第3章 中小企業の雇用と人材

この章のねらい 「中小企業経営」(第I部)は、毎年の中小企業白書とそれが引く各種統計から出題されます。 なかでも雇用と人材は、ほぼ毎年3〜5問が出る最重要テーマです。 この章では、①中小企業が日本の雇用をどれだけ支えているか(受け皿としての役割)、 ②深刻化する人手不足とその対応、③大企業との労働生産性・賃金の格差、 ④女性・高齢者・外国人・副業兼業という多様な人材の活用、を一気に押さえます。

過去問での出方:この分野は、白書掲載の統計グラフを言葉で説明させる形(「上回る/下回る」 「高い/低い」「増加/減少」の穴埋め・正誤判定)が中心です。個別の数値の丸暗記は不要で、 「どちらが大きいか・どう推移しているか(傾向)」を押さえれば正解できます。 具体的な数値には「※◯年版白書・◯年調査の値。最新版で確認を」という注記を付けています。 数字そのものより、大小関係と方向(トレンド)を体で覚えるのがコツです。


3-0 この章の地図

この章は、「中小企業は雇用をどれだけ支えているか」という全体像から入り、 「足りない(人手不足)」→「質の差(生産性・賃金)」→「多様な担い手で補う」という 流れで進みます。まず全体像をつかみましょう。

3-1 中小企業の雇用の動向        … 従業者数・就業構造・受け皿としての役割(★土台)
   │  「中小企業は従業者の約7割を雇う」がすべての出発点
   ▼
3-2 人手不足と人材確保          … 人手不足感の推移・確保策(採用/省力化/シニア活用)
   │  足りないから、どう埋めるか
   ▼
3-3 労働生産性と賃金            … 大企業との格差の「傾向」(★頻出)
   │  中小は生産性が低い→賃金も低い→でも労働分配率は高い
   ▼
3-4 多様な人材の活用            … 女性・高齢者・外国人・副業兼業(受け皿の中身)
      小規模ほど女性・高齢者に頼る/外国人は急増

💡 この章を貫く1本の軸 「中小企業は、雇用の量では日本を支える大黒柱(従業者の約7割)。しかし質(生産性・賃金) では大企業に見劣りし、人手不足に悩む。だからこそ女性・高齢者・外国人という 多様な人材の受け皿になっている」——この1本のストーリーで各節がつながります。


3-1 中小企業の雇用の動向

まず結論:中小企業は「雇用の約7割」を支えている

中小企業経営のいちばんの土台がこれです。経済センサスに基づくと、企業規模別で見た場合、 中小企業は次のような位置づけになります。

指標 中小企業のシェア(ざっくり) 覚え方
企業数 99.7%(=ほぼすべて) 「日本の企業はほぼ中小」
従業者総数 70%(約7割) 雇用の大黒柱
付加価値額 50〜56%(約5〜6割) 稼ぐ力は雇用シェアより低め

かみくだき:この3つの数字は「大→小の順に 99.7% > 70% > 5割強」と並びます。 「数は多い(99.7%)、人もたくさん雇う(7割)、でも生み出す付加価値は半分強にとどまる」。 この大小関係の順序さえ覚えれば、細かい数字を忘れても選択肢を絞れます。

※従業者総数約3,300万人(約7割)・付加価値額約140兆円(約56%)は令和3年経済センサス ベースの値(R07年白書)。数値は白書の版で微妙に変わるので、本試験では「約7割」「約5〜6割」 という桁とシェアの感覚を優先してください。

つまずきポイント①:「従業者シェア」と「付加価値シェア」を取り違える

試験は、この2つの数字を入れ替えた選択肢で引っかけてきます。

  • 従業者(人の数)は約7割 … 中小企業がたくさんの人を雇っている
  • 付加価値(稼ぎ)は約5〜6割 … でも一人ひとりが生む価値は大企業に比べ低い(→ 3-3の生産性格差につながる)

「従業者も付加価値も同じ7割」「付加価値のほうが高い」といった選択肢はバツです。 人のシェア > 稼ぎのシェア、この不等号を頭に刻んでください。

📝 過去問はこう出る(R07 第1問) 経済センサスに基づき、中小企業の従業者総数・付加価値額のシェアを選ばせる定番問題。 正解は「従業者総数 約3,300万人(約70%)/付加価値額 約140兆円(約56%)」。 従業者シェアを「約50%」、付加価値シェアを「約46%」などと過小に書いた選択肢はすべてバツ。 人は約7割・稼ぎは約5〜6割という大小関係で解けます。 → R07 第1問

