第12章 商品コードと流通情報システム

この章のねらい 「運営管理(店舗・販売管理)」の後半、情報システム分野の中心となる章です。 レジで「ピッ」と鳴るあのバーコードから、その裏側で動くPOS・在庫データ、 さらに企業どうしがネットで受発注をやり取りするEDIまで―― モノに番号を付け(商品コード)、その番号で情報を流す(流通情報システム)という 一本の流れを頭に入れます。

過去問での出方:この分野は毎年3〜4問という、運営管理でも屈指の"常連"です。 とくに JANコード/GTIN(商品コード) は almost 毎年、EDI・電子タグ(RFID)・二次元コード も 数年おきに必ず顔を出します。細かい数字(桁数・国コード・プレフィクスなど)を問う 知識問題が中心なので、用語と数字を正確に覚えれば得点源になります。 逆に、うろ覚えだと引っかけ選択肢にやられます。この章で"数字ごと"押さえましょう。


12-0 この章の地図

この章は「番号を付ける」→「その番号でレジ・在庫を管理する」→「企業間でデータを流す」 →「番号を機械に読ませる技術」という順に進みます。全体像はこうです。

12-1 商品コード(JAN/GTIN)   … モノに世界共通の「背番号」を付ける
   │   ・JANコード(標準13桁/短縮8桁)
   │   ・GS1事業者コード・インストアコード
   │   ・GTIN-8/12/13/14・GS1アプリケーション識別子(AI)
   ▼
12-2 POSシステムとID-POS       … レジ通過データで「単品管理」する
   │   ・PLU方式/NonPLU方式
   │   ・ID-POS・バスケット分析(支持度・信頼度)
   ▼
12-3 EOS・EDI                  … 企業どうしが受発注データを交換する
   │   ・個別EDI→Web-EDI→流通BMS
   │   ・ASN・中小企業共通EDI
   ▼
12-4 自動認識                  … 番号を機械に読み取らせる技術
       ・バーコード(1次元)/二次元コード(QR)
       ・RFID(電子タグ)・EPC

キーワードは「GS1(ジーエスワン)」。世界共通の流通コードを管理する国際機関で、 JANコードもGTINもGS1標準の一部です。この章は「GS1が決めたルールの復習」とも言えます。


12-1 商品コード(JANコード・GTIN)★最重要

まず「JANコード」とは

JANコード(Japanese Article Number)とは、ひとことで言えば

どの事業者の・どの商品かを表す、世界共通の商品識別番号」

です。商品パッケージに印刷されているあの縦じまのバーコード(JANシンボル)の"中身の数字"がJANコードです。 国際的には EAN(欧州)、UPC(米国)と呼ばれ、いまはGS1が定める GTIN(後述)に統合されています。

⚠️ 混同注意:「コード」と「シンボル」は別物 - JANコード=13桁などの数字そのもの(意味を持つ番号) - JANシンボル=その数字をバーコードの縞模様に変換した絵(機械が読む形) 試験でも「コード(数字)」と「シンボル(バーコード)」を言い分けています。

JANコードには2種類ある(桁数を暗記!)

種類 桁数 どんなとき
標準タイプ 13桁 通常の商品(ほとんどがこれ)
短縮タイプ 8桁 小さくてスペースが足りない商品

📝 過去問はこう出る(R02 第39問) 「JANコードには標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(11桁)がある」→ バツ。 短縮タイプは 8桁 です(11桁ではない)。ここは頻出の引っかけ。 また「JANコードは日本国内のみで通用する」もバツ(GS1標準で世界共通)。 正解は「JANコード標準タイプ(GTIN-13)は①GS1事業者コード、②商品アイテムコード、 ③チェックデジットで構成される」。 → R02 第39問

