企業診断連載中:ふぞろいな合格への道〜時事ニュースから1次試験をイメージする

連載も早くも5ヶ月目。
1次試験の執筆としてはもう半分をすぎてしまいました。

時事ニュースから、1次試験をイメージする!
前月号の記事の一部を掲載しますね。
ぜひ、企業診断5月号も手にとって見て下さい!

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●時事ニュースで 1次試験を斬る!

 

【科目】 財務会計

【論点】投資信託(ポートフォリオ)

投資家から集めた資金をまとめて、運用の専門家が債券や株式などで運用し、
その運用成果に応じて収益を分配するという金融商品

 

●ニュース見出し: 2012年10月3日退職貧乏父さんが投信と付き合う3つのコツ

(出典:月刊日経マネー 特集セレクト)

 

●ニュース要約: 

 銀行や証券会社が薦める投資信託を退職金で買ったものの、
いつまでたっても元本割れ。仕方がないので、そのまま“塩漬け”状態で放置する。
「退職貧乏父さん」の多くが陥るこうした失敗をなくすには、
まず購入時に「自分に合った投資信託はどのような商品か」
を意識しながら情報収集や検討をすることが大切である。

 

ポイントは3つ

・元本を減らす「分配金」に惑わされない

・「売れ筋商品」に惑わされず、運用成績をチェック

・自分のリスク許容度に合ったモノを選ぶ

 

●ニュースを斬って1次につなげる:

 

政権が交代して、アベノミクスが話題になり、円安傾向、
株価の上昇が続いています。(2013年2月初旬現在)

今後景気動向はどうなっていくのか、この景況が続くのか、
一時的なもので国の借金を増やしただけに終わるのか、予断を許しません。
とはいえ、一時的には投資信託に投資していた人々は
ほっとしているのではないでしょうか?

日本では投資信託は太平洋戦争が始まった1941年に
最初に売り出されました。戦争のための資金調達の
意味付けもありました。実際には、太平洋戦争終了後に
徐々に販売量が増えていきます。ご多分にもれず、
バブル期には販売金額は史上最高を更新しました。

バブル崩壊後、販売量は再び停滞気味になりますが、
低金利の中、なんとなく安全そうに見え、銀行に預金するより
利回りもよいので、多くの人が購入するようになりました。

しかし、今回の記事のように、退職金で一時的にキャッシュが
豊かになった人たちが資産運用として購入した投資信託の多くは、
元本を大きく下回る結果となり、「退職貧乏父さん・母さん」を
量産することになりました。どの程度のリスクを取ってどの程度の
リターンが得られるかは、投資信託の投資対象によって異なるため、
自身の総資産の状況に応じて商品選定をしていく必要があります。

信託とは、「信じて託す」ですが、単に営業マンの言葉を信じる前に、
自分の目でしっかり調査をし、損を許容できる範囲を考えてから購入すべきものですね。

 

●過去問:平成24年度第19問 (正解ア)

Z社は現在、余剰資金の全額を期待収益率8%、標準偏差6 %の投資信託で運用している。Z社では余剰資金の運用方針を変更し、余剰資金の全額を、2%の収益率をもつ安全資産と上記投資信託に等額投資する運用を考えている。変更後の期待収益率と標準偏差の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

 

ア 期待収益率:5% 標準偏差:3%

イ 期待収益率:5% 標準偏差:6%

ウ 期待収益率:6% 標準偏差:6%

エ 期待収益率:10% 標準偏差:6%

 

今回は、上記のニュースで出てきた「リスク」に関連する過去問を解説します。

「リスク」はすなわち標準偏差です。標準偏差が小さいということはリスクが小さいということです。

そして、複数の金融商品でポートフォリオを組むことは、(期待値の)利益が下がってもいいから、リスクを下げようとするのが目的です。

本問においてZ社は標準偏差が6%の投資信託と標準偏差が0%の安全資産でポートフォリオを組んで標準偏差を下げようとしています。したがって、他の選択肢に比べて唯一、標準偏差が6%より低い選択肢アが正解となります。

つまり、ポートフォリオを組むことで、期待収益率(利益)は下がりますが、標準偏差(リスク)も下がるのです。

(計算によって解答も導いてみてくださいね)

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