企業経営理論 H21年度 第27問

第27問

数多くのブランドを展開する中堅アパレル・メーカーのC 社では、各ブランド のプロモーション活動が局地的に実施されてきたことが理由で、企業理念と各ブラ ンドの戦略が結びつかない状況に陥り、その結果、顧客離れが進んでしまった。こ の状況を打破するために、同社は、統合マーケティング・コミュニケーション (IMC)の視点の導入を図っている。IMC に関する以下の記述のうち、最も不適切 なものはどれか。

  1. IMC のアプローチは、顧客関係性に重点を置いているため、そのコミュニ
  2. ーション目的は、市場占有率だけでなく、顧客シェア、つまり顧客の生涯価値 の重要性に着目する。
  3. IMC の枠組みでは、コミュニケーション投資の効果、つまり投下資本回収率 の計測を重視しているが、現実にはこれを測定することは非常に難しい。
  4. IMC は伝統的な広告と同様、送り手から受け手に対する一方通行のコミュニ
  5. ーションであることに変わりはないが、顧客起点である点と、顧客を含むス テークホルダーへの配慮に重点を置いている点がユニークな特徴である。
  6. 広告、販促、広報のいずれもが、企業の発信するコミュニケーション活動であ り、これらは企業理念、企業戦略、事業戦略、ブランド戦略の中で一貫性をも ち、いわば「ひとつの統一されたメッセージ」で結びつけられることが欠かせな い。
  7. 伝統的なマーケティング・コミュニケーションでは、一定の期間に集中的にコ ミュニケーション投下を行っていたが、IMC では複数のプロモーション・ミッ
  8. ス要素を組み合わせて断続的な働きかけを行っていく。 ― 35― ◇M3(557―83)
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:ウ

統合マーケティング・コミュニケーション(IMC)に関する出題。「最も不適切」型なので、正解=誤った記述を選ぶ。

  • ア(○):IMCは顧客関係性に重点を置くため、コミュニケーション目的は市場占有率だけでなく顧客シェア(顧客の生涯価値、LTV)の重要性に着目する。正しい。
  • イ(○):IMCはコミュニケーション投資の効果(投下資本回収率)の計測を重視するが、現実にはその測定が非常に難しいのも事実。正しい。
  • ウ(×:最も不適切=正解):IMCの特徴は、伝統的広告のような送り手から受け手への一方通行ではなく、顧客起点で**双方向(インタラクティブ)**のコミュニケーションを重視し、顧客を含むステークホルダーへ配慮する点にある。「一方通行であることに変わりはない」は誤り。
  • エ(○):広告・販促・広報はいずれも企業の発信するコミュニケーション活動であり、企業理念・企業戦略・事業戦略・ブランド戦略の中で一貫性をもって「ひとつの統一されたメッセージ」で結びつけられることが欠かせない。IMCの中核思想。正しい。
  • オ(○):伝統的コミュニケーションが一定期間に集中投下していたのに対し、IMCは複数のプロモーション・ミックス要素を組み合わせて継続的・断続的に働きかける。正しい。

よって最も不適切なものは

#経営戦略・全社戦略#企業統治・CSR#マーケティング戦略#製品・ブランド戦略#プロモーション

← 企業経営理論の一覧へ戻る