標準タイプ(13桁)の中身

13桁は、次の3つのパーツからできています。

  4 9 x x x x x x x x x x C
  └─┬─┘ └────┬────┘ └┬┘
  GS1事業者コード  商品アイテム  チェック
  (国コード含む)   コード      デジット
   ↑先頭2桁が国コード(日本は 45 または 49)
  • GS1事業者コード:「どの事業者か」を表す部分。GS1(日本ではGS1 Japan/流通システム開発センター)が 各事業者に貸与します。先頭の国コード(プレフィックス)を含み、日本は「45」または「49」で始まります。
  • 商品アイテムコード:「その事業者のどの商品か」を表す部分。事業者が自分で商品ごとに割り当てます。
  • チェックデジット:読み取り誤りを検出するための検算用の1桁(計算で自動的に決まる)。

⚠️ 国コード=「原産国」ではない!(H21 第35問) 先頭の国コードは、コードを登録・管理した国(=事業者の所在国)を表すもので、 製品の原産国(作られた国)を表すものではありません。 「日本の45/49で始まるが中国で製造」もあり得ます。ここは超定番の引っかけです。

💡 番号は"使い回される"ことがある(H21 第35問 選択肢エ) 1事業者に割り当てられる商品アイテムコードの桁数には上限があるため、 長い年月で番号が一巡し、過去とは別の商品に同じコードが付くことがあります。

ソースマーキング と インストアマーキング

バーコードを「いつ・誰が」付けるかで2種類あります。

用語 誰が付ける いつ 中身
ソースマーキング メーカー(製造元) 製造・出荷段階で印刷 正式なJANコード(45/49〜)
インストアマーキング 小売店 店内で貼付 インストアコード(後述)
  • 生鮮食品や量り売り商品など、メーカーがバーコードを付けられない商品は、小売店が店内で付けます。

インストアコード(社内だけで使う番号)

インストアコードとは、GS1事業者コードが設定されていない商品に、 小売店が社内管理のためだけに自由に付ける番号です。

  • 先頭部分(国コードに当たる位置)に 「20〜29」(または02)を用います。 この番号帯は「店内限定」の予約席で、他店・他社では通用しません。

📝 過去問はこう出る(R05 第37問) 「GTIN-13が設定されていない商品に、事業者が社内管理のため、国コードに当たる部分に 20〜29を用いて設定するコードをインストアコードという」→ これが正解(○)。 一方、「日本のGS1事業者コードは先頭2桁が45・47・49」はバツ(47は日本ではない。45か49)。 「GTINは GTIN-8/GTIN-10/12/13/14 の5種類」もバツ(GTIN-10は存在せず、4種類)。 → R05 第37問

GTIN(ジー・ティン)― 商品コードの"総称"

GTIN(Global Trade Item Number=国際取引商品番号)とは、 JAN・EAN・UPCなどをGS1が世界共通に統合した商品識別コードの総称です。 桁数によって次の4種類があります(GTIN-10は存在しないのがポイント)。

種類 桁数 中身・用途
GTIN-8 8桁 JAN短縮タイプ
GTIN-12 12桁 米国のUPC
GTIN-13 13桁 JAN標準タイプ(一番よく使う)
GTIN-14 14桁 集合包装用(段ボール箱など)

GTIN-14 とインジケータ(集合包装用)

同じ商品を段ボール箱でまとめた集合包装には、個品のGTIN-13の先頭に1桁足して14桁にした GTIN-14を使います。この足す1桁をインジケータと呼びます。

 GTIN-13(個品)    :   4 9 x x x x x x x x x x C
                          ↓ 先頭にインジケータ1桁を追加
 GTIN-14(集合包装):  I 4 9 x x x x x x x x x x C'
                       └┬┘                      └┬┘
                    インジケータ            チェックデジットは再計算
                     (1〜8)               (末尾も変わる!)
  • インジケータ1〜8(実務上1〜9)の数字1桁で、入数や荷姿を区別するために使います。 0や英小文字a〜zは使いません(R02 第39問の引っかけ)。
  • 大事なのは、GTIN-13→GTIN-14で「変わるのは先頭1桁だけ」ではないという点。 末尾のチェックデジットも再計算されて変わります(R05 第37問の引っかけ)。

GS1アプリケーション識別子(AI)

商品コードだけでなく、製造日・賞味期限・ロット番号・数量などの"属性情報"も バーコードに載せたい――そのための仕組みが GS1アプリケーション識別子(AI) です。

