範囲や対象地域は明示されておりませんが、この時点でもまだトラブルが完全に解消されていなかったと推察されます。

◾️ 2025年1月〜2月:大規模ITプロジェクト「新 Compass‑JA」失敗

  • JA全中が推進した統合業務管理システム「新 Compass‑JA」が約1年で 運用停止に追い込まれた模様。
  • 想定外の運用コストの増大(年間数億円→20億円超)により、 約200億円規模の損失が発生。
  • 約1年間で 全国展開は頓挫し、実際に導入されたのはほんの一部地域のみだったとされています。
  • この失敗により、会長・役員の辞任や、JAビルの一部売却などを検討する事態に発展。

🧭 総合まとめ(時系列)

日付内容概要
2025年1月〜2月新Compass‑JAシステムが本格運用開始 → 運用コスト急増 → 停止決定/大損失(約200億円)
2025年4月11日全国規模での システム更改に伴うサービス一時休止 を公表
2025年4月24日JAバンク・JFマリンバンクで 一部アクセス障害 確認
2025年5月30日再び 一部サービス利用不可の可能性 を公式発表、未だ確認中

✅ トラブルの背景と影響

  • プロジェクト管理の不備要件定義の甘さベンダー選定の問題IT人材不足などが重なり、今回の失敗につながったとされています。
  • 経営への影響として、大規模損失による 資金調達策や組織改革(会長・役員の辞任等)が行われました。
  • 現場の農協や利用者にとっても、業務負担増・混乱・再移行の手間が発生した模様です。

補足説明:発生タイミングの明確化

  • JA全中の新システム(新 Compass‑JA)は 2024年1月運用開始→2025年2月停止という流れです。
  • 銀行連携の障害やサービス停止は、 2025年4〜5月 にかけて複数回発生しています。

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Posted by tomoyamurakami