適格請求書発行事業者の登録制度について (インボイス制度への登録)

国税庁のQAの紹介です。

問2 適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。

【答】 適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます(新消法 57 の21)。 適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者は、納税地を所轄する税務署長に登録
申請書を提出する必要があります(新消法 57 の22、インボイス通達2-1)。 なお、登録申請書は、適格請求書等保存方式の導入の2年前である2021 年 10 月1日から提出することができます(28 年改正法附則1八、441)。また、その登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を書面で通知することとされています(新消法 57 の23457)。

おって、登録申請書は、e-Taxを利用して提出することもでき、この場合、登録の通知はe-Tax を通じて行われます(国税関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成 15 年7月財務省令第 71 号)81、国税関係法令に係る行政手続等における情 報通信の技術の利用に関する省令第8条第1項に規定する国税庁長官が定める処分通知等を 定める件(平成 30 年国税庁長官告示第8号)。
(参考)適格請求書発行事業者登録簿の登載事項は次のとおりです(新消令70 の51)。
1 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
2 登録年月日
3 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地 4 特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者をいいます。)以外の国外事業者につい ては、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地

問3 適格請求書発行事業者の登録の効力は、いつから発生するのですか。

【答】 登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を書面で通知することとされています(新消法 57 の23457)。

登録の効力は、通知の日にかかわらず、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(登録日)に発生します。このため、登録日以降の取引については、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書の交付義務があります(インボイス通達2-4)。 なお、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取扱いについては、問 22 をご参照ください。
(参考) 2023年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録日は2023年10月1日となります。

問4 登録申請書の提出は、2021年10月1日から行うことができるとのことですが、適格請求書等保存方式が導入される2023年10月1日に登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか。

適格請求書等保存方式が導入される2023年10月1日に登録を受けようとする事業者は、2023年3月31日まで(注)に登録申請書を納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります(28 年改正法附則 441)。

なお、免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書(以下「課税選択届出書」といいます。)を提出し、課税事業者となる必要がありますが、登録日が2023年10月1日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けることができます(28 年改正法附則 444、インボイス通達5-1)。

(注) 2023年3月 31 日まで(※)に登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情 がある場合に、2023年9月30日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、平成 35 年 10 月 1日に登録を受けたこととみなされます(改正令附則 15)。

なお、「困難な事情」については、その困難の度合いは問いません(インボイス通達 5-2)。
※ 特定期間の課税売上高又は給与等支払額の合計額が 1,000 万円を超えたことにより 課税事業者となる場合(新消法9の21)は2023年6月30 日まで

平成31年→2019年  平成33年→2021年 平成35年→2023年

問5 免税事業者が2023年10月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録に当たり、課税選択届出書の提出は不要とのことですが、この場合、いつから課税事業者となりますか。

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、課税選択届出書を提出し、課税事業者となる必要があります(インボイス通達2-1)。

ただし、免税事業者が2023年10月1日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています(28 年改正法附 則 444、インボイス通達5-1)。

したがって、この経過措置の適用を受けることとなる場合は、登録日から課税事業者となりますので、登録を受けるに当たり、課税選択届出書を提出する必要はありません。

(注) この経過措置の適用を受けない課税期間に登録を受ける場合については、原則どおり、課税選択届出書を提出し、課税事業者となる必要があります。

なお、免税事業者が課税事業者となることを選択した課税期間の初日から登録を受けようとする場合は、その課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに、登録申請書を提出しなければなりません(新消法 57 の22、新消令 70 の2)。

《免税事業者に係る登録の経過措置》

<例>免税事業者である個人事業者が2023年10月1日に登録を受けるため、2023年3月31日までに登録申請書を提出し、2023年10月1日に登録を受けた場合

平成34年→2022年 平成35年→2023年 平成36年→2024年

問6 当社は、軽減税率対象品目の販売を行っていませんが、適格請求書発行事業者の登録を必ず受けなければなりませんか。

適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られますが、適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは事業者の任意です(法 57 の21、57 の41)。ただし、登録を受けなければ、適格請求書を交付することができないため、取引先が仕入税額控除を行うことができませんので、このような点を踏まえ、登録の必要性をご検討ください。また、適格請求書発行事業者は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかを問わず、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときには、適格請求書を交付しなければなりません。

一方で、消費者や免税事業者など、課税事業者以外の者に対する交付義務はありませんので、例えば、顧客が消費者のみの場合には、必ずしも適格請求書を交付する必要はありません。このような点も踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

問7 新設法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。

適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます(新消法57 の21)。 免税事業者である新設法人の場合、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、課税選択届出書を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができます(新消法94、消令 20 一)。

また、新設法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます(以下「新設法人等の登録時期の特例」といいます。) (新消令 70 の4、新消規 26 の4、インボイス通達2-2)。

したがって、免税事業者である新設法人が事業開始(設立)時から、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、設立後、その課税期間の末日までに、課税選択届出書と登録申請書を併せて提出することが必要です。