  • AIは「次に続くデータが何を表すか」を示す2桁以上の番号で、カッコ付きで書きます。 例:(01)=商品識別コード(GTIN)、(11)=製造日、(17)=賞味期限。
  • AIを使うバーコードの代表が GS1-128(旧UCC/EAN-128)や GS1データマトリックス/GS1 QRコード

📝 過去問はこう出る(R04 第38問/H20 第41問) R04 第38問:AIはGS1が定めたグローバル標準なので、正解は 「国内に限らず輸出入など海外との取引でもそのまま利用できる」。 「固定長のみ」(×可変長もある)、「漢字・かなも扱える」(×言語非依存の数字・英数字のみ)、 「QRコードでは使えない」(×GS1 QRコードでも使える)はすべて引っかけ。 H20 第41問:GS1-128(AI)で表示できないものを選ぶ問題。答えは販売価格や商品名。 顧客発注番号・SSCC(梱包番号)・製造日・賞味期限・ロット番号などは表示できます。 → R04 第38問H20 第41問

💡 新しいGTINを設定すべき?(R06 第39問) GS1の「GTIN設定ガイドライン」では、別商品として受発注・管理する必要が生じる変更 (新商品、ブランド変更、内容量変更など)には新GTINを設定します。 一方、従来品と分けて受発注しない軽微な変更(期間限定の包装違いなど)は新GTIN不要。 → R06 第39問


12-2 POSシステムとID-POS

POSシステムとは

POS(Point Of Sales=販売時点情報管理)とは、

「レジで商品が売れたその瞬間に、何が・いくつ・いくらで売れたかを記録・集計する仕組み」

です。レジ(POSレジ)でJANシンボルを読み取ると、店内の商品マスタ(価格や商品名の一覧表)を参照して 価格を表示し、同時に販売データを蓄積します。

POSの狙いは「単品管理」

POS最大の効果は、単品(アイテム)ごとに販売動向をつかむ「単品管理」ができることです。

  • どの商品が売れ筋か・死に筋かが分かる → 発注・品揃えの判断材料になる(ABC分析などへ)
  • レジ精算のスピードアップ・打ち間違い防止(チェッカーの省力化
  • 値段はマスタから呼び出すので、商品自体への値付け(値札貼り)が省ける

PLU方式 と NonPLU方式(頻出)

「価格をどこから持ってくるか」で2方式に分かれます。

方式 読み 価格はどこ? 使う場面
PLU方式 Price Look Up バーコードには価格を含めず、店内マスタから呼び出す 通常のソースマーキング商品
NonPLU方式 ノンPLU バーコード(インストアコード)の中に価格を直接埋め込む 生鮮・量り売りなど、個々に価格が違う商品
  • PLU=「コードで価格表を引く(Look Up)」→ バーコードに値段は入っていない。
  • NonPLU=「価格を引かない=コードの中に値段が入っている」。量り売りのように 一つひとつ値段が違う商品に向きます。

📝 過去問はこう出る(H23 第42問) 正解(=不適切)は「プレフィックス20〜29・02が用いられる場合は、JANシンボルの中に 売価が必ず表示されている」→ バツ。20〜29はインストアコードで、PLU型・NonPLU型の どちらもあり得るので「必ず売価が入っている」とは言えません。 「生鮮の量り売りはNonPLUが多い」「印刷済み商品は売価を含まないPLUを使う」は正しい。 → H23 第42問

ID-POS(誰が買ったかも分かるPOS)

従来のPOSは「何が売れたか」しか分かりませんでした。ここに会員カード・アプリ等の顧客IDを 結び付けたのが ID-POS です。「誰が・何を・いつ買ったか」まで分かるので、 一人ひとりに合わせた販促(CRM)や、優良顧客(ロイヤルカスタマー)の分析に使えます。

バスケット分析(アソシエーション分析)

バスケット分析とは、「一緒に買われる商品の組み合わせ」を探す分析です (例:おむつとビールが一緒に買われる、など)。代表的な指標が支持度信頼度です。

  • 支持度(サポート)=全体のうち「AとBの両方を買った人の割合」 → 「その組み合わせがどれだけ多く起きているか」
  • 信頼度(コンフィデンス)=「Aを買った人のうちBも買った人の割合」 → 「Aを買ったらどれだけBも買うか」

