企業経営理論10問をChatGPT-o1に解かせた結果の正答率は?
1次試験の解説をさせると、よい解説がでてきました。
前回のブログです。gemini Flashです。
そこで今回は10問出題してどれくらい正解するか試してみた
今回はChatGPTに頼んでみました。
使うAI ChatGPT-o1です
プロンプト
今から中小企業診断士1次試験企業経営理論の問題を10問出します。選択肢を選んでください。
ということで以下の10問を貼り付けました。テキストで貼りました。今回は図表がある問題(問題4)は飛ばしての企業経営理論の10問です。
出力結果
以下、各設問ごとの正解選択肢と簡単な解説を示します。
第1問(創発的戦略)
正解:オ
創発的戦略とは、もともとの経営計画(意図された戦略)には組み込まれていなかったが、現場レベルでの偶発的な出来事への対応から「事後的」に形成されていく戦略を指します。したがって、選択肢オの内容が最もミンツバーグの提唱する「創発的戦略」の概念に合致します。
第2問(伊丹敬之の「見えざる資産」)
正解:エ
伊丹敬之が提唱する「見えざる資産(Invisible Assets)」は、企業が保有する技術、ノウハウ、組織文化、ブランド、取引関係などの「目に見えにくい資産」を指します。企業と外部だけでなく、企業内部の情報の流れや組織風土などからも生じうる点が重要です。よって「企業内部の情報の流れからも生じる」とする選択肢エが最も適切です。
第3問(ルメルトの多角化の分類)
正解:ウ(単一事業企業)
事業①(製品A)960億円、②(製品B)10億円、③(部品C)20億円、④(不動産)10億円、合計1,000億円です。
- 専門化率=最も売上高の大きい事業の売上高 ÷ 企業全体の売上高
⇒ 960 ÷ 1,000=96%- ルメルトの基準によれば、専門化率が 95%以上であれば「単一事業企業」と分類されます。
したがって、本設問では「単一事業企業(ウ)」が正解となります。
第5問(買収防衛策)
正解:エ(ポイズンピル)
代表的な買収防衛策の概要は以下のとおりです。
- ゴールデンパラシュート:経営陣が買収により退任となった場合、巨額の退職金などを受け取れるようにあらかじめ契約しておく仕組み
- サメ除け(Shark Repellent):買収を困難にするための定款変更等(役員改選規定の変更など)
- パックマン戦法(Pac-Man Defense):買収対象である企業が、逆に買収企業の株式を買い取り、買収企業を買収しようとする戦略
- ポイズンピル(Poison Pill):買収者以外の既存株主に、安価で新株引受権などを与えて希薄化を図る防衛策
- ホワイトナイト(White Knight):敵対的買収の対象企業が、友好的な第三者企業に買収してもらうよう働きかける
選択肢エの「買収企業以外の株主に安い価格で新株を取得できる権利を与える」は典型的なポイズンピルに該当します。
第6問(垂直統合と取引コスト理論)
正解:ア
O.ウィリアムソンの取引コスト理論(Transaction Cost Economics)では、関係特殊的投資(asset specificity)の大きさが取引コストを高め、ホールドアップ(相手に足元を見られて不利な交渉を強いられる)リスクが大きくなるとされています。その結果、企業は自社内に取込む(垂直統合する)ことで取引コストを回避しようとする動機が生まれます。
よって「関係特殊的な資産への投資を必要とするため(ア)」がTCEの観点に合致します。
第7問(5フォース分析における代替品)
正解:ウ
M.ポーターの5フォース分析において、代替品の脅威が大きいのは「別業界による、類似の機能を提供する製品やサービス」が、高いコストパフォーマンスをもって登場する場合などです。したがって「代替品のコストパフォーマンス比の向上が急速であるほど脅威が大きい(ウ)」が最も適切です。
第8問(衰退業界の競争戦略)
正解:ア
ポーターによれば、業界全体が衰退局面に入った場合でも、買い手の価格感応度が低く、かつ買い手の交渉力が小さい市場が残っていると、そこに残存した企業は比較的利益を上げやすい可能性があります。よって、選択肢アが正しい内容です。
(参考)「刈り取り戦略(harvest strategy)」は、投資やコスト投入を抑え、できるだけ余剰利益を回収する戦略を指し、「特定セグメントを防衛する」=「ニッチ戦略」とはやや異なります。
第9問(A-Uモデル:アバナシー&アッターバック)
正解:ア
A-Uモデルでは、ある業界にドミナントデザイン(顧客側・生産者側双方が、標準的な製品仕様として合意するデザイン)が成立すると、そこから工程イノベーション重視へシフトしていく、と説明されます。
- 選択肢アの「使用状況や評価基準が共有されるようになると、ドミナントデザインが定まってくる」は定説どおりの内容です。
第10問(製品アーキテクチャー)
正解:ウ
インテグラル型アーキテクチャーでは、部品同士が密接に擦り合わせられて機能を発揮するため、部品間の相互依存性が高く、開発・製造でも部門横断的な連携(調整)が不可欠になります。
- モジュラー型はインタフェースが標準化されており、部品の相互依存性は低く、分業しやすいという特徴があります。
第11問(I-Rフレームワーク)
正解:ア
I-Rフレームワークでは、
- グローバル戦略(Global):グローバル統合(Integration)重視・現地適応(Responsiveness)低
- マルチドメスティック戦略(Multi-domestic):グローバル統合低・現地適応高
- トランスナショナル戦略(Transnational):グローバル統合・現地適応ともに高
- 国際戦略(International):両方とも比較的低(初期の海外進出形態など)
本設問では「標準化を最小限にし、現地適応を最重要視する」=「グローバル統合が低く、現地適応が高い」=マルチドメスティック戦略の典型像に該当します。したがって「意思決定の権限や経営資源が海外子会社に分散され、親会社はゆるやかにつながる(ア)」が最も近い説明となります。
最終回答一覧
- オ ▶第1問
- エ ▶第2問
- ウ ▶第3問
- エ ▶第5問
- ア ▶第6問
- ウ ▶第7問
- ア ▶第8問
- ア ▶第9問
- ウ ▶第10問
- ア ▶第11問
解答を確認
10問中、10問の全問正解です。
そんなところで