第1章 ハードウェアと入出力装置

この章のねらい 経営情報システムの学習は「コンピュータという機械そのものの仕組み」から始まります。 この章では、パソコン(PC)を構成する5つの装置、その心臓部であるCPU、 データを覚えておく記憶装置、0と1でデータを表す2進数・文字コード、 そして周辺機器をつなぐインタフェース(USBなど)を学びます。 ここは、第2章以降のソフトウェア・ネットワーク・情報セキュリティすべての土台になる部分です。

過去問での出方:この分野は毎年ほぼ確実に第1問・第2問で出題される、いわば「開幕の定番」です。 特にフラッシュメモリ(R02・R05)、USB・入出力インタフェース(H26・R02・R03・R07)、 文字コード(H30・R06)、CPUのクロック周波数・バス(H22・H29)は繰り返し問われています。 用語の意味さえ正確に覚えれば得点しやすく、確実な得点源になる分野です。


1-0 この章の地図

この章は、「コンピュータは何でできているか(5大装置)」→「頭脳の速さ(CPU)」→ 「どこに覚えるか(記憶装置)」→「0と1でどう表すか(データ表現)」→ 「外の機器とどうつなぐか(インタフェース)」という順に進みます。

1-1 コンピュータの5大装置とCPU  … 制御・演算・記憶・入力・出力/CPUの速さ
   │                              (クロック周波数・キャッシュ・パイプライン)
1-2 記憶装置の階層              … 主記憶(RAM/ROM)・補助記憶(SSD/HDD)
   │                              速度と容量のトレードオフ/仮想記憶
1-3 2進数・16進数・論理演算とデータ表現 … ビット・バイト・文字コード・浮動小数点
   │
1-4 入出力インタフェースと周辺機器 … USB・シリアル/パラレル・プリンタ(★頻出)

最初のうちは全部を暗記しようとせず、「コンピュータは5つの装置が協力して動いている」 というイメージだけ持って読み進めてください。


1-1 コンピュータの5大装置とCPU

コンピュータを構成する「5大装置」

どんなコンピュータも、大きく分けて次の5つの装置(機能)からできています。 これは暗記必須の基本中の基本です。

装置 役割 ひとことで
① 制御装置 命令を読み取り、他の装置に指示を出す 現場監督 CPU内部
② 演算装置 計算(四則演算・論理演算)を行う 計算係 CPU内部
③ 記憶装置 データやプログラムを覚えておく 倉庫 メモリ・HDD
④ 入力装置 外部からデータを取り込む 入口 キーボード・マウス・スキャナ
⑤ 出力装置 処理結果を外部に出す 出口 ディスプレイ・プリンタ

このうち①制御装置と②演算装置をまとめたものが、いわゆるCPU(中央処理装置、Central Processing Unit)です。 CPUはコンピュータの「頭脳」にあたります。

        ┌───────────── CPU(中央処理装置)─────────────┐
        │  ① 制御装置(指示を出す) + ② 演算装置(計算する)  │
        └───────┬───────────────────────┬──────┘
                │ 指示・データ                 │ 計算結果
   ┌────────┐   │        ┌────────┐        │   ┌────────┐
   │④入力装置│──→│        │③記憶装置│←──────┘   │⑤出力装置│
   │(キーボード)│   └───────→│(メモリ等)│──────────→│(ディスプレイ)│
   └────────┘            └────────┘                └────────┘

💡 覚え方:「せい・えん・き・にゅう・しゅつ」(制御・演算・記憶・入力・出力)。 このうち制御+演算=CPU、と押さえておけば十分です。

CPUの処理速度を決める要素

CPUの「速さ」は、業務用PCを選ぶときの重要ポイントです。過去問(H22 第2問)でも そのまま問われました。速さを左右する主な要素は次のとおりです。

① クロック周波数(動作クロック周波数)

CPUは、クロックと呼ばれる規則正しい信号(メトロノームのようなもの)に合わせて動作します。 この信号が1秒間に何回打たれるかを表すのがクロック周波数で、単位はHz(ヘルツ)です。

