A類型とB類型の違い〜人件費目標の達成可否がポイント〜IT導入補助金2020年
出典は、令和元年度補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業」に係る事務局の公募の募集要領です。
補助金額
金額はB型の方が大きいです。300万〜900万円のソフトウェア、クラウドを購入すると半額ですが、150万円〜450万円補助されるわけです。
一方で、A型は60万円〜300万円のソフトウェアを購入すると30万円〜150万円補助されます。
対象経費の区分 | 補助上限額 (補助下限額) | 補助率 |
1.A類型 ソフトウェア、クラウド利用費、専門家経費等 | 150万円 (30万円) | 2分の1 |
2.B類型 ソフトウェア、クラウド利用費、専門家経費等 | 450万円 (150万円) | 2分の1 |
ソフトウェアの必要なプロセス数
ソフトウェアの必要なプロセス数っていつも表現に苦労しますね。生産性を上げるには複数のプロセスをIT化する必要があります。そのため、Webをつくって集客するだけのプロセスしか満たさないとIT導入補助金は出ません。(Webのおまけでついているような顧客管理で、2プロセス・・っていうのも、補助金の趣旨からは外れていると思います) 要領にも以下の記述がありますしね。
ホームページは、業務パッケージとの有機的な連携によって直接売上に貢献をすることで、 本補助金の目的である業務プロセスの改善(業務の質の向上と効率化)に結びつくものと考 えます。その為ホームページ制作関連の経費は、業務パッケージと連携することを前提としたものでなければなりません。
https://www.it-hojo.jp/h30/doc/pdf/h30_apply_example.pdf
各類型の必要なプロセスの数は以下の通りです。
必要なプロセスの数 | |
A類型 | 業務プロセスと効率化プロセス・汎用プロセスから2つ以上 ただし、業務プロセスから1つ以上は必須 |
B類型 | 業務プロセスと効率化プロセス・汎用プロセスから5つ以上 ただし、業務プロセスから3つ以上は必須 |
わかりにくいですが、A類型なら、2つで業務プロセスから1つは必須。つまり2つとも業務プロセスでいいわけです。①顧客情報を管理して、請求書発行をしていると②債権管理もできるので、2つはすぐ対応になるでしょう。
ただ、B型の5つ以上というのはかなり範囲の広い仕組みになってしまうので、少し申請するのは難しいでしょう。
加点要件
2020年の補助金では、以下の賃金要件が新登場しています。確かに今まで生産性を向上させること!と記載があっても、売上が上がれば達成でしょ♪という雰囲気もあったのですが、人件費を上げることという条件があるっていうのは制度の趣旨をより明確にしてきましたね。でも結構難しい
- ITを導入する
- 効率化できる
- 既存業務をやっている人を減らすことができる
- その人達を新しく高付加価値業務につける
- 売上が上がる
- 給料も上がる
ってな具合にすすまないと実現できない高度な目標とも言えるでしょう。
3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること。(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加させる計画)
令和元年度補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業」に係る事務局の公募
3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とする計画を有し、従業員に表明していること。
この加点要件は、A型もB型も同じですが、違いがあります。
B類型は、申請要件、つまり必須要件にも入っています。
3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること。(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加させる計画)
申請要件が達成されていなければ補助金をもらう資格はありません。つまり達成されなければ返金となるわけです。なかなかに厳しい。
申請時点で、申請要件を満たす賃金引上げ計画を従業員に表明することが必要。交付後に表明していないことが発覚した場合は、補助金返還を求める。
〇3年間の計画の終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合に、交付決定の一部取消によって、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求める。
以下引用です。(事務局公募要領より)
A型
① 申請要件
中小企業・小規模事業者等を基本とし、以下の要件のいずれも満たす者。なお、5.及び6.に記載するIT導入支援事業者は補助対象者には該当しません。
一 本事業を実施する事業者の労働生産性について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上の生産性向上を目標とした事業であること。
(労働生産性とは、以下の計算式で算出されるものをいう。)
付加価値額/(従業員数×1人当たり勤務時間(年平均))
(付加価値額とは、以下の計算式で算出される粗利益をいう。)
付加価値額(粗利益)=売上-原価
二 事務局があらかじめ認定した「IT導入支援事業者」が登録するITツール(ソフトウェア、サービス等)等を導入する事業であること。
三 申請締め切り日前12ヶ月以内に同一事業(令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)の採択決定及び交付決定を受けた事業者ではないこと。
② 加点要件
一 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加させる計画)
二 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とする計画を有し、従業員に表明していること。
※加点要件は追加の可能性あり。
③ 減点要件
申請時点において、過去3年間に、類似の補助金(平成28年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、平成30年度2次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)の補助金の交付を受けた事業者は、審査上の減点措置を講じる。
B型
① 申請要件
中小企業・小規模事業者等を基本とし、以下の要件のいずれも満たす者。なお、5.及び6.に記載するIT導入支援事業者は補助対象者には該当しません。
一 本事業を実施する事業者の労働生産性について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上の生産性向上を目標とした事業であること。
(労働生産性とは、以下の計算式で算出されるものをいう。)
付加価値額/(従業員数×1人当たり勤務時間(年平均))
(付加価値額とは、以下の計算式で算出される粗利益をいう。)
付加価値額(粗利益)=売上-原価
二 事務局があらかじめ認定した「IT導入支援事業者」が登録するITツール(ソフトウェア、サービス等)等を導入する事業であること。
三 申請締め切り日前12ヶ月以内に同一事業(令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)の採択決定及び交付決定を受けた事業者ではないこと。
四 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること。 (被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加させる計画)
五 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とする計画を有し、従業員に表明していること。
六 上記四及び五については、小規模事業者及び取引価格が公的に定められている取引が太宗を占めると想定される事業者(保険医療機関、保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉法人、更生保護法人、学校等)は除く。
② 加点要件
(小規模事業者及び取引価格が公的に定められている取引が太宗を占めると想定される事業者が対象)
一 3年間、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること。(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加させる計画)
二 3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とする計画を有し、従業員に表明していること。
※加点要件は追加の可能性あり。
③ 減点要件
申請時点において、過去3年間に、類似の補助金(平成28年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、平成30年度2次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業、令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)の補助金の交付を受けた事業者は、審査上の減点措置を講じる。
そんなところで