非対面型ビジネスモデルへの転換〜補助金や事例について
非対面型ビジネスモデルへの転換のセミナ
東京商工会議所で実施したセミナのリハーサル動画です(^^; リハーサルなので、多少のミスは目をつぶって下さい。
なぜ非対面型ビジネスモデルが注目をあびているか?
もちろんコロナが流行したからですが、非対面型に変更することへの政府の施策が多くでていることも要因です。
経済産業省関連での補助金で最近、目立つ言葉は「非対面型ビジネスモデルへの転換」です。IT導入補助金、ものづくり補助金、持続化補助金などでは申請の要件に含まれています。IT導入補助金では例えば、必要経費の1/6以上は下記の甲乙丙の費用であることが求められています。
例えばIT導入補助金では、特別枠(C類型)が設けられ、コロナウィルス感染症が事業環境に与えた影響への具体的対策として、「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備等」に取り組む事業者への補助率が3/4に引き上げられています。
それでは、乙の非対面型ビジネスモデルへの転換は何をすればいいのでしょうか?
事例紹介
ヨガインストラクターの場合
北海道でヨガインストラクターをされている、まなみん。さんが緊急事態にオンラインレッスンを始めた経緯とその取組の内容と成果を動画にまとめました。
研修講師の場合
中小企業診断士で、研修講師として多数活躍されている安藤凖さんに、動画への取り組みを伺ってみました。
東京都の「非対面型サービス導入支援事業」補助金
東京都も非対面を応援する補助金がでています!これはなかなか使い勝手がよさそうですね。動画で解説しています。
持続化補助金での例
小規模事業者持続化補助金での公募要領の取組事例としては以下のような記載があります。
「B:非対面型ビジネスモデルへの転換」の取組事例イメージ】
- 店舗販売をしている事業者が、新たにEC販売に取り組むための投資
- 店舗でサービスを提供している事業者が、新たにVR等を活用してサービスを提供するための投資
- 有人で窓口対応している事業者が、無人で対応するための設備投資
- 有人でレジ対応をしている事業者が、無人で対応するための設備投資
- ※単に認知度向上のためのHP開設は、対象になりません。
やはり店頭販売ではなくECが主眼に置かれるかと思います。一方で、店頭でも、タッチパネルや自動釣銭機などの、無人(人減らし)対応の設備投資も含まれます。 (タッチパネルが感染のリスクを低減するのかはおいといて)
店舗での、「販売」や「接客・サービス」、「決済」といったお客様と触れ合う機会、すなわち「顧客接点」のデジタル化対応が求められていると、言えるでしょう。
飲食業での顧客接点の変化
それでは、顧客接点をどのようにデジタル化対応させていくとよいのでしょうか?業種によって対応も異なりますが、飲食店では以下のような変化が予想されます。
(A)店外利用
ネットショップアプリを使った食材の販売や、デリバリアプリを使った宅配が考えられます。
(B)入店前注文
なお、ネットショップもデリバリもハードルが高い面がありますが、多くの飲食店では、テイクアウトへの取り組みが進んでいます。今後は、 (B)テイクアウトアプリのニーズが高まるでしょう。
(C)入店後注文
(C)入店後は、お客さまの注文の仕方によって、非対面の度合いが変わります。店員が客席まで来て、「POS端末で注文を取る」よりは、店が用意した「セルフオーダータブレットで注文」の方が、接触は少なくなります。ただし、テーブルごとのタブレットの用意にはコストが掛かりますので、これからは、「お客様が自分のスマホで注文する」といったモバイルオーダーの普及が進むでしょう。
(D)店内での接客、注文連絡、調理
(D)さらに店内では、ウェイターから厨房への連絡をPOSの厨房への連絡機能を活用することでスタッフ間の対面が減らせます。
(E)決済
(E)そして、お会計時の決済の際には、キャッシュレスアプリを活用することで、現金の手渡し等の対面を削減できます。
(F)会計
(F)また、お客さまとの対面ではありませんが、店舗を締めて売上を集計して、経理をする際には、ネットバンクと連動したクラウド会計アプリを活用することで、銀行等での入金・記帳業務も非対面化していくことが可能です。
非対面型ビジネスモデルへの転換シーン
小売店のEC化は一番わかり易い変化ですね。店頭販売から、EC販売に変わる。これは完全に非対面ですね。
店頭でキャッシュレスで支払うのは対面はしていますが、直接的なやり取りは無くせるため広義には非対面に入れてもいいでしょう。
その中間にあるのは無人レジでしょうね。店頭にはお客さまは来られますが、レジでは非対面で支払うわけです。
無人レジというと店員のいないAIによるカメラ認識によるレジが話題になりましたが、まだまだ実用化に至っていません。
JRなどが行っているようなセルフレジから始まっていくのでしょう。自分でバーコードを読ませて、スイカで支払い。
Before After
飲食店でのケースを前述しましたが、実際には非対面型は、店舗での消費者とのやり取りだけではなく、事業者間の取引であったり、社内作業の非対面化も含まれます。そこで、考えられる非対面型への転換について、Before、Afterで整理します。