📝 過去問はこう出る(H29 第40問) ID-POSデータ:商品A購入=200人、商品B購入=250人、A・B両方=100人(全1,000人)。 「Aを買った人の何%がBを買うか」=信頼度(コンフィデンス)。 計算は 100人 ÷ 200人 = 50%(設問2の正解)。 ちなみに支持度なら 100÷1,000=10%。分母が違う点をしっかり区別しましょう。 → H29 第40問

💡 覚え方信頼度は分母が「Aを買った人」支持度は分母が「全員」。 「AならばB」の"矢印の根元(A)"を分母にするのが信頼度、と覚えると混乱しません。


12-3 EOS・EDI(企業間のデータ交換)

EOS と EDI

  • EOS(Electronic Ordering System=電子発注システム):小売店から卸・メーカーへ、 オンラインで発注データを送る仕組み。もっぱら「発注」に使います。
  • EDI(Electronic Data Interchange=電子データ交換):企業間で、受発注に限らず 出荷・請求などの取引データを、標準的な規約に基づいて電子的にやり取りする仕組み。 EOSより広い概念です。

⚠️ 混同注意EOS=発注に特化EDI=取引データ全般の交換。EOSはEDIの一部と考えると整理できます。

EDIには「4つの規約(取り決め)」がある

EDIは、企業どうしが誤解なくデータをやり取りするため、次の4レベルで取り決めます。 (試験では細かくは問われませんが、"標準化された約束事"だと押さえればOKです)

  • 情報伝達規約(通信手順)/情報表現規約(データの形式)/ 業務運用規約(運用ルール)/取引基本規約(法的な基本契約)

EDIの発展:個別EDI → Web-EDI → 流通BMS

EDIは、次のように"つなぎ方"が進化してきました。ここはストーリーで覚えるのが得策です。

① 個別EDI(専用線・1対1)
     ↓ 受注者は取引先ごとに専用端末が必要 →【多端末問題】
② Web-EDI(インターネット・1対多)
     ↓ 発注者ごとに画面・仕様がバラバラ    →【多画面問題】
③ 流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)
     … データ形式そのものを標準化して"バラバラ"を解消
  • 個別EDI:専用線やISDNで1対1に結ぶ従来型。高額な設備投資が必要で、大企業間にしか普及しませんでした。 受注者は取引先ごとに端末を用意する必要があり、端末が乱立する多端末問題が起きました。
  • Web-EDI:2000年頃、インターネット普及とともに登場。パソコンとブラウザがあれば使え、 「発注者1対受注者多数」で普及しました。ただし発注者ごとに画面・データ形式がバラバラで、 受注者が複数の画面を使い分ける多画面問題が生じました。
  • 流通BMS(Business Message Standards):メッセージ(データの中身)を業界標準に統一し、 バラバラ問題を解消した新しい標準。XMLなどを用います。

📝 過去問はこう出る(R03 第41問) 「中小企業共通EDI標準」の制定経緯の穴埋め。正解は A=個別EDI/B=多端末(問題)/C=Web-EDI/D=多画面(問題)多端末問題(受注者側の端末乱立)と多画面問題(画面・仕様のバラバラ)の区別が急所です。 → R03 第41問

XML-EDI と Web-EDI の違い

  • Web-EDI:Web画面に人が手入力するタイプ。導入は容易だが、受注者は取引先ごとに画面が異なり煩雑。
  • XML-EDI:構造化されたXML形式のデータを、システムどうしが自動で交換するタイプ。 自社システムと連携でき、受発注業務の負担軽減が期待できます。

📝 過去問はこう出る(H26 第39問) XML-EDIの正しい説明は「ファイル(データ)転送を自動化でき、受発注業務の負担軽減が期待される」。 「Web画面を通じたやりとり」「自社システムと連携できない」はWeb-EDIの話であって、XML-EDIの説明ではありません。 → H26 第39問