就業構造の変化:製造業の比重は長期的に「低下」

日本全体の就業構造は、サービス化(脱・製造業)が進んでいます。労働力調査で見ると、 全産業に占める製造業の就業者の割合は、長期的に低下傾向です。

  • かつて「ものづくり大国」の中心だった製造業も、就業者数の割合では縮小してきた。
  • ただし製造業は付加価値の創出では今も大きな役割を果たしており、「地位が下がった=重要でない」 ではない点に注意(→ 生産性は製造業のほうが高い、3-3参照)。

📝 過去問はこう出る(R05 第7問) 製造業の就業構造を問う穴埋め。正解は「A:低下/B:下回って/C:下回って」。 ①全産業に占める製造業就業者の割合は低下傾向、②製造業の高齢者(65歳以上)比率は全産業を下回る (現役世代中心の職場)、③製造業の女性比率も全産業を下回る(男性中心の職場)。 「上昇」「上回って」とする選択肢は製造業の実態と逆でバツ。 → R05 第7問

「雇用の受け皿」としての役割 ― 特に小規模企業ほど多様な人材を雇う

中小企業、とりわけ規模の小さな企業ほど、女性や高齢者といった多様な人材を雇う 「受け皿」の役割を担っています。この論点は3-4で詳しく扱いますが、まず全体像として 「中小企業=多様な雇用の担い手」という白書の基本姿勢を押さえておきましょう。


3-2 人手不足と人材確保

人手不足感は高まっている(トレンドを押さえる)

近年の中小企業の最大の経営課題のひとつが人手不足です。景気の回復局面では特に、 中小企業の人手不足感(従業員が「不足」とする企業の割合)が高まる傾向にあります。

  • 人口減少・高齢化で働き手そのものが減っている(構造的な人手不足)。
  • 大企業に比べて賃金・知名度で不利な中小企業は、人材確保でより苦戦しやすい。

かみくだき:人手不足は「景気が良いと感じやすい(仕事はあるのに人がいない)」面と、 「人口が減って構造的に足りない」面の両方があります。白書は後者(構造的な人手不足)を 深刻な課題として扱っています。

人手不足への「対応の取組」― 何から手をつけるか

人手不足に直面した企業がとる対応には、大きく次の3方向があります。

取組の方向 中身 ひとことで
採用・正社員登用 人を新たに採る・非正規を正社員化する まず人を増やす
省力化投資・外注・下請化 設備投資や外注で仕事を減らす/回す 人手をかけずに回す
福利厚生・再雇用・定年延長 待遇改善・シニアの継続雇用 今いる人を活かす・つなぎとめる

企業規模がある程度大きい層(従業員100〜299人)では、まず「採用・正社員登用」の取組割合が最も高く、 一方で「省力化投資・外注・下請化」が最も低いという傾向がみられます。

📝 過去問はこう出る(R07 第9問) 100〜299人の企業の人手不足対応(複数回答)で「最も高い/最も低い」取組を選ぶ穴埋め。 正解は「A(最も高い)=採用・正社員登用/B(最も低い)=省力化投資、外注、下請化」。 まず人を確保しようとする(採用が最多)、設備・外注での省力化はハードルが高く最少、という 実感どおりの並び。「省力化投資が最多」「福利厚生が最多」とする選択肢はバツ。 → R07 第9問

人材「確保」のための方策 ― 賃金がいちばん、シニア活用は後回し

人手不足の中で人材を確保・つなぎとめるための方策では、賃金面の訴求が最も多く選ばれます。

日本政策金融公庫の調査(複数回答)で見ると、回答企業割合は 「給与水準の引き上げ」>「長時間労働の是正」>「再雇用などシニア人材の活用」の順でした。

  • 最多は「給与水準の引き上げ」 … やはり待遇(お金)がいちばんの決め手。
  • 次いで働き方改革(長時間労働の是正)
  • シニア人材の活用は相対的に低い … 対策としてはまだ後回しになりやすい。

📝 過去問はこう出る(R06 第12問) 人材確保の方策(複数回答)を回答割合の高い順に並べる問題。 正解は「a 給与水準の引き上げ > c 長時間労働の是正 > b 再雇用などシニア人材の活用」(選択肢イ)。 賃金が最多・シニア活用が最少という順序を押さえれば解けます。 → R06 第12問

