個人事業主で利益率の高い業界は!?
儲かる業種で創業したい!?
窓口相談をしていると、どんな業種で創業したらいいですか?どんな業種が儲かりますか?と時々聞かれます。
この業種が儲かります!と伝えたら・・・この方は、この業種で創業するのだろうか・・・なんて心配になってしまいますが、統計データを見せて、一般的にはこうですね・・・と言ったことを伝えるようにしています。
やりたいことがあっての創業だから、どの業種がいいですか?なんて質問は、ちょっと本末転倒だとは思います。
ただ、自身が創業したい業種を決めている人が、データを見て、創業する業種を変更することは流石にないでしょうが、まだ何をやろうか決めてない人は、気になるんでしょうね。
業種の平均のデータは参考にはなりますが、その業種で創業してもそのとおりの利益率になることはないでしょう。各事業者が工夫して、より利益が高まる取り組みをしていくことが大事だと思います。
利益率のデータを確認する
一言でどの業種が儲かるかといっても、大企業、中堅企業、中小企業そして小規模企業によっても変わってくるでしょう。トヨタの利益率が高いから、製造業で創業する!となるわけではないですね。
なので、今回は、中小企業実態基本調査 / 平成29年確報(平成28年度決算実績) 確報のデータを見てみます。
個人企業を、産業中分類ごとに確認したデータです。
問題
飲食・宿泊業、製造業、小売業、不動産業、卸売業、情報通信業の6つ業種が、①〜⑥のどれに当てはまるか考えてみてください! 全体の平均と建設業だけは予め開示しています。
個人企業 全体の平均 | 建設業 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | |
平均売上(百万円) | 14 | 19 | 13 | 13 | 35 | 16 | 10 | 12 |
総利益率 | 55% | 53% | 67% | 56% | 27% | 32% | 91% | 57% |
営業利益率 | 17% | 19% | 22% | 20% | 8% | 9% | 32% | 13% |
営業利益額(百万円) | 2.35 | 3.63 | 2.91 | 2.75 | 2.75 | 1.38 | 3.24 | 1.61 |
どこから考えていくのがいいですかね?
まずは、営業利益率が高い ⑤91%、①67%、⑥57%はどの業界でしょうか?
それから、粗利益率の高い、 ⑤32%、①22%、②22%はどこでしょうね?
②と⑥は数値も近く悩ましいところかもしれません。
正解は・・・
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以下の通りでした。
個人企業 全体 | 建設業 | ① 製造業 | ② 情報通信業 | ③ 卸売業 | ④ 小売業 | ⑤ 不動産業 | ⑥ 宿泊/飲食業 | |
平均売上(百万円) | 14 | 19 | 13 | 13 | 35 | 16 | 10 | 12 |
総利益率 | 55% | 53% | 67% | 56% | 27% | 32% | 91% | 57% |
営業利益率 | 17% | 19% | 22% | 20% | 8% | 9% | 32% | 13% |
営業利益額(百万円) | 2.35 | 3.63 | 2.91 | 2.75 | 2.75 | 1.38 | 3.24 | 1.61 |
総利益率が一番低いのは、やっぱり③卸売業でしょうか。薄利多売!
それにしても④小売業も利益率が低いですね。小売業の大変さが伝わってきます。 そして何より、営業利益額が1番低い! 薄利少売!・・・ 率と額の両方をチェックするのは大切ですね。
総利益と営業利益と、営業利益額の3冠は ⑤不動産業! 儲かりますね。もちろん、大手になれば、最初に投資をして建物を建てることを考えるとこんな高い総利益率にはならないでしょうが、個人事業の間は、仲介手数料が中心で原価がほとんどかからないんでしょうね。
一般的に利益率が高いといわれる、ITの②情報通信業は、総利益率で4位、営業利益率で3位でしたね。この辺は、さらに詳細なデータを確認したいところですが、外注費を労務費として原価に入れたり、Webサービスを立ち上げるサーバ代などが原価に入っているのかなと推察します。
また、小売や卸にくらべて、①製造業、⑥宿泊/飲食業は利益率が高いです。そのまま販売するのではなく、加工して付加価値をつけているからですね。 どちらが ①製造か、⑥宿泊/飲食業かは悩ましいところですが、原価が高いのは⑥。 これも詳細を確認しないとわかりませんが、材料などの原価を高めにかけるお店が増えているのでしょうかね。
全体で考える、個人企業は、売上14百万円で、営業利益が235万円。もちろん、個人なので、色々経費の混線も予想されますが、このあと、消費税も含めて税金を支払うことを考えると、もっと、利益率を高めていかねばなりませんね。
消費税率は2019年10月から10%。 単純計算で、簡易課税でサービス業だと、70万円消費税支払いですもんね。いくら利益を出していこうという、最初の事業計画の立案も重要になるわけです。
創業塾でやってもらいました
創業塾でも 5人1チームで ABCDの4チームに分かれて議論して、順番をあててもらいました。 (新潟でやりました)
難易度を下げるため、建設業と、情報通信業は最初から開示して、5業種をあててもらいました。
個人企業全体 | 建設業 | ① 製造業 | 情報通信業 | ② 卸売業 | ③ 小売業 | ④ 不動産業 | ⑤ 宿泊/飲食業 | |
平均売上(百万円) | 14 | 19 | 13 | 13 | 35 | 16 | 10 | 12 |
総利益率 | 55% | 53% | 67% | 56% | 27% | 32% | 91% | 57% |
営業利益率 | 17% | 19% | 22% | 20% | 8% | 9% | 32% | 13% |
営業利益額(百万円) | 2.35 | 3.63 | 2.91 | 2.75 | 2.75 | 1.38 | 3.24 | 1.61 |
Bチームが全問正解です!
その他の記事
以前も同じような出題をやりましたが、こちらは、「従業者 50 人以上か つ資本金額又は出資金額 3,000 万円以上の会社」のデータです。
そんなところで。