💡 e-mail EDI/オープンEDI(H23 第40問) - e-mail EDI:電子メールにファイルを添付してデータ交換する形態。 - オープンEDI:企業固有の独自仕様ではなく、標準的な取引規約を用いて相互運用できるEDI。 H23第40問の正解は「伝票のOCR電子化もEDIの一形式」+「メール添付=e-mail EDI」の組み合わせ。 → H23 第40問

ASN(事前出荷明細)と検品の効率化

ASN(Advanced Shipping Notice=事前出荷明細データ)とは、 納入側が出荷前に「何を・いくつ送るか」を小売側へ電子的に事前送信するデータです。 小売側は届く前に検収予定を把握でき、入荷検品を大幅に効率化できます。

  • 段ボール等に貼るSCMラベル(Shipping Carton Marking)や、 集合包装のケースに印刷するITFシンボルとASNを照合し、検品を素早く行います。

📝 過去問はこう出る(H22 第38問) 空欄補充の正解は A=ASN(事前出荷明細)/B=SCMラベル/C=ITFシンボル。 「B=BMS」「A=SKU」などは別概念(BMSは通信規約、SKUは在庫管理単位)で引っかけです。 → H22 第38問

💡 JEDICOS(流通標準EDI)の"向き"(H25 第40問) 小売から卸・製造へ発信されるのは、発注データ・品切情報・返品データ。 逆に在庫情報・商品マスター情報は、卸・製造から小売へ提供される情報です。 「どっち向きの情報か」で判断します。 → H25 第40問


12-4 自動認識技術(バーコード・二次元コード・RFID)

「番号を機械に読み取らせる」技術(自動認識/Auto-ID)を整理します。大きく3世代あります。

① 1次元シンボル(バーコード)   … 横方向だけに情報。JAN・ITF・GS1-128
② 2次元シンボル(二次元コード) … 縦横に情報。QRコード・GS1 QR・データマトリックス
③ RFID(電子タグ)            … 無線でICチップを読む。非接触・複数同時

1次元シンボル(バーコード)と2次元シンボル

1次元(バーコード) 2次元(QRコードなど)
情報を持つ方向 横方向のみ 縦・横の両方
情報量 少ない 多い(URL等も格納可)
JANシンボル、ITF、GS1-128 QRコード、GS1 QRコード、データマトリックス
  • 2次元コードは情報量が大きいので、Webサイトへの誘導(商品情報・キャンペーンページ)などに使えます。

📝 過去問はこう出る(R02 第40問/R01 第38問) R02 第40問(GS1 QRコード):1つのシンボルで比べればGS1 QRコードの方がJANコードより 情報量は大きいこと、GS1 QRコードなら同じブランドのキャンペーンでも消費者を商品個別のサイトへ 誘導できること、などが問われます。 R01 第38問(QRコード決済):客のコードを店舗が読むストアスキャン(CPM)方式と、 店舗の掲示コードを客が読むユーザースキャン(MPM)方式の両方があります(小規模店はMPMが導入容易)。 「日本製スマホでないと使えない」「プリペイド方式しかない」はバツ(後払い=ポストペイもある)。 → R02 第40問R01 第38問

RFID(電子タグ/ICタグ・RFタグ・無線タグ)

RFID(Radio Frequency IDentification)とは、ICチップとアンテナを埋め込んだ電子タグを、 無線(電波)で非接触に読み書きする技術です。バーコードにない次の長所があります。

  • 非接触で読める(レジにかざす/通すだけ、隠れていても読める)
  • 複数同時読み取りができる(カゴの中の全商品を一括で読む)
  • メモリに書き込み・更新ができ、データ保護(セキュリティ)も可能
  • 小型化・薄型化が進み、カード型・ボタン型などの形状がある

一方で弱点もあります。ここが引っかけの定番です。

📝 過去問はこう出る(H28 第40問) 電子タグの説明で不適切(=正解)は「電子タグは金属で被覆しても通常非接触で読み取り可能」。 → バツ。電子タグは金属や水分の影響を受けやすく、金属で覆うと電波が妨げられ読み取りが困難になります。 「ICチップにメモリを搭載」「セキュリティ強化が可能」「無線で非接触」「カード型・ボタン型がある」は正しい。 → H28 第40問

EPC(電子タグの識別コード)