政策とのつながり:人材活用ガイドライン

人手不足対策は白書の統計だけでなく、政策としても問われます。国は従来の 「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」を抜本改定し、令和5年6月に 「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」を公表しました。

  • 人材戦略の方向性は3つ:「中核人材の採用」「中核人材の育成」「業務人材の採用・育成」。
  • 検討の3ステップ:①経営課題を見つめ直しましょう → ②人材戦略を検討しましょう → ③人材戦略を実行しましょう(この順序が引っかけどころ)。
  • 中核人材の採用には、求人像の明確化や「ここで働きたい」と思える職場環境づくり (人事評価制度の策定・見直し、キャリアパスの見える化など)が必要、とされます。

📝 過去問はこう出る(R06 第7問) 「人材活用ガイドライン」の内容の正誤問題。正解は「a:正/b:誤/c:正」(選択肢イ)。 bが誤りの理由は、3ステップの順序を「人材戦略を検討→経営課題を見つめ直す→…」と 最初の2つを逆に書いているから。正しくはまず経営課題を見つめ直すのが出発点です。 → R06 第7問

⚠️ 混同注意:ガイドラインの「名称変更」 旧「人手不足対応ガイドライン」→ 新「人材活用ガイドライン」(令和5年6月改定)。 政策は名称・内容が改定されるので、「現行は"人材活用"ガイドライン」と覚えておきましょう。


3-3 労働生産性と賃金 ― 大企業との格差の「傾向」

労働生産性とは(超・基本)

労働生産性とは、ざっくり言えば

従業者一人あたりが、どれだけの付加価値を生み出したか」(=付加価値額 ÷ 従業者数)

です。この分野は毎年のように問われる最頻出テーマ。ポイントは3つに絞れます。

ポイント①:中小企業の労働生産性は大企業より「低い」

企業規模別に労働生産性を比べると、中小企業(とくに小規模事業者)は大企業より低い—— これが大前提です。だから3-1で見たように「従業者は7割いるのに、付加価値は5〜6割」に とどまるのです。

  • 業種で格差の大きさが違う:資本集約的で規模の経済が効く製造業では、大企業と小規模事業者の 生産性の差が最も大きい。逆に、小規模でも個人サービスとして成り立ちやすい 宿泊業・飲食サービス業では格差が最も小さい

📝 過去問はこう出る(R07 第6問) 大企業と小規模事業者の労働生産性の差を、小売業・宿泊業・飲食サービス業・製造業で比較。 正解は「製造業が最も大きく、宿泊業・飲食サービス業が最も小さい」(選択肢オ)。 「規模がものを言う製造業ほど格差が大きい」と押さえれば迷いません。 → R07 第6問

ポイント②:中小企業の労働生産性は長期的に「横ばい」(=停滞)

中小企業の労働生産性は、長い目で見ると大きく伸びず、ほぼ横ばいで推移してきました。 この「停滞」こそ白書の問題意識であり、生産性向上(省力化投資・DX・付加価値向上)が 政策の柱になっています。

  • 製造業・非製造業のどちらで見ても、中小企業の一人あたり付加価値額は横ばい傾向
  • 「順調に増加している」と書いた選択肢は、白書の問題意識と逆でバツになりがち。

📝 過去問はこう出る(R04 第4問) 中小企業の労働生産性(一人あたり付加価値額)の推移を製造業・非製造業別に問う問題。 正解は「製造業・非製造業とも横ばい傾向」(選択肢オ)。 「増加」「減少」と決めつけた選択肢はバツ。"停滞(横ばい)"がキーワードです。 → R04 第4問

ポイント③:賃金は大企業より低い/労働分配率はむしろ「高い」

生産性が低いことは、賃金にもつながります。ただし、ここには2つの逆向きの事実があり、 これが引っかけの急所です。

指標 中小企業(対 大企業) 意味
賃金水準 低い 一人あたりの稼ぎ(生産性)が低いので、給料も低め
労働分配率(人件費 ÷ 付加価値) 高い 少ない付加価値の中から、人件費に多くを回している

かみくだき:「賃金は低いのに、労働分配率は高い」——一見矛盾に見えますが、 分母(付加価値)が小さいからです。稼ぎ(付加価値)が小さい中で人件費を払うので、 付加価値に占める人件費の割合(労働分配率)は大企業より高くなる。 一方で、絶対額としての賃金は生産性の低さゆえ低い。この2つは矛盾しません。

