企業経営理論 H26年度 第29問

第29問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 美容院を営む一家で育ったP 氏は、美容専門学校に進学して美容師になった兄・ 姉とは異なり、高校卒業後、ある大学で企業経営理論を学んだ。大学卒業後、P 氏 は消費財メーカーでの営業やマーケティング調査部署などにおける数年間の勤務を 経て、両親が経営する ① フランチャイズ方式による美容院の成長を支援するために基 幹スタッフとして入社した。そこで、P 氏は将来の美容院チェーン経営者にとって 不可欠な ② サービスやサービス・マーケティングについて、フランチャイズ方式での 事業拡大の構想と関連付けながら学ぶことにした。 ?

設問1

@ 文中の下線部①に示す「フランチャイズ方式」に関する記述として、最も適切な ものはどれか。

  1. P 氏の兄と姉はともに美容師であり、資格取得後、家業の美容院に勤務して いたが、法人を設立して独立するにあたってこの美容院とフランチャイズ契約 を結び、第一号のフランチャイザー、つまり加盟店となった。
  2. P 氏は将来的に美容院事業の国際展開も視野に入れているが、国境を越えた フランチャイズ・システムの導入はサービス業においては先例がみられないた め、代替的な参入様式を検討している。
  3. 加盟店から確実に一定額のロイヤルティを徴収するためには、粗利益分配方 式を導入することが適切である。
  4. フランチャイズ方式とは、一般的に一定の資金の制約のもとでのスピーディ ーな多店舗化を達成するための手段のひとつである。 DKJC-1C ?

設問2

@ 文中の下線部②に示す「サービスやサービス・マーケティング」に関する記述と して、最も適切なものはどれか。

  1. P 氏は加盟店を募集するにあたって、事前の生産と在庫ができないというサ ービス固有の問題を、本部による継続的なカット・シャンプーの技能講習を通 して有効に解決できる点を訴求している。
  2. サービス・マーケティングのマネジメントでは、有形財の4Ps にpeople を 加えた5Ps で考えることが通常である。
  3. サービス・マーケティングをめぐる課題のひとつはサービスの無形性に対し て可視的な属性を付加していくことであるが、フランチャイズ方式の導入によ ってこの問題の解決を図ることは極めて難しい。
  4. フランチャイズ方式を通じて大学のキャンパスや空港など新たなタイプの立 地における加盟店の獲得を目指す場合には、チェーン全体の中で価格やサービ ス内容の柔軟性を獲得することが可能となる。 DKJC-1C ?

設問3

@ 文中の下線部②に示す「サービスやサービス・マーケティング」に関する記述と して、最も適切なものはどれか。

  1. サービス業においては、従業員が顧客に対して全力で尽くすことはもちろ ん、顧客こそが価値を共につくるパートナーであるという認識をもつことが重 要である。
  2. サービスの特性のひとつに「非均質性」がある。この問題を解決するための適 切な方法が、顧客に対する来店ポイント付与制度である。
  3. 従業員の組織に対する当事者意識の水準が高い企業の間では、顧客が知覚す る価値が低くなる傾向が、近年の研究によって明らかにされている。
  4. 美容院の顧客から寄せられる主な不満は「カットした後、しばらくすると、 髪型が崩れてしまう」というものである。このような消費による価値の消滅は サービスに固有の性格であり、有形財には当てはまらない。 DKJC-1C
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正解: 設問1 設問2 設問3

解答:設問1=エ、設問2=エ、設問3=ア

〔フランチャイズ方式とサービス・マーケティング〕

設問1(フランチャイズ方式):正解エ

  • ア(×):加盟店は「フランチャイジー」であり、本部が「フランチャイザー」。加盟店をフランチャイザーと呼ぶ点が誤り。
  • イ(×):国境を越えたフランチャイズ・システムはサービス業でも数多く先例があり(外食・小売等)、「先例がみられない」とする点が誤り。
  • ウ(×):ロイヤルティを確実に一定額徴収するなら定額方式が適切で、粗利益分配方式は変動的。「確実に一定額」と整合せず誤り。
  • エ(○):フランチャイズは、限られた自己資金の制約下でスピーディーに多店舗展開を実現する手段の一つであり、定義として正しい。

設問2(サービス・マーケティング):正解エ

  • ア(×):技能講習で解決を図っているのは品質の標準化(非均質性への対応)であり、「事前の生産・在庫ができない(消滅性)」という問題の解決にはならない。誤り。
  • イ(×):サービス・マーケティングの拡張は4Psに people・process・physical evidence を加えた「7Ps」が一般的。5Psとする点が不正確で誤り。
  • ウ(×):フランチャイズ方式による標準化された店舗・サインなどは、無形性に可視的属性を付加する有効な手段。「極めて難しい」とする点が誤り。
  • エ(○):大学キャンパスや空港など新タイプ立地での展開は、フランチャイズ全体の中で価格やサービス内容の柔軟性を獲得する契機となりうる、という記述が公式正解(エ)。

設問3(サービス・マーケティング):正解ア

  • ア(○):顧客を価値を共創するパートナーととらえる(価値共創)視点は、現代のサービス・マーケティングの考え方として適切。
  • イ(×):来店ポイント付与は非均質性(品質のばらつき)の解決策ではない。誤り。
  • ウ(×):従業員の当事者意識(従業員満足)が高い企業ほど顧客知覚価値は高まる傾向にある。低くなるとする点が誤り。
  • エ(×):消費による価値の消滅は確かにサービスの特性だが、「有形財には全く当てはまらない」と断定する点が言い過ぎで不適切。

よって 設問1=エ、設問2=エ、設問3=ア

#技術経営・イノベーション#組織構造#マーケティング戦略#製品・ブランド戦略#消費者行動

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