  • 1GHz(ギガヘルツ)=1秒間に10億回1MHz(メガヘルツ)=1秒間に100万回
  • 1GHz = 1,000MHz です。つまり「2GHz」は「800MHz」よりずっと高速。
  • クロック周波数が高いほど、演算速度は速くなります

⚠️ つまずきポイント:「800MHz」と「2GHz」ではどちらが速い? → 2GHz(=2,000MHz)。 単位が違うので、いったんMHzにそろえて比べると迷いません。

② レジスタ

レジスタは、CPU内部にあるごく少量だが超高速の記憶場所です。 計算に使う数値や命令を一時的に置いておく「手元のメモ」のようなもので、 主記憶(メモリ)よりはるかに速くアクセスできます。

③ キャッシュメモリ

キャッシュメモリは、CPUと主記憶(メモリ)の間に置かれる高速な一時記憶です。 CPUがよく使うデータをここにためておくことで、遅い主記憶へのアクセス回数を減らし、 処理を高速化します。

  速い ←──────────────────────────────→ 遅い
  レジスタ < キャッシュメモリ < 主記憶(メモリ) < 補助記憶(SSD/HDD)
  (CPU内) (CPU内外の橋渡し)  (メインメモリ)  (倉庫)

⚠️ 混同注意:キャッシュメモリ ≠ バス H22第2問では「CPUとメモリ・周辺機器の間のデータのやり取りは何を通じて行うか」に 「キャッシュ」と答えさせる引っかけがありました。正解はバス(下記④)。 キャッシュは"高速な一時置き場"であって、"データの通り道(伝送路)"ではありません。

④ バス(bus)とバス幅

バスは、CPU・メモリ・周辺機器の間でデータをやり取りする共通の通り道(伝送路)です。 一度に運べるデータの幅をバス幅といい、ビット数で表します。 バス幅(ビット数)が大きいほど、一度に多くのデータを運べて処理能力が上がります

  • CPUと主記憶をつなぐシステムバスは、次の3種類で構成されます(H29 第1問)。
  • アドレスバス:どこの番地(アドレス)を読み書きするかを指定する
  • データバス:実際のデータそのものを運ぶ
  • コントロールバス:制御信号(読み込み・書き込みの合図など)を運ぶ

⚠️ 混同注意:bps(ビット/秒)は"速度"、ビット数は"幅" H22第2問では、バス幅を「bps」で表すという誤りが引っかけでした。 bps=1秒あたりに送れるビット数(速度)/バス幅=一度に運べるビット数(道の広さ)。別物です。

⑤ パイプライン

パイプラインは、1つの命令を「読み取り→解読→実行→書き込み」といった段階に分け、 複数の命令の段階を少しずつずらして同時並行で流す高速化のしくみです。 工場のベルトコンベア(流れ作業)をイメージすると分かりやすいです。 1つの命令が終わるのを待たずに次の命令に着手できるため、全体のスループット(処理量)が上がります。

📝 過去問はこう出る(H22 第2問) CPUの処理能力に関する穴埋め問題。正解の組み合わせは 「クロック周波数が高いほど演算が速い/CPUとメモリ・周辺機器の間はバスを通じてやり取り/ バス幅はビット数で表す」。 「800MHzの方が2GHzより速い」「バス幅をbpsで表す」「伝送路はキャッシュ」はすべて誤り。 → H22 第2問

📝 過去問はこう出る(H29 第1問) PC内部の伝送経路(バス・インタフェース)の穴埋め。正解のポイントは 「バスはクロック(同期信号)と同期して伝送」「システムバス=アドレスバス+データバス+コントロールバス」 「SATAはHDD等を接続し起動ディスクに使える」「PCI Expressは拡張スロットで、NVMe SSD装着で高速化」。 → H29 第1問