  • 労働分配率:中小企業は大企業を一貫して上回る(=中小のほうが高い)。
  • 製造業の賃金:一般労働者の賃金で見ると、製造業は全産業を一貫して下回る傾向。 また男女間の賃金格差は、製造業のほうが全産業より大きい(女性比率が低く男性中心の職場)。

📝 過去問はこう出る(R07 第8問) 労働分配率の企業規模別推移。正解は「中小企業の労働分配率は、大企業を一貫して上回っている」 (選択肢ア)。中小=労働分配率は高いが鉄則。「下回る」「途中で逆転する」はバツ。 → R07 第8問

📝 過去問はこう出る(R07 第19問) 製造業と全産業の賃金比較・男女間賃金格差の穴埋め。 正解は「A:下回って(製造業の賃金は全産業を一貫して下回る)/B:大きい(製造業の 男女間賃金格差は全産業より大きい)」(選択肢ウ)。 → R07 第19問

💡 3-3のまとめ暗記フレーズ生産性は低い・賃金も低い・でも労働分配率は高い」。 そして「生産性格差は製造業で最大、宿泊・飲食で最小」「中小の生産性は横ばい(停滞)」。 この5点セットで、この節の問題はほぼ取れます。


3-4 多様な人材の活用

人手不足の中、中小企業は女性・高齢者・外国人、さらに副業・兼業人材という 多様な担い手を活用しています。共通するキーワードは「規模の小さな企業ほど、多様な人材の受け皿」です。

① 女性 ― M字カーブと「小規模ほど女性比率が高い」

女性就業の代表論点がM字カーブです。

M字カーブ:女性の年齢別就業率をグラフにすると、20代後半〜30代(結婚・出産・育児期)で いったん下がり、子育てが一段落する40代で再び上がる。この谷が アルファベットの「M」に見えることからこう呼ばれます。近年はこの谷が浅くなってきています (=女性の就業継続が進んだ)。

そして企業規模との関係では、規模の小さな企業ほど、女性従業員の割合が高い傾向があります (中小企業が女性の受け皿になっている)。

📝 過去問はこう出る(H28 第8問) 設問1(M字カーブ)の正解は「20代後半から30代にかけて女性就業率が低下する」(選択肢イ)。 谷は20代前半でも40代でもなく、20代後半〜30代。 設問2は「女性従業員の割合は規模の小さな企業ほど高い、高齢者の雇用割合も規模の小さな企業ほど 高い」(A:高い/B:高い)。小規模=女性も高齢者も比率が高いが結論。 → H28 第8問

② 高齢者 ― 小規模企業ほど高齢者に頼り、正社員としても雇う

規模の小さな企業ほど、高齢者(60歳以上)の雇用割合が高い。さらに、小規模企業では 高齢者を正規(正社員)として雇う割合も高い傾向があります。人手不足の中、 中小企業は経験豊富なシニアの重要な受け皿になっています。

📝 過去問はこう出る(R03 第16問) 従業者規模別の高齢者雇用実態。正解は「従業者規模が小さい企業ほど、60歳以上の従業者割合・ 60歳以上の正規雇用割合とも高い」(選択肢ア)。小規模=高齢者比率も正規化も高い。 → R03 第16問

📝 過去問はこう出る(R07 第15問) 従業者規模別の年代別・男女別構成の正誤問題。正解は「a:誤/b:正/c:誤」(選択肢エ)。 a・cが誤りなのは、いずれも「4人以下の事業者のほうが下回っている」と書いているから。 実際は小規模(4人以下)のほうが高齢者比率・女性比率とも高い(上回る)のが実態です。 「小規模ほど多様な人材が多い=上回る」と覚えれば、正誤を機械的に判定できます。 → R07 第15問

③ 外国人 ― 労働者数は急増、在留資格ごとに就く業種が違う

外国人労働者は深刻な人手不足を背景に急増しており、就業者全体に占める割合も高まっています。 在留資格ごとの特徴を押さえるのが得点のカギです。

在留資格 中身 主に就く業種 近年の傾向
専門的・技術的分野 技術者・経営者、特定技能(2019年〜)を含む 幅広い 最も急増(特定技能の創設で拡大)
身分に基づく在留資格 永住者・日本人の配偶者等 制限なく就労可 最大水準の1つ
技能実習 技能移転が目的 製造業が中心 伸びは鈍化・構成比は低下傾向
資格外活動(留学) 留学生のアルバイト等 宿泊業・飲食サービス業が中心