電子タグに書き込む識別コードの総称が EPC(Electronic Product Code)です。 GS1標準コードをベースにするので、既存のバーコード(GTIN)体系と整合します。

  • GTIN(商品識別コード。JANを含む)を基礎に、シリアル番号を付けて1個1個を個別識別できるようにしたのが SGTIN(Serialized GTIN)。「同じ商品でも、この1個」まで区別できるのがRFIDの真価です。
  • ほかに SSCC(輸送梱包=物流単位の識別)、GRAI(通い容器など資産の識別)などがあります。

📝 過去問はこう出る(R03 第42問) 空欄補充の正解は A=EPC/B=GTIN/C=SGTIN。 「EPC(総称)→ 基礎はGTIN → 個体識別はSGTIN」という入れ子の関係を押さえましょう。 SSCCは物流単位、GRAIは資産用で、商品の個体識別には合いません。 → R03 第42問


この章のまとめ(試験直前チェック)

  • JANコード=標準13桁/短縮8桁(短縮を「11桁」とする引っかけに注意)
  • ☐ 13桁=GS1事業者コード+商品アイテムコード+チェックデジット
  • ☐ 先頭の国コード日本=45/49。これは登録国であって"原産国"ではない
  • インストアコード=小売が社内用に付ける番号。先頭に20〜29(他店では通用しない)
  • GTINは総称で 8・12・13・14の4種類GTIN-10は存在しない
  • GTIN-14=集合包装用。先頭にインジケータ(1〜8の数字1桁)を追加、チェックデジットも再計算
  • GS1アプリケーション識別子(AI)=製造日・賞味期限等を載せる仕組み(販売価格・商品名は対象外
  • PLU=価格はマスタ参照(バーコードに価格なし)/NonPLU=価格をコードに埋め込む(量り売り等)
  • ID-POS=顧客IDと結び付いたPOS。バスケット分析信頼度=分母はAの購入者/支持度=分母は全員
  • ☐ EDIの進化:個別EDI(多端末問題)→ Web-EDI(多画面問題)→ 流通BMS(標準化で解消)
  • XML-EDI=システム間で自動交換/Web-EDI=Web画面に手入力
  • ASN=事前出荷明細で検品を効率化(SCMラベル・ITFシンボルと照合)
  • RFID(電子タグ)=無線・非接触・複数同時・書き換え可。ただし金属・水分に弱い
  • ☐ 電子タグの識別コード:EPC(総称)→ GTIN(基礎)→ SGTIN(個体識別)

この章に対応する主な過去問

年度・問 論点 リンク
R02 第39問 GS1事業者コードとJANコード(GTIN)の構成 問題
R05 第37問 商品コード(GTIN)・インストアコード 問題
H21 第35問 JANコード(国コード・ソース/インストア) 問題
R06 第39問 新しいGTIN-13を設定する基準 問題
R04 第38問 GS1アプリケーション識別子(AI) 問題
H20 第41問 GS1-128コードで表示できる情報 問題
H23 第42問 POSのPLU方式・NonPLU方式 問題
H29 第40問 ID-POSバスケット分析(支持度・信頼度) 問題
R03 第41問 中小企業共通EDI(個別EDI→Web-EDI) 問題
H26 第39問 XMLを用いたEDI 問題
H23 第40問 EDI(e-mail EDI・オープンEDI) 問題
H22 第38問 EDIと物流情報システム(ASN) 問題
H25 第40問 流通標準EDI(JEDICOS)メッセージ 問題
R02 第40問 GS1 QRコード(二次元シンボル) 問題
R01 第38問 QRコード決済(CPM・MPM) 問題
H28 第40問 電子タグ(RFID)の特徴 問題
R03 第42問 電子タグの識別コード(EPC・GTIN・SGTIN) 問題

次章予告 ▶ 第13章「物流とロジスティクス」 本章で扱った商品コード・EDI・ASNは、モノを効率よく運ぶ物流の土台でもあります。 次章では、輸配送・保管・荷役・包装といった物流の機能、共同配送やサードパーティ・ ロジスティクス(3PL)、在庫と物流コストの考え方を学びます。