企業経営理論 H21年度 第17問

第17問

イノベーションを目的とするアライアンス関係の代表的な形態には、下請関係、 ライセンシング、コンソーシアム、ジョイントベンチャーなどがあり、それぞれ長 所と短所を持っている。これらのアライアンス関係に関する記述として最も適切な ものはどれか。

  1. ンソーシアムは、基礎研究のように不確実性の高い場合に、複数の企業が共 同出資することで投資リスクを低くする効果を持っているが、コンソーシアム解 散後の企業間の差別化が困難になるという問題を持つ。
  2. 下請関係は製品製造コストの削減には有効であるが、新製品の開発や技術革新 については取引コストが高くついてしまう。
  3. ジョイントベンチャーは、比較的長期にわたり同質的な技術をもつ企業同士が 提携することであるが、組織文化の対立などによってコントロールを失う可能性 もある。
  4. ライセンシングは、短期間に技術を獲得するのに有効であるが、獲得した技術 を自社が自由に利用する権利が制約されるリスクがある。 ― 24― ◇M3(557―72)
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正解:

解答:エ

イノベーションを目的としたアライアンス(下請関係・ライセンシング・コンソーシアム・ジョイントベンチャー)の長所と短所を問う。「最も適切」型なので、説明が正確な選択肢を選ぶ。

  • ア(×):コンソーシアムが複数企業の共同出資により基礎研究などの投資リスクを低減する効果を持つ点は正しい。しかし「解散後の企業間の差別化が困難になる」とは一般化できない。コンソーシアムは共同研究の成果を各社が持ち帰り、それぞれの製品開発で差別化を図る形態であり、差別化困難を本質的問題とする記述は不適切。
  • イ(×):下請関係が製造コスト削減に有効である点は正しいが、「新製品の開発や技術革新については取引コストが高くつく」という断定が不適切。継続的・長期的な下請(系列)関係はむしろ取引コストを低減し、すり合わせによる共同開発を促進しうる。短所を取引コストの高さに帰すのは誤り。
  • ウ(×):ジョイントベンチャーは出資・経営資源を持ち寄って新事業体を設立する形態で、必ずしも「同質的な技術をもつ企業同士」の提携に限られない(異質な資源の補完が目的のことも多い)。「比較的長期にわたり同質的な技術をもつ企業同士の提携」という限定が不正確。組織文化の対立でコントロールを失う点のみは正しい。
  • エ(○):ライセンシングは他社の技術・特許の使用許諾を受けることで、自社開発を経ずに短期間で技術を獲得できる長所がある。一方、ライセンス契約には利用範囲・期間・地域・再実施などの制約が付されるため、獲得した技術を自社が自由に利用する権利が制約されるという短所を伴う。長所・短所の双方を正確に記述しており適切。

よって

#競争戦略#経営資源・RBV#技術経営・イノベーション#M&A・提携#組織理論・コンティンジェンシー

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