1-2 記憶装置の階層

「主記憶」と「補助記憶」の2階建て

記憶装置は、大きく主記憶装置補助記憶装置の2つに分かれます。

主記憶装置(メインメモリ) 補助記憶装置(ストレージ)
役割 CPUが今すぐ使うデータを置く作業台 データを長く保存しておく倉庫
速度 速い 遅い
容量 小さい(数GB〜数十GB) 大きい(数百GB〜数TB)
電源を切ると 消える(揮発性が中心) 消えない(不揮発性)
RAM(DRAMなど)、ROM SSD、HDD、USBメモリ、光ディスク

速いメモリは高価で容量が小さく、大容量のストレージは安いが遅い——この 「速度と容量のトレードオフ(両立しない関係)」が、記憶装置を階層に分ける理由です。 そこで、速い順に レジスタ → キャッシュ → 主記憶 → 補助記憶 と階層をつくり、 「よく使うものほど速い場所に置く」ことで、全体として速く・安く仕上げています。

主記憶に使われる半導体メモリ:RAMとROM

主記憶などに使われる半導体メモリは、RAMROMの2種類に大別されます。

RAM(Random Access Memory)=読み書き自由・電源を切ると消える

RAMは読み書き両方ができるメモリで、電源を切ると内容が消える揮発性です。 主記憶(メインメモリ)に使われます。代表的に次の2種類があります。

種類 特徴 主な用途
DRAM(ディーラム) 安価・大容量だが、内容保持にリフレッシュ(定期的な再書き込み)が必要 主記憶
SRAM(エスラム) 高速だが高価・小容量。リフレッシュ不要 キャッシュメモリ
  • SDRAMは、クロックに同期して動作するDRAMの一種で、主記憶によく使われます(H22第1問・H19第1問)。
  • VRAM(Video RAM)は、画面に描画するRGBの輝度データを記憶する表示専用のRAMです(揮発性)。

💡 覚え方DRAMのDは「Dynamic(動的)」=リフレッシュが必要SRAMのSは「Static(静的)」=リフレッシュ不要で高速(だから高価なキャッシュ向き)。

ROM(Read Only Memory)=基本は読み出し専用・電源を切っても消えない

ROMは主に読み出し用のメモリで、電源を切っても内容が保持される不揮発性です。

種類 特徴
マスクROM 製造時に内容を焼き込む。書き換え不可。BIOSなどを工場出荷時に記録(H22第1問)
EPROM 紫外線を当てて消去し、書き換えられる旧式ROM
EEPROM 電気的に消去・書き換えできるROM
フラッシュメモリ EEPROMの一種。電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(下記で詳述)

⚠️ つまずきポイント:BIOS(PC起動時の基本プログラム)は、更新(バージョンアップ)が必要なため、 現在は書き換えできないマスクROMではなく、フラッシュメモリに格納するのが一般的です(H24第1問)。

フラッシュメモリ(超頻出)

フラッシュメモリは近年の最頻出テーマです(R02・R05)。特徴を正確に押さえましょう。

  • 電気的にデータを書き換える不揮発性の半導体メモリ(電源を切っても保持)。
  • USBメモリ・SDメモリカード・SSDの記憶素子として使われる。
  • 書き換え回数に上限(寿命)がある。
  • 紫外線で消去するのはEPROM/磁気で記録・消去するのはHDDや磁気テープ。フラッシュメモリはどちらでもない。

さらに、フラッシュメモリにはNAND型NOR型があり、その違いも問われます(R05第1問)。

NAND型 NOR型
読み出し速度 遅い(ブロック単位アクセス) 速い(ランダムアクセス可)
書き込み・消去速度 速い 遅い
大容量化 向く 向かない
主な用途 USBメモリ・SSD・SDカード(大容量外部記憶) プログラム格納(随時読み出し)など

