企業経営理論 H21年度 第12問

第12問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 高度な技術が複雑にかかわる現代のイノベーションにおいて、外部からイノベー ションに必要な知識や情報を獲得することが不可欠である。しかし、イノベーショ ンに有用な情報を、リードユーザーと呼ばれる顧客がもっている場合、 そのような 情報はしばしば粘着性(stickiness)が高く、入手することが困難である。このよう な外部からの知識や情報を理解し活用するためには、高い 吸収能力(absorptive capacity)が必要である。 (設問) 文中の下線部にある粘着性の高い情報を獲得する方法に関する記述として、 最も適切なものはどれか。

  1. LAN などの情報システムへ投資し、従業員間で情報の共有がスムーズに行 われるようにする。
  2. ンターネットなどの検索エンジンを活用して、広い範囲から技術情報を獲 得する。
  3. 顧客が生産活動や消費活動を行っている現場に技術者や営業員を行かせ、対 面形式の会話を通じて入手する。
  4. ンサルタントや広告代理店を通じてマーケティング調査を行い、統計的に 意味ある情報を入手する。
  5. 最先端の技術情報が掲載されている学会誌や業界雑誌などをレビューする専 門の部門を配置する。 ― 18― ◇M3(557―66) (設問) 文中の下線部に関して、外部からの知識や情報を理解し活用するために必要 な吸収能力を獲得するために、有効な手段として最も適切なものはどれか。
  6. 広告宣伝活動
  7. サプライチェーンマネジメント
  8. 自社の研究開発投資
  9. 市場調査
  10. 従業員満足度の向上 ― 19― ◇M3(557―67)
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正解:

解答:ウ

〔設問1:粘着性(stickiness)の高い情報を獲得する方法として最も適切なもの〕 情報の粘着性とは、フォン・ヒッペルのいう、情報をある場所から別の場所へ移転するコストの高さを指す。リードユーザーが現場で保持する暗黙知的な情報は、明文化・伝達が難しく、移転コスト(粘着性)が高い。こうした情報は、情報の所在する現場に出向き対面で直接やり取りすることで初めて獲得できる。

  • ア(×):LAN等への投資による社内の情報共有は、すでに社内にある情報の流通の話で、外部の粘着性の高い情報の獲得にはつながらない。
  • イ(×):検索エンジンで得られるのは形式知化・公開済みの情報であり、粘着性の高い暗黙知の獲得には不向き。
  • ウ(○):顧客が生産・消費を行う現場に技術者や営業員を派遣し、対面の会話を通じて入手する。粘着性の高い情報を獲得する方法として最も適切。
  • エ(×):コンサルや広告代理店経由の統計的マーケティング調査では、現場固有の粘着性の高い情報は捉えにくい。
  • オ(×):学会誌・業界誌のレビューは形式知化された公開情報の収集であり、粘着性の高い情報の獲得には当たらない。

よって

#技術経営・イノベーション#組織文化・組織学習#労働関連法規#マーケティング戦略#プロモーション

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