なお、課税事業者である新設法人の場合については、事業を開始した課税期間の末日までに、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を提出することで、新設法人等の登録時期の特例の適用を受けることができます。(参考)新設合併、新設分割、個人事業者の新規開業等の場合も同様です。

《新設法人等の登録時期の特例》

(例) 2023年(平成 35) 年 11 月1日に法人(3月決算)を設立し、2024年(平成 36)年2月1日に登録申請書と課税選択届出書を併せて提出した免税事業者である新設法人の場合

問8 適格請求書発行事業者の登録を申請した場合に、登録を拒否される場合はありますか。

登録を受けようとする事業者が、消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者でなければ、原則として、登録を拒否されることはありません(新消法 57 の25)。

問9 適格請求書発行事業者の登録を取りやめたいのですが、どのような手続が必要ですか。

適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(以下「登録取消届出書」といいます。)を提出することにより、適格請求書発行事業者の登録の効力を失わせることができます(新消法 57 の210一)。

なお、この場合、原則として、登録取消届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われることとなります(新消法 57 の210一)。

ただし、登録取消届出書を、その提出のあった日の属する課税期間の末日から起算して 30日前の日から、その課税期間の末日までの間に提出した場合は、その提出があった日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われることとなりますので、ご注意ください。

(参考)登録の効力が失われる場合 登録取消届出書の提出を行った場合のほか、次の場合に登録の効力が失われることとなります。これらの場合、登録取消届出書の提出は不要ですが、一定の届出書の提出が必要となります(新消法 57 の210二、三)。

  • 1 適格請求書発行事業者が事業を廃止した場合(「適格請求書発行事業者の事業廃止 届出書」を提出した場合に限ります。)、事業を廃止した日の翌日に登録の効力が失われます(インボイス通達2-8)。
  • 2 適格請求書発行事業者である法人が合併により消滅した場合(「合併による法人の消滅届出書」を提出した場合に限ります。)、法人が合併により消滅した日に登録の効力が失われます(インボイス通達2-7)。

問 10 適格請求書発行事業者の登録が取り消される場合はありますか。

税務署長は、次の場合に適格請求書発行事業者の登録を取り消すことができます(新消法 57 の26)。

  • 1 1年以上所在不明であること
  • 2 事業を廃止したと認められること
  • 3 合併により消滅したと認められること
  • 4 消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと

問 11 当社は、適格請求書発行事業者の登録を受けています。翌課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下ですが、当社は、免税事業者となりますか。

その課税期間の基準期間における課税売上高が 1,000万円以下の事業者は、原則として、消費税の納税義務が免除され、免税事業者となります。しかしながら、適格請求書発行事業者は、その基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下となった場合でも免税事業者となりません(新消法91、インボイス通達2-5)。したがって、適格請求書発行事業者である貴社は、翌課税期間に免税事業者となることはありません。

問 12 登録番号は、どのような構成ですか。

登録番号の構成は、次のとおりです(インボイス通達2-3)。
1 法人番号を有する課税事業者 「T」(ローマ字)+法人番号(数字 13 桁)
2 1以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等) 「T」(ローマ字)+数字 13 桁(注)

(注) 13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号となります。

(参考)登録番号の記載例
・ T1234567890123
・ T-1234567890123
※ 請求書等への表記に当たり、半角・全角は問いません。

問 13 適格請求書発行事業者登録簿の登載事項は、どのような方法で公表されますか。

適格請求書発行事業者登録簿の登載事項については、インターネットを通じて、国税庁のホームページにおいて公表されます(新消法 57 の2411、新消令 70 の52)。また、適格請求書発行事業者の登録が取り消された場合又は効力を失った場合、その年月日が国税庁のホームページにおいて公表されます。具体的な公表事項については、次のとおりです。

  • 1 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • 2 登録年月日
  • 3 登録取消年月日、登録失効年月日
  • 4 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地
  • 5 特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者)以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地さらに、上記の事項以外に、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」において主たる屋号や主たる事務所の所在地について、公表の申出のあった個人事業者等にあっては、これらの事項も公表されます
  • (参考) 公表事項の閲覧を通じて、交付を受けた請求書等の作成者が適格請求書発行事業者に該当するかを確認することができます。

問14 適格請求書発行事業者についての公表事項の閲覧方法を教えてください。

適格請求書発行事業者についての公表事項は、インターネットを通じて、国税庁のホームページにおいて、登録番号を基に検索し、閲覧することが可能とされる予定です。なお、相手方から交付を受けた請求書等に記載がある登録番号に基づき、検索を行った結果、公表事項を閲覧できない場合、請求書等に記載された登録番号が誤っている可能性などがありますので、まずは、相手方にその理由を確認していただくことになります。

また、閲覧方法の詳細については、今後、随時お知らせいたします。

登録制度については、以上です。