📝 過去問はこう出る(R05 第1問) フラッシュメモリの正しい記述の組み合わせを選ぶ問題。正解は 「b:不揮発性なので電源を切っても保持できる」+「d:書き込み速度はNAND型の方が速い」。 「揮発性で紫外線消去できる(=EPROMの説明)」「読み出しはNAND型が速い(実際はNOR型が速い)」 「USB・SSDにはNOR型(実際はNAND型)」はすべて誤り。 → R05 第1問

📝 過去問はこう出る(R02 第2問) フラッシュメモリの正しい記述の組み合わせ。正解は 「c:電源が遮断されてもデータを保持できる」+「d:USBメモリ・SDカード・SSDに使われる」。 「紫外線で消去(=EPROM)」「磁気で消去(=HDD)」は誤り。 → R02 第2問 / 半導体全体は H22 第1問

補助記憶装置:SSDとHDD

大容量のデータを長期保存する補助記憶装置の代表が、SSDHDDです。

SSD(Solid State Drive) HDD(Hard Disk Drive)
記録方式 フラッシュメモリ(半導体) 磁気(回転する磁気ディスク)
速度 速い 遅い
耐衝撃性 強い(駆動部がない) 弱い(機械的に動く)
動作音・消費電力 静か・小さい 音あり・大きめ
容量あたり単価 高い 安い
  • HDD・光ディスク(CD/DVD/ブルーレイ)は容量が大きく単価が安いが、 記録面が露出する光ディスクは扱いに注意が必要(H21第3問)。
  • NAS(Network Attached Storage)は、LANに直接つないで複数のPCで共有する補助記憶装置。 単独でファイル共有サービスを提供するため、装置自身にOSを内蔵する必要があります(H25第1問)。

仮想記憶:主記憶の不足を補助記憶で補う

主記憶(メモリ)の容量が足りないと処理が遅くなります。これを補うしくみが仮想記憶です。

  • 仮想記憶補助記憶(ハードディスク)の一部を、主記憶のように見せかけて使うしくみ。 実際のメモリ容量を超える大きなデータを扱えるようになります。
  • スワッピング:主記憶が足りないとき、使っていないデータをいったん補助記憶へ退避し、 必要になったら読み戻す動作。仮想記憶を実現する動きの一つです。
  • スワッピングが頻発すると、遅い補助記憶とのやり取りが増えて処理速度が低下します(H19第1問)。

⚠️ 混同注意:似た用語の切り分け(H20第9問・H19第1問) - 仮想記憶=補助記憶を主記憶の代わりに使い、容量不足を補う(≠キャッシュに主記憶の役割を持たせる) - スワッピング=主記憶とディスク間でのデータの退避・読み戻し(≠複数CPUで交互処理) - スプール処理=プリンタなど遅い装置を使う際、データを一時的に補助記憶に書き込んでCPUを早く解放する - リフレッシュ=DRAMの内容を保持するための定期的な再書き込み - メモリインタリーブ=主記憶を複数バンクに分け、並行アクセスして高速化する

📝 過去問はこう出る(H19 第1問) 主記憶の容量不足を補う仕組みを問う穴埋め。正解は 「主記憶=SDRAM/補助記憶=ハードディスク/両者の間でスワッピングが発生/その仕組みは仮想記憶」。 EPROM・VRAM・リフレッシュ・フラグメンテーションなどはいずれも文脈に合わない。 → H19 第1問 / 補助記憶の増設は H25 第1問


1-3 2進数・16進数・論理演算とデータ表現

コンピュータは「0と1」の世界

コンピュータは、電気のON(1)/OFF(0)だけで情報を扱います。この0と1で数を表すのが2進数です。

  • ビット(bit):0か1の1桁。情報の最小単位。
  • バイト(byte)8ビットをひとまとめにした単位。1バイト=8ビット。
  • 8ビットで表せるパターンは 2⁸ = 256通り(0〜255)。
単位 大きさ 目安
1バイト(B) 8ビット 半角英数字1文字
1キロバイト(KB) 約1,000バイト(正確には1,024) 短い文章
1メガバイト(MB) 約100万バイト 写真1枚
1ギガバイト(GB) 約10億バイト 動画・音楽多数
1テラバイト(TB) 約1兆バイト HDD1台分

