アップルパイ専門店〜なんでもおいしい!よりこれだけ試して!
IT中小企業診断士の村上です。
HPやネットショップのセミナーでは、専門店になれ!と伝えています。
突然ですが、最初に質問です。
アップルパイを買うなら、どちらの店に行きますか?
(1)アップルパイと日用雑貨を売っているお店
(2)アップルパイ専門のお店
村上は 、(1)に行きます。なぜなら、アップルパイにそんなに興味がないからです。
(1)のようなアップルパイと日用雑貨が買えるお店とは、イトーヨーカドーのようなスーパーではないでしょうか?そして、村上の購買行動としては、スーパーで日用雑貨とか他食品を購入して、ふとなにか甘いモノが食べたいいなあと思った時に、スーパーにあるケーキ屋さんに行って、ケーキを買ったりアップルパイを買ったりするわけです。
さて今度は逆に、もしあなたがアップルパイが得意なケーキ屋さんだったら、村上のようなスーパーでアップルパイを購入する人をお客にしたいでしょうか?もちろん購入してくれるなら顧客は誰でもいいよ!というお店もあるでしょう。しかし、村上のようなお客を自店に呼びこむのは大変です。なぜならイトーヨーカドーのようなスーパーに勝たないといけないからです。おいしさでは勝負できません。近さや遅くまで空いていると言った利便性や、価格で勝っていないと村上はそちらのお店には行きません。
だって、アップルパイに興味がないんだもの・・・
つまり大規模資本を持たない、中小企業である「アップルパイが得意なケーキ屋さん」は、村上のような顧客を呼ぼうとしてはダメで、むしろ無視するくらいでないといけません。その分、アップルパイが大好きなお客さまを呼ぶことに注力する必要があります。
そうすると、アップルパイの他に日用雑貨を売っている場合ではないわけです。まさかケーキ屋さんが日用雑貨を売るわけはないでしょうが、「うちのお店は、アップルパイもおいしいし、ガトーショコラもおいしいし、ショートケーキもおいしいんだよ!」と宣伝しているケーキ屋さんはたくさんあるのではないでしょうか?
他店と差別化をして、近所のお客さまだけではなく、広域からお客さまを集客できるケーキ屋になるためには、特徴が必要です。つまりアップルパイ専門店となったほうがより集客できるのではないでしょうか?
テーマを明確にして顧客ターゲットを絞ることで、ホームページには以下のようなコンテンツを載せることが考えられます。
・アップルパイの味のこだわり
・アップルパイの製造工程のこだわり
・林檎のこだわり
・その他素材のこだわり(無添加、安心・安全)
・林檎農家のこだわり
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アップルパイが本気に好きなお客さまには、こういった内容がアピールポイントになるのではないでしょうか?あそこのアップルパイを一度食べたい!と思わせる内容を整理して発信することが重要ですね。
テーマ絞り込むことによって、より購買率が高まるという傾向は、実店舗でもそうですが、ネットショップではさらに強くなります。こだわりを持ったお客さまほど、アップルパイを買うなら、ケーキの美味しい店ではなく、アップルパイの美味しい店から買いたいはずです。
【事例紹介】
先日、アップルパイが得意なケーキ屋さんに訪問してホームページとネットショップの相談をしてきました。
テレビにも多数取り上げられ、雑誌に掲載されるのもしょっちゅうのお店です。百貨店や、ショッピングモールへも出店してくれと頼まれることが多いアップルパイの有名店です。
しかしホームページを見ると、トップページにはいちごのケーキが。。。
テレビや雑誌でこのお店の
「完熟アップルパイ」を見かけて、買ってみたい!と思ったお客さまがこのホームページを訪れたら、少し裏切られた気分になるのではないでしょうか・・(><
「私が見たいのはアップルパイであって、いちごのケーキじゃない!」と。
もちろん、このお店のアップルパイは食べてみると、味は裏切りません!ものすごくおいしいです。マジおいしいです! (イチゴのケーキもとってもおいしいのです!) しかし、その前にホームページに裏切られると、購入に至らないわけです。
ということで、このお店ももっとアップルパイを全面に押し出して、アップルパイに対するこだわりをしっかり説明するページをつくろう!ということになりました。2015/2/18時点では、TOPページから即日イチゴのケーキは消すことにしました。そしてそれ以外にも、このお店のホームページは色々改善点がたくさんありますが、徐々にパワーアップしていくはずです。楽しみにしてください!
http://www.gato-masuda.co.jp/
やばい、アップルパイの話ばかりしていたら、興味のなかったはずのアップルパイが猛烈に食べたくなってきました(笑)