Before
After
店舗での買い物かごに商品を入れて現金で支払う形態から、①BtoC EC(消費者向けのネットショップ)への変化は一番わかり易い非対面型への転換です。飲食店でのデリバリも、BtoC ECに近い形態と言えるでしょう。
次に、店頭での②モバイルオーダーやキャッシュレスが考えられます。①のECに比べると、事業者とお客さまの距離感はぐっと近づきますが、直接お客さまと向き合って伝票に注文をとったり、決済時に現金のやり取りをすることに比べると、非対面型の割合が高まっていると言えるでしょう。
そして、事業者間同士のやり取りも、営業担当者がパンフレットを持って提案したり、FAXや郵送のやり取りを行うよりは、③BtoB EC(事業者間ネットショップ)になったほうが非対面型と言えます。②との違いは、消費者向けのネットショップはお客さまによって価格や商品は変わりませんが、BtoB ECでは、価格や商品もお客さまによって変わってきます。だからこそ、営業担当などの人手が必要だったわけですが、BtoB ECアプリの普及で多くの部分で自動化が図れるようになってきました。
最後に、④テレワークですが、社内作業を自宅で行うだけでは「ビジネスモデルの非対面型への転換」と言い難いですが、事業者間をまたいでテレワークをすることは、ビジネスモデルの転換に繋がります。テレワークで営業が提案したり、セミナやコンサルティングサービスを、テレワークアプリを使って、オンラインで提供を行うことができれば、大きくビジネスモデルを転換できるでしょう。
非対面時代のレジやキャッシュレス、会計
新潟でセミナを実施した一部を動画でアップしました。
まとめ
そして、今後変化が大きくなるのはBtoCのECもなのですが、BtoBのECがかなり進むのではないかと思います。
なぜなら効率化の範囲が広いからです。今まで、電話やFAXで注文を受けていた仕入先は、まずその情報の自社システムへの転記から始まります。BtoB ECになるとその転記(システム入力)がなくなります。
また、カタログをください!や納期照会という業務もかなり減るのではないでしょうか。 ECになれば、Webにカタログが掲載されるわけですし、納期もそこで確認できるわけです。
さらに在庫管理との連動も楽になりますね。注文があれば、在庫システムから在庫を減らせばいいわけです。
非対面のビジネスモデルの例
列記していきます。思いついたら、どんどん追記していきたいと思います。(5/21)
- 店頭で販売していたものを、ネットショップを立ち上げてお客さまがネットで購入できるようにした (BtoC EC)
- 独自のネットショップを立ち上げる
- Amazon、楽天等のショッピングモールに出店する
- 今まで、店頭に来てギフトを購入して送付していた場合(花屋など)に、店頭に来ず、商品を選んでギフト送付でき、決済も済ますことができる
- 無人レジを導入してお客さまが自分で決済をして購入できるようにした
- カメラを多数設置してAIによりお客さまが手に持った商品が何かを認識してスマホで決済を済ます(難易度高し)
- 無人レジで、お客さまが自分で商品のバーコードを読ませて決済する(払ったかどうかの確認が少し難しい、JRの改札内などはやりやすい)
- レジに人はいるが、お客さまが自分でお金を入れて、自動釣銭機でお釣りを渡す
- レジに人はいるが、キャッシュレス決済ができ、お客さまとの接触を減少させる
- 電話やFAXで発注していたものを、インターネット経由で発注する(BtoB EC)
- 単にECサイトを構築して事業者向け(B向け)に販売する
- BtoB ECサービスを活用して、お客さまごとに個別の価格や独自の商品を販売できるようにする
- BtoB ECを導入することで、紙のカタログの送付や、納期照会への回答作業が削減される
- テレビ会議システムを使って営業活動を効率化する
- 今まで対面で訪問していたものをTV会議で名刺交換から商談まで進めていく
- システムサービスの販売であれば、TV会議でデモを実施して見ていただける
- 商品や製品の販売でも、TV会議でそのまま、物を見せて説明できる
- カタログや追加の説明資料を要求されてもその場ですぐみせることができる
- 見積書を出してといわれたときに、見積もりクラウドサービスを使って、その場で見積を提示できる
- 決済サービスの活用
- 今まではお店に来ないとお金が払えなかったので、デリバリーや、ギフトの依頼の際に、対面でお金を払う必要があったが、決済サービスを使うことで、非対面でお金を貼ることができる
- ※PayPayなどのQRコード決済は非対面での支払いが、今の所NGです。 LINE Payなどは税金や公共料金払いは始まっていますが、一般の小規模企業のオンラインでの支払いは、NGです。その中で、SquareやPayPalであれば、オンラインでのクレジットカード払いに対応できます。特にSquareはオンライン請求書払ができるので使いやすいです。
- 置き配のように対面しない場所で商品の受け渡しを行う
- 最寄りのコンビニでの受け渡し
- 駅ロッカーでの受け渡し
- 自宅置き配ボックスでの受け渡し
- 自宅ドア前での受け渡し
そんなところで。