2進数 → 10進数への変換(ステップで計算)

2進数の各桁は、右から順に 1・2・4・8・16…(2の倍々) の重み(位取り)を持ちます。

例:2進数「1011」を10進数に直す

2進数:      1     0     1     1
桁の重み:   8     4     2     1     ← 右から 2⁰=1, 2¹=2, 2²=4, 2³=8
計算:     1×8 + 0×4 + 1×2 + 1×1
       =   8  +  0  +  2  +  1
       =  11

→ 2進数「1011」= 10進数「11」。

10進数 → 2進数への変換(ステップで計算)

10進数を2で割り続け、余りを下から並べるのが基本手順です。

例:10進数「13」を2進数に直す

13 ÷ 2 = 6 … 余り 1  ↑
 6 ÷ 2 = 3 … 余り 0  │ 下から
 3 ÷ 2 = 1 … 余り 1  │ 上へ
 1 ÷ 2 = 0 … 余り 1  │ 読む

→ 余りを下から上へ並べて「1101」。(検算:8+4+0+1=13 ✓)

16進数:2進数を4桁ずつまとめて読む

2進数は桁が長くなりがちなので、16進数でコンパクトに表すことがよくあります。 16進数は0〜9の後にA〜F(10〜15)を使う「16でひと桁上がる」数です。

  • 2進数4桁=16進数1桁にちょうど対応します。
  • 例:2進数「1011」→ 上の計算どおり10進で11 → 16進数では「B」。
10進 2進 16進
10 1010 A
11 1011 B
12 1100 C
13 1101 D
14 1110 E
15 1111 F

論理演算(AND・OR・NOT)

コンピュータは0/1に対して論理演算を行います。文書検索の条件式などで頻出です(H22第5問)。

演算 意味 成り立つとき
AND(論理積) 「〜かつ〜」 両方が真のときだけ真
OR(論理和) 「〜または〜」(一方でも可) どちらか一方でも真なら真
NOT(否定) 「〜でない」 真と偽を反転する

検索式の考え方(H22第5問):「A株式会社」かつ「請求書」を両方含み、さらに 「100円」または「200円」の一方または両方を含む文書を探す条件は——

(A株式会社 AND 請求書) AND (100円 OR 200円)
   └── 両方必須 ──┘        └─ どちらか一方でも可 ─┘

⚠️ つまずきポイント:全体をORでつなぐと、会社名を含まず金額だけ一致する文書まで拾ってしまいます。 「一方あるいは両方」はORANDにすると両方必須になり条件と食い違う)。ここが引っかけの急所です。

📝 過去問はこう出る(H22 第5問) 文書検索の論理式を選ぶ問題。正解は (A株式会社 and 請求書)and(100円 or 200円)。 全体をorでつなぐ式や、金額を(100円 and 200円)とする式は条件に反して誤り。 → H22 第5問

文字コード(頻出)

コンピュータで文字を扱うには、1文字ずつに番号を割り当てる文字コードが必要です。 種類ごとの特徴を正確に押さえましょう(H30・R06で頻出)。

文字コード 特徴
ASCII(アスキー) 7ビットで、英数字・記号・制御文字など128種類を表す米国標準。漢字は含まない
JIS X 0208 日本語(漢字)の文字集合
Shift-JIS JISコードをPC上で扱いやすく配置した日本語コード(※EUCを拡張したものではない)
EUC(EUC-JP) UNIX系OS向けに開発。後に拡張され日本語などに対応。日本語版は末尾に"-JP"が付く
Unicode(ユニコード) 世界の主要文字を統一的に扱う文字集合。ISO/IEC 10646と互換
UTF-8 Unicodeを1〜4バイトの可変長で符号化する方式(ASCIIは1バイト、日本語の多くは3バイト)