📝 過去問はこう出る(R07 第5問) 在留資格別の外国人労働者数の推移(図表)で急増している区分を選ぶ問題。 正解は「専門的・技術的分野の在留資格」(選択肢ウ)。特定技能の創設等で最も伸びが大きい。 技能実習は伸びが鈍く、身分に基づく在留資格は別区分(最大水準)。 → R07 第5問

📝 過去問はこう出る(R05 第8問) 在留資格別の就労業種比較。正解は「A(技能実習)=製造業/B(資格外活動・留学)= 宿泊業・飲食サービス業」(選択肢オ)。 技能実習=工場(製造業)/留学生バイト=飲食・宿泊という結びつきで覚えます。 → R05 第8問

⚠️ 混同注意:外国人の在留資格の"色分け" - 専門的・技術的分野 … 高度人材+特定技能(2019年〜)/近年いちばん急増 - 技能実習製造業中心/伸びは鈍化 - 資格外活動(留学) … 留学生バイト/飲食・宿泊中心 「技能実習が飲食中心」「留学が製造中心」などと入れ替えた選択肢が定番の引っかけです。

④ 副業・兼業人材の活用(発展)

近年は、外部の副業・兼業人材(他社に勤めながら専門スキルを提供する人材)を活用して、 中小企業が不足しがちな専門人材(DX・マーケ・経営企画など)を補う動きも広がっています。 「正社員として抱えなくても、必要なスキルを外から取り込む」という発想で、 人手不足時代の人材確保策のひとつとして白書でも取り上げられています。


この章のまとめ(試験直前チェック)

  • ☐ 中小企業のシェアは 企業数 約99.7% > 従業者 約7割 > 付加価値 約5〜6割(この不等号が命)
  • 従業者シェア(約7割)> 付加価値シェア(約5〜6割) / 取り違え選択肢に注意
  • ☐ 就業構造:製造業の就業者割合は長期的に低下(製造業は高齢者・女性比率とも全産業を下回る)
  • ☐ 人手不足対応:規模がやや大きい層は 採用・正社員登用が最多/省力化投資が最少
  • ☐ 人材確保策:給与水準の引き上げ(最多)> 長時間労働の是正 > シニア活用(最少)
  • ☐ 政策:現行は「人材活用ガイドライン」(令和5年6月改定)。3ステップは①経営課題を見つめ直す→②人材戦略を検討→③実行
  • ☐ 労働生産性:中小は大企業より低い格差は製造業で最大・宿泊飲食で最小長期は横ばい(停滞)
  • ☐ 賃金:中小・製造業は低いが、労働分配率は中小のほうが高い(一貫して上回る)/製造業の男女間格差は全産業より大きい
  • ☐ 女性:M字カーブの谷は20代後半〜30代(近年は浅化)/小規模ほど女性比率が高い
  • ☐ 高齢者:小規模ほど60歳以上比率・正規雇用割合とも高い
  • ☐ 外国人:急増(特に専門的・技術的分野)/技能実習=製造業、留学生バイト=飲食・宿泊
  • ☐ 副業・兼業人材:外部の専門スキルを取り込む人材確保策として活用が広がる

この章に対応する主な過去問

年度・問 論点 リンク
R07 第1問 中小企業の従業者総数・付加価値額のシェア 問題
R05 第7問 製造業の就業構造(低下・高齢者・女性) 問題
R07 第9問 中小企業の人手不足対応の取組 問題
R06 第12問 人材確保のための方策の順位 問題
R06 第7問 中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン 問題
R07 第6問 大企業と小規模事業者の労働生産性格差 問題
R04 第4問 中小企業の労働生産性の推移(横ばい) 問題
R07 第8問 労働分配率の推移(企業規模別) 問題
R07 第19問 製造業と全産業の賃金・男女間賃金格差 問題
H28 第8問 女性のM字カーブ・規模別の女性/高齢者比率 問題
R03 第16問 従業者規模別の高齢者雇用実態 問題
R07 第15問 年代別雇用者数・女性従業者比率(規模別) 問題
R07 第5問 外国人労働者数の推移(在留資格別) 問題
R05 第8問 外国人労働者の在留資格別・就労業種 問題

次章予告 ▶ 第4章「中小企業の経営環境と構造変化」 本章では「人(雇用と人材)」に注目しました。次章では、開業・廃業の動き、 産業構造の変化、地域経済における中小企業の位置づけなど、中小企業を取り巻く 経営環境と構造変化を、白書統計の読み方とあわせて押さえます。