フリーランスはますだおかだを見習うといい

2018年5月14日

シャッター

働き方の一つとして、フリーランスが注目されています。私も今年で9年目を迎えますが、たくさんの仲間と一緒に働いていた会社員時代からフリーランスになって一番大変に感じたのは時間管理です。

フリーランスは名前の通りフリーだと思われますが、一人で働いている分、自由がない場面も多いです。例えば明日セミナーをやることになっていたら、きっと家族の不幸があってもセミナーだけは担当します。体調を崩しても明日提出の資料があったら、無理してでも作り上げます。

短期的には自由(フリー)がないのがフリーランスだと思います。一方で長期的には自由があります。会社員だと2週間の休みは取りにくいでしょうが、フリーランスであればだいぶ先の休みは2週間でも1ヶ月でも取ることができます。もちろん、その間は無給ですが。

私自身のフリーランスへの道はブラックなスタートになりました。独立する2年前から会社勤務と複業で講師を始めました。土日が講義なので、平日の夜遅くまでかけて準備をする毎日でした。会社での残業時間を減らして時間を捻出していました。会社員だけをやっている時は年間の労働時間は2,500時間程度でした。複業時代は、土日も働いて、夜の作業も増えたので、3,100時間くらいは働いていました。その結果会社の残業代は減少して、複業の収入が増えましたが、総年収は変わりませんでした。つまり私の生産性は20%落ちたと言えます。(1−2,500÷3,100)≒20%

それでも疑問は感じませんでした。新しい仕事にチャレンジしてフリーランスとして独立するための一歩だと思えば、少しずつ複業で収入を得られることに満足していました。なかなか自身がブラックって気づかないものです。

そして念願かなって独立してフリーランスになり、3年くらいは昼夜関係なく働いていました。夜中のファミレスで仕事をするのが楽しくて、エンドレスに働いていたと思います。3,500時間くらいは働いたでしょう。3年目に会社員時代と同じくらいの収入でしたが、会社員時代と比べて生産性が30%落ちていたことになります。 (1−2,500÷3,500)≒30%

ちょうど40歳になる頃でした。

そうすると体調に異変をきたしました。体力の回復も遅くなりました。子供の頃にしか出ていなかったアトピーがすごく悪化したりと。

これじゃいけないと思いました。これじゃ仕事を続けられないと思いました。

フリーランスは保障がありません。体を壊して休むと、そのまま売上が低下し、所得の低下につながります。怖いです。そうすると、どうすればいいのか? 悩む余地はなかったです。休みをしっかり取って持続可能な形で働こうと。この先、何年働くのだろう? 20年? 30年? そう思うと結論は明白でした。

休もう。きっちり休んで、良い成果の出る仕事をしようと思いました。営業時間を明確にして、定刻がきたらシャッターをおろす。自分なりに決めたのは、17時に営業終了して夜は働かないことと、年に1ヶ月は休みを取ることの、2つです。

まず実行したのは、夜に人と会う仕事を止めました。夜の分の売上は下がりますが、持続可能な働き方のためには仕方ありません。とにかく、人に会うのは昼間にしました。夜の飲み会もできる限り参加しないことにしました。

次に休みを早く確定して、飛行機で遠くに行くことにしました。75日割なら飛行機の運賃が半額近くになります。私の閑散期は3月なので、3月は2週間休業することにしました。さらに夏休みと秋休みで1週間の休みをとることにしました。飛行機を予約してしまえば、急な仕事もその期間には入れられないわけです。

合計1ヶ月は休みを取って、1年のうち働くのを11ヶ月にしました。11/12ですね。そして夜働かないことで、1日に12時間くらい働いていたものが、8時間くらいの勤務時間になりました。3/4ですね。計算すると労働時間を30%削減したことになります。

その結果、売上が30%下がっても仕方ないと思いましたが下がりませんでした。分母の30%労働時間が減ったので、生産性は43%アップしました。(1-(1÷0.7)≒43%)

日本は世界に比べてサービス業の生産性は低いです。長時間労働で高い品質のサービスを提供しているからです。私自身は労働時間を削減して品質を維持したことで、生産性が向上しました。結果オーライという感じもありますが、ある意味予想外でした。

どうして生産性は向上したのでしょうか?

1つ目は労働時間を削減することで、あまりやりたくない仕事は断ってしまったことがあります。単価が低くてかつ面白くない仕事は真っ先に断りました。でも安くても面白い仕事は残しました。

2つ目は見積もりをするようにしました。それも高めに。今までは大半が言われたままの金額の仕事でしたが、言われる前にこちらの単価を提示することにしました。結果的に失注した仕事もありましたが、平均すると単価が向上しました。

3つ目は、下請け仕事から、自ら企画する仕事を増しました。忙しい状態が続くと、新しいことに取り組む気力がなくなってしまいます。夜の時間を空けることで、色々と考える時間を持つことができました。それが新しい企画につながり、より質の高い仕事を直接受注できるようになったのだと思います。

なにより、営業時間を決めてシャッターをおろしてしまったことが良かったと思います。働く時間をきっちり決めて、自らに制約を課すことで生産性って上がるものだと実感しています。

「閉店がらがらやで」

ますだおかだすごいです。すべっても、すべらなくても、すべっても、自分でシャッターをおろしています。フリーランスは見習わないといけないでしょう。

「シャッターおろすと、生産性は上がるんやで」

 

そんなところで

 

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