⚠️ 混同注意:文字コードの定番の引っかけ - 「ASCIIは漢字も表せる」→ ×(ASCIIは7ビット・128種で漢字は含まない) - 「Shift-JISはEUCを拡張したもの」→ ×(Shift-JISはJISコードがベース) - 「UTF-8は2バイト固定」→ ×(UTF-8は可変長。2バイト固定に近いのはUTF-16系)

📝 過去問はこう出る(R06 第2問) 文字コードと用語の組み合わせ。正解は 「7ビット128種=ASCII」「UNIX系で"-JP"が付く=EUC」「ISO/IEC 10646互換の世界文字集合=Unicode」。 → R06 第2問

📝 過去問はこう出る(H30 第3問) 文字コードの特徴で正しいものを選ぶ問題。正解は 「EUCはUNIX向けに開発され、後に拡張されて日本語などにも対応するようになった」。 「ASCIIは漢字から構成」「Shift-JISはEUCの拡張」「UTF-8は2バイト固定」はすべて誤り。 → H30 第3問

数値の表現:整数と浮動小数点

  • 整数:2進数でそのまま表現。負の数は「補数」という方法で表します。
  • 浮動小数点(数)とても大きい数やとても小さい小数を、 「仮数部(数値の中身)× 基数の指数部(桁の位置)」という形で表す方式です。 科学の世界の「1.5×10⁸」のような書き方をコンピュータ向けにしたもの、とイメージしてください。 少ないビット数で広い範囲の数を扱えますが、誤差が生じることがあるのが特徴です。

1-4 入出力インタフェースと周辺機器

インタフェースとは「機器をつなぐ規格・接続口」

インタフェースとは、PC本体と周辺機器(HDD・プリンタ・キーボードなど)を つなぐための規格や接続口のことです。データの送り方によって大きく2種類に分かれます。

シリアルインタフェース パラレルインタフェース
データの送り方 1ビットずつ順番に送る 複数ビットを同時に送る
イメージ 一列に並んで1本道を通る 何本もの道を横並びで一斉に通る
現在の速度・主流 速い・主流 遅く、現在は減少
代表例 USB・SATA・e-SATA・IEEE1394 SCSI・IDE(パラレルATA)・セントロニクス・IEEE1284

⚠️ つまずきポイント:「並行して送るパラレルの方が速そう」と思いがちですが、現在はシリアルの方が高速です。 パラレルは高速化すると配線間で信号の到着タイミングがズレるスキューの問題が起きて頭打ちになり、 高クロック化しやすいシリアル(USB・SATA)が主流になりました(H26第2問)。

ホットプラグ(活線挿抜)

ホットプラグとは、PCの電源を入れたまま周辺機器を抜き差しできる機能です。 USBやe-SATAが対応しています。USBメモリを再起動なしで抜き差しできるのはこの機能のおかげです。

  • あわせてプラグアンドプレイ(つなぐだけで自動的に使えるようになる仕組み)もよく問われます(H21第1問)。

USB(超頻出)

USB(Universal Serial Bus)は、周辺機器接続の最も代表的なシリアルインタフェース規格です。 近年ほぼ毎年出題されています(R03・R07)。次のポイントを正確に押さえましょう。

  • ホットプラグ対応:電源を入れたまま抜き差しできる。
  • 上位・下位の互換性:上位規格のポートに下位規格の機器をつなぐと、動くが速度は遅い方(下位)に合わせられる。 「最も上位の規格に依存する」は誤り(R07第1問)。
  • コネクタの形状で向きが決まる
  • Type-A(Standard-A):上下の向きがあり、片方の向きにしか差せない
  • Type-C:上下対称(リバーシブル)で、どちらの向きでも差せる(R03・R07)。
  • USB 3.1 Standard-AUSB 2.0と上位互換で外形も同じなので、3.1のコネクタを2.0の受け口に差せる(速度は2.0になる)(R03第1問)。
  • USB Power Delivery(PD)や映像出力(Alternate Mode)への対応は、ポートごとに異なる。 「すべてのType-CポートがPD対応・映像出力可能」とは限らない(R07第1問)。

