21世紀の国富論

2009年18冊目

21世紀の国富論 原 丈人 (著) 4点

ベンチャーキャピタリストとして、現在の株価偏重、その原因は、米の、指標尊重、特にROEの意味のなさを説く。

ベンチャーキャピタルにしても、ITにしても、米の後追いを続ける限り、
本当の"国富"は訪れない。

ベンチャーキャピタリストのイメージをくつがえす、
こてこての技術系のにおいがしました。

ビジョンの大きさに圧倒され、
素直に感銘する一方、
実際の提言の技術系の話などには、疑問も感じました。

PUC(Pervasive Ubiquitous Communications)
 使っていることを感じさせずに、どこにでも存在し、コミュニケーションできる。

ユビキタスは以前から言われていることだけど、
確かに、ミニPCが出ようが、ちっちゃく薄い携帯が出ようと、やはり使いやすさには
まだまだ改良の余地がある。

PUCの到来によって、以下の2つになるとの主張。
・パソコンの終焉
・収益性の高いソフト、収益性の低いハードの図式がおわる。

 これも最もだとはおもう。組み込みハードも伸びているし。

でも、私は、
ソフトのいいところは、簡単に機能変更できるところ。
ソフトが成熟して、大幅な変更がなくなってきたところで、
定型的にハードウェアになっていくとの認識だった。
 (ソフト系に従事しているせいだろうか・・)

どの程度、ハードとソフトが一体化してきているのか、
もっと知りたくなった1冊でした。
 国富論なのに、ついついそこに目がいってしまう、自分の小ささ(><

どちらにしても、ものづくりは長い目でみないとブレークスルーが起きないので、
今の短期的思考の会計ルールや、税金の在り方などには、
非常に考えさせられます。