まち・ひと・しごとプランの作成が今後どんどん進むでしょう。

2022年9月21日

中小企業診断士の村上です。

まち・ひと・しごと創生本部が2014年に設立され、色んな検討がなされているかと思います。

これまでの国の政策の反省に立って、課題の解決を図るために、まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則を打ち出しました。「自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視」の5つですね。やはり地域が自立的に直接的に活性化施策を打たないといけないですし、短期的ではなく将来にわたって効果が出せる施策が求められますね 。

そして、4つの基本目標を立案しました。
(1)地方の雇用創出
(2)地方への人の流れ
(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
(4)時代にあった地域づくりと地域間連携

これらの原則や目標に基づいて各自治体がプランを立案していくことが今後求められています。

そのため、今、「まち・ひと・しごと創生本部」をGoogleニュースで検索すると各地方での取り組みのニュースが沢山出てきます。まだ、なにか施策を実施した!というより、地方自治体に創生本部が設置されたといった記事が多いようです。

組織が出来上がれば、次は具体的にプランを策定していくことになります。

「まち・ひと・しごとプラン」です。

今、自治体はこのプランを作るために、住民から意見を募集している自治体が多いですね。
例えば、長浜市。

募集テーマは以下の4つ。 上記の基本目標の4つとほぼ同じですね。
(1)「しごと」を増やし、安心して働ける仕組をつくる
(2)都市から「ひと」の流れをつくる
(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
(4)「まち」に活力をもたらし、安心して暮らす社会環境をつくる

そんな始まったばかりの「まち・ひと・しごとプラン」作成ですが、今からとおもいきや、もうすでにプランを作ってしまった自治体もあります。熊本県の八代市です。

作成された目次案は以下のとおりです。
1 背景
2 現状と課題
(1)本市の人口・世帯数の推移
(2)魅力的な生活環境
(3)人口減少等による課題
3プラン策定の目的
4 移住定住・交流の促進方策
(1)移住定住の促進
(2)交流の促進
5 本市の役割
(1)役割
(2)市における留意点
(3)市長八策と定住化の促進
6 定住化促進の実施計画
(1)移住定住の促進
(2)交流の促進
7地方創生へ向けた提案事項

市長八策!船中八策をもじったんですね。坂本龍馬好きな市長さんなんでしょうか?
なお、船中八策は、坂本龍馬が1867年に起草した新国家体制の基本方針とされるものの俗称です。

内容はというと、上記の目的を達成するための施策が列記されています。そして何より圧倒されるのが、施策よりも検討した部署の数。

8部30課!

今までのシティプロモーションでは、どうしても観光や農業など単発の部署で単発のプロモーションが多かったわけですが、今回のシティ・マーケティングが背景にある「まち・ひと・しごとプラン」を作るには自治体の様々な部署が連携しあって実行していけるかが肝になりそうです。

今回の八代市のもまだまだ各部課から施策をだして、それを並べただけという感があるのも事実です。ただそれでもいいと思います。地方創生だからといって新しい施策があるわけではありません。多くの施策は今まで何処かでやっていたものの焼き直しだと思います。だからこそ、自治体の中で確固たるマーケティング戦略を示して、各施策を有機的に連携させて実行させていくことが重要だと思います。また、八代市の素早いプラン作成にも感服ですね。

今後も色んな自治体でプランが作成されていくと思いますので、注目していきたいと思います。

中小企業診断士 村上知也 (MPAメンバー)