📝 過去問はこう出る(R07 第1問) USBに関する記述の正誤の組み合わせ。正解は 「b(正):ホットプラグ対応のシリアルインタフェース」「c(正):Type-Cは上下どちらの向きでも差せる」「a(誤):速度は最も上位の規格に依存する(実際は下位に律速)」「d(誤):すべてのType-CがPD対応・映像出力可(実際はポートごとに異なる)」。 → R07 第1問

📝 過去問はこう出る(R03 第1問) USBコネクタの差し込みの可否。正解は 「c:3.1 Standard-Aのコネクタは2.0の受け口に差せる(上位互換)」+「e:Type-Cは上下どちらの向きでも差せる」。 Standard-A(Type-A)を「上下どちらでも差せる」とする記述は誤り。 → R03 第1問

主なインタフェースの整理

過去問(H26・R02・H30)で問われる代表的なインタフェースをまとめます。

インタフェース 種別 主な用途・特徴
USB シリアル 最も汎用的。ホットプラグ対応
SATA(シリアルATA) シリアル 内蔵のHDD・SSD接続。起動ディスクに使える
e-SATA シリアル SATAの外付け版。外付けHDDをホットプラグ接続
IEEE1394 シリアル 映像機器などの接続
SCSI(スカジー) パラレル HDD・スキャナを数珠つなぎ(デイジーチェーン)接続
IDE(パラレルATA) パラレル 旧来の内蔵HDD接続
セントロニクス/IEEE1284 パラレル 旧来のプリンタ接続
PCI Express(PCIe) 拡張スロット グラフィックスボードやNVMe SSDを装着
Bluetooth 無線 キーボード・マウス・プリンタ等の近距離無線接続
IrDA 無線 赤外線通信

⚠️ 定番の引っかけ(H30第1問・R02第1問) - USBは「パラレル」ではなく「シリアル」(1ビットずつ送る)。 - SCSIは「シリアル」ではなく「パラレル」(かつマウス接続には使わない)。 - e-SATAはホットプラグ対応のシリアル(電源を切らずに外付けHDDを接続できる)。 - シリアルATA(内蔵SATA)は主に内蔵ストレージ用で、モデムやマウスには使わない。

📝 過去問はこう出る(H26 第2問) シリアル/パラレルの穴埋め。正解は 「1ビットずつ=シリアル/複数ビット同時=パラレル」「シリアル例=USB・SATA」「パラレル例=IDE・SCSI」 「転送が速いのはシリアル」。 → H26 第2問 / 種類判別は R02 第1問 / e-SATA中心は H30 第1問

主な入力装置・出力装置

  • 入力装置:キーボード、マウス、スキャナ、デジタルカメラ、タッチパネル、バーコードリーダなど。
  • 出力装置:ディスプレイ、プリンタ、スピーカーなど。

プリンタは印字方式ごとの違いが問われます(H29第3問)。

プリンタ 印字方式 特徴
インクジェット 細いノズルから液体インクを噴出 黒+シアン・マゼンタ・イエロー(CMYK)で色再現性が高く、写真・ポスター向き
ドットインパクト ピンでリボンを叩き用紙に転写 複写伝票に印字できる代表方式。ドットの集合で画像も印刷可
レーザ トナーを紙に転写し熱・圧力で定着 高速で、事業所の文書印刷向き。カラーはCMYK
熱転写(昇華型など) 熱でインクリボンの色を転写 フルカラー印刷も可能

📝 過去問はこう出る(H29 第3問) プリンタの特徴で正しいものを選ぶ問題。正解は 「インクジェットは液体インクを噴出し、CMYKで色再現性が高く写真・ポスター向き」。 「ドットインパクトは画像を印刷できない(実際はドットで画像も可)」「熱転写はフルカラー不可(実際は可)」 「カラーレーザのトナーはブルー(実際はCMYKで、ブルーではない)」はすべて誤り。 → H29 第3問


