Facebookは犯人なのか?

Facebook使っていますか? 私は一番良く使っているソーシャルメディアはFacebookですが、最近Facebookの株価が大きく下がっています。それは以下のような情報流出事件が起きたからです。

  • 「フェイスブック情報流出 データ主導時代の副作用 ~8,700万人分、米大統領選に影響か」
  • 「米Facebookの個人情報漏えい きっかけは性格診断クイズ」
  • 「フェイスブックのデータ流出問題:対策は進むものの信頼回復への道は長い」

さまざまな記事が発信されていますが、アメリカの大統領選で、トランプ氏を応援する陣営がFacebookから流出した情報を分析して選挙対策をしたことが一番の問題になっています。

 

Facebookは個人情報の塊になっています。自分のプロフィール情報、自分の投稿、いいねした情報、趣味嗜好情報、友達リスト等です。これらの情報を分析して、Facebookの広告塔を使って広告を出稿し、トランプ氏の応援や、対抗する候補のネガティブキャンペーンを行ったとされています。

Facebookの広告は実際誰が出しているのか隠すこともできますので、こういった行為を許してしまったFacebookは責任を問われ、マーク・ザッカーバーグCEOが議会に呼び出されて吊し上げにあったところです。

どこの国の議会も同じようなものですね。

主犯は誰か?

しかしFacebookが犯人で悪者なのでしょうか? 情報流出をさせたのだから、Facebookが悪いに決まっていると思っている人たちもいますが、事態はそう単純ではないです。

規約で調査目的のデータ取得をFacebookは認めています。今回取得された情報は「性格診断アプリ」でユーザ本人が自ら提供するという確認ボタンを押した上で提供しています。利用目的が明示され、本人が同意しているので基本的には問題ないわけです。もちろん、この時に友達リストも取得され、同意していない友達の情報が取得されたのはFacebookのシステム仕様の課題といえるでしょう。それを差しいひいても主犯はFacebookではないと思います。

ではFacebookが主犯でないとすると、誰が犯人候補なのでしょうか。

主犯候補は性格診断のデータを提供した大学教授と、そのデータを利用目的以外に活用したコンサル会社でしょう。この2者は明確にルール違反を犯しています。調査目的で取得したデータを選挙に活用しており、Facebookの規約に抵触した行為を行っています。さらに日本の個人情報保護法だと個人情報を取得する際には利用目的を明示し、目的外活用は法律違反です。アメリカの場合の法律は確認できていませんが、この2者は主犯として挙げてもよさそうですね。

次にトランプ大統領はどうでしょうか? 選挙で有権者のデータを集め分析してキャンペーンを打っていくというのは、有権者の立場としては嫌ですが、どこの国でもやっていることでしょう。そういう意味では犯人とは言えないでしょうし、法的にも問題があるとは思いません。ただし、使っていたコンサル会社がルール違反を犯したという責任は発生するでしょう。

共犯は誰か?

さらにユーザ本人はどうでしょうか? データを奪われた被害者と見えないこともないですが、共犯と言ってもいいほどの行為を働いています。友達リストを含めた情報を、本人が性格診断アプリを使うために提供してしまっていることです。画面上にこの情報は提供されますと表示されているので、うっかりミスとも言えません。被害者というより加害者的立場の方が近い存在と言えるでしょう。悪意はなかったでしょうが、ソーシャルメディアを使うリテラシーが不足しており、無知による加害者だと言えます。

最後に、友達はどうでしょうか? 友達自身はあずかり知らぬところで、データを持って行かれた被害者です。ただし、あえて言うならこういった個人情報保護意識の低い人と友達でい続けたということはミスといえるのかもしれませんね。

私は、検定や診断アプリを使った友達は、Facebookの友達から削除していくことにしています。もちろん使われて友人リストを提供された後では手遅れの可能性も高いですが、少しでも今後の情報リスクを下げるためには必要な措置だと思います。

個人情報の流出と言ってもいろんな立場からの視点があります。各者各様の問題点がありましたが、ユーザとしては迂闊に診断アプリ等を使う行為は加害者になるということを意識しておきたいです。

改めてFacebookは心情的には悪く無いと思っていますが、やはり巨大企業になると別の責任も発生します。名もないソーシャルメディアだと、多少ゆるい管理で許されたものが、全世界を支配するようなソーシャルメディアになると話は別なのです。

金融機関は情報管理が厳格です。それはお金を預かる企業だから当然厳格にすべきとみなが思っているからです。Facebookも昔はそうではなかったですが、これだけみんなが個人情報の大切さを意識する時代になったので管理を厳格化する必要があります。すくなくとも利用目的が明示されていても本人以外の友達の情報を渡すような仕組みは最初から導入すべきではなかったと思います。

有名人のFacebook脱退なども続いていますが、現時点では多くの人と繋がるプラットフォームとしてはナンバーワンだと思いますので、これを機にプラットフォームの情報管理方針を引き締めて、更に進化して行ってほしいと思います。

そんなところで