企業経営理論 R06年度 第38問

第38問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。  消費者市場の分析は、企業が適正な製品を、適正なタイミングや方法で、適正な ターゲット顧客に販売するために不可欠である。企業は、消費者を取り巻く社会文 化的要因や個人的要因を分析することによって、各消費者に適したマーケティング の実現を目指している。

設問1

文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. グローバル市場参入における標準化と適応化の決定においては、日本製とい う原産国イメージを利用する場合には、標準化のマーケティングが実施され、 原産国イメージを利用しない場合には、現地の消費者に及ぼす社会制度や文化 などの分析に基づく適応化のマーケティングが実施される。
  2. 社会階層は、人種や宗教などが多様な国や地域のセグメンテーションでは有 効な変数であるが、日本においてはセグメンテーションの変数として有効では ない。
  3. 準拠集団の影響をイノベーションの普及理論に当てはめてみると、オピニオ ンリーダーは早期少数採用者として新製品の普及に影響を与え、インフルエン サーは後期多数採用者として当該製品の普及に大きな影響を与える。
  4. 消費に関する他者の影響を説明する理論には、他者の消費行動が欲求を増大 させるスノッブ効果、他者の消費行動が欲求を低下させるバンドワゴン効果、 値段が高いことが欲求を増大させるヴェブレン効果などがある。
  5. デモグラフィック変数には、性別、年齢、年収、社会的地位、ライフステー ジが含まれ、サイコグラフィック変数には、趣味、価値観、関与、ライフスタ
  6. ルが含まれる。

設問2

文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 過去の経験や知識、自己との関連性などに基づき膨大な商業的情報に対して 選択的に注意を向けるという知覚機能は、無意識に働きかける情報に対しては 働かない。そのため、サブリミナル広告は製品のブランド化に大きな影響を与 える。
  2. 消費者の関与水準とブランド間の知覚差異によって購買行動を分類したアサ
  3. ルによると、バラエティ・シーキングが最も起こりやすいのは、関与が低 く、ブランド間の知覚差異が大きい場合である。
  4. 消費者の購買意思決定に影響を与える記憶では、一時的に情報を保持する手 続き的記憶と、情報の保持期間が長く、一生にわたり潜在的に保持されるエピ ソード記憶や意味記憶の役割が明らかにされている。
  5. 製品が魅力的に見えたりそうでなかったりすることに、天気や店舗の雰囲気 といった、製品とは無関連な原因から生じている感情が影響を及ぼすことがあ る。同化効果と呼ばれるこのような現象は、感情が生じている原因を消費者が 正しく認識している場合には見られない。
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=オ、設問2=イ

消費者市場分析(社会文化的要因・個人的要因/消費者行動)の論点。

設問1(社会文化的要因)

  • ア(×):標準化/適応化の決定は原産国イメージの利用有無で機械的に決まるものではなく、市場特性やコスト等を総合的に判断する。記述が不適切。
  • イ(×):社会階層は日本においてもセグメンテーション変数として有効でありうる。「有効でない」と断定するのは誤り。
  • ウ(×):イノベーション普及理論との対応づけが恣意的で、オピニオンリーダー=早期少数採用者、インフルエンサー=後期多数採用者という固定的対応は不正確。
  • エ(×):スノッブ効果(他者と同じものを避け需要が減る)とバンドワゴン効果(他者に同調し需要が増える)の説明が逆になっており誤り。
  • オ(○):デモグラフィック変数(性別・年齢・年収・社会的地位・ライフステージ等)とサイコグラフィック変数(趣味・価値観・関与・ライフスタイル等)の区分が正しい。適切。

設問2(個人的要因・消費者心理)

  • ア(×):サブリミナル広告の効果は科学的に確立されておらず、「製品のブランド化に大きな影響を与える」とは言えない。記述が不適切。
  • イ(○):アサエルの購買行動類型では、関与が低くブランド間の知覚差異が大きい場合に「バラエティ・シーキング(多様性追求)」が最も起こりやすい。適切。
  • ウ(×):一時的に情報を保持するのは手続き的記憶ではなく短期記憶(作業記憶)。記憶の分類の説明が誤り。
  • エ(×):同化効果の説明が不正確で、「原因を正しく認識している場合には見られない」という条件づけも適切でない。

よって、設問1は 、設問2は

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