この章のまとめ(試験直前チェック)

  • ☐ 5大装置=制御・演算・記憶・入力・出力制御+演算=CPU
  • ☐ CPUの速さ:クロック周波数が高いほど速い(1GHz=1,000MHz)
  • レジスタ(CPU内の超高速記憶)<キャッシュ(高速一時記憶)<主記憶<補助記憶
  • バス=データの通り道(アドレス/データ/コントロール)。バス幅はビット数(bpsは速度、別物)
  • パイプライン=命令を段階に分け、複数命令をずらして並行処理する高速化
  • RAM=読み書き可・揮発性(DRAMはリフレッシュ必要/SRAMは高速でキャッシュ向き)
  • ROM=読み出し中心・不揮発性(マスクROMは書換不可/BIOSは今はフラッシュメモリ)
  • フラッシュメモリ=電気的に書換可の不揮発性。USB/SD/SSDに使用(紫外線=EPROM・磁気=HDD は×)
  • ☐ フラッシュのNAND型=書込速い・大容量(USB/SSD)/NOR型=読出速い
  • SSD=半導体で速い・耐衝撃/HDD=磁気で安い・大容量。NASはOS内蔵でLAN直結
  • 仮想記憶=補助記憶を主記憶の代わりに使い容量不足を補う(スワッピングで実現)
  • ☐ 2進数:右から重み1・2・4・8…。10進→2進は2で割って余りを下から
  • 1バイト=8ビット=256通り。16進数1桁=2進数4桁
  • ☐ 論理演算:AND=両方必須/OR=一方でも可/NOT=反転
  • ☐ 文字コード:ASCII=7ビット128種・漢字なし/EUC=UNIX系・"-JP"/Unicode=世界共通・UTF-8は可変長
  • USB=シリアル・ホットプラグ。速度は下位に律速/Type-Cは両向き・Type-Aは片向き
  • シリアル(USB・SATA)が現在は高速。SCSIはパラレル。e-SATAはホットプラグ対応シリアル
  • ☐ プリンタ:インクジェット=CMYKで写真向き/ドットインパクト=複写伝票/レーザ=高速

この章に対応する主な過去問

年度・問 論点 リンク
H19 第1問 主記憶・仮想記憶・スワッピング 問題
H20 第9問 OS・ハードの並行処理(仮想記憶・スプール等) 問題
H21 第1問 外部記憶(フラッシュメモリ・USB・ホットプラグ) 問題
H22 第1問 半導体記憶装置の特性 問題
H22 第2問 CPU・クロック周波数・バス 問題
H22 第5問 論理演算(検索の論理式) 問題
H24 第1問 半導体記憶装置(RAM/ROM・ECC・BIOS) 問題
H25 第1問 補助記憶装置の利用(e-SATA・USB・NAS) 問題
H26 第2問 入出力インタフェース(シリアル/パラレル) 問題
H29 第1問 PC内部の伝送経路(バス・PCIe・SATA) 問題
H29 第3問 プリンタの特徴 問題
H30 第1問 周辺機器の接続インタフェース(e-SATA・USB・SCSI) 問題
H30 第3問 文字コードの特徴 問題
R02 第1問 入出力インタフェースの種類 問題
R02 第2問 フラッシュメモリの特性 問題
R03 第1問 USB規格のコネクタ接続 問題
R05 第1問 フラッシュメモリ(NAND/NOR型) 問題
R06 第2問 文字コード 問題
R07 第1問 USB規格(Type-C・PD・互換性) 問題

次章予告 ▶ 第2章「ソフトウェアとオペレーティングシステム(OS)」 本章のハードウェア(機械)を動かす「ソフトウェア」の世界へ進みます。 OSの役割(資源管理・タスク管理・ファイル管理)、基本ソフトと応用ソフトの違い、 プログラム言語やその実行の仕組み(コンパイラ・インタプリタ)などを扱います。