第22問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経済命数がいずれも2 年で初期投資額Iが同一である2 つの投資案AとBがあ る。各投資案の各期のキャッシュフローR1、R2 が以下のように予測されている。 いずれも資本コストは5 %であり、そのときの内部収益率rと正味現在価値NPV が以下のように計算されている。 投資案 I R1 R2 r NPV A -100 万円 10 万円 120 万円 14.7 % 18.4 万円 B -100 万円 100 万円 20 万円 17.1 % 13.4 万円
設問1
投資案Aと投資案Bのどちらを採択するかについて、内部収益率法と正味現在 価値法では結論が異なっている。その理由として、最も適切なものはどれか。
- ア 会計的投資利益率の相違
- イ 回収期間法における回収期間の相違
- ウ 再投資における収益率の相違
- エ 割引キャッシュフロー法であるかないかの相違
設問2
投資案Aと投資案Bのいずれを採択すべきか。①結論と②その根拠を示す計算 方法の組み合わせとして、最も適切なものを選べ。
- ア ①:投資案A ②:差額投資案A-Bを計算し、その内部収益率または正味現在価値を計算 する。
- イ ①:投資案A ②:差額投資案A-Bを計算し、その内部収益率を資本コストとして正味現 在価値を計算する。
- ウ ①:投資案B ②:差額投資案A-Bを計算し、その内部収益率または正味現在価値を計算 する。
- エ ①:投資案B ②:差額投資案A-Bを計算し、その内部収益率を資本コストとして正味現 在価値を計算する。
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正解: 設問1 ウ 設問2 ア
解答:設問1=ウ、設問2=ア
設問1 本問ではIRR(内部収益率法)ではB(17.1%>14.7%)、NPV(正味現在価値法)ではA(18.4>13.4万円)と評価が逆転している。この順位逆転が生じる主因は、両手法が前提とする再投資収益率の相違である。NPV法は途中のキャッシュフローを資本コスト(5%)で再投資すると仮定するのに対し、IRR法はその投資案のIRR自体で再投資すると仮定する。
- ア(×)会計的投資利益率、イ(×)回収期間、エ(×)DCFか否か、はいずれも順位逆転の理由ではない(両手法ともDCF法)。
- ウ(○):再投資における収益率の相違。
設問2 相互排他的投資案で順位が逆転した場合、企業価値最大化の観点からはNPV法を優先し、NPVの大きい投資案Aを採択すべきである。判定方法としては、差額投資案(A−B)のキャッシュフローを求め、その正味現在価値(または内部収益率)を計算する増分分析が正しい。差額投資案A−BのNPVがプラス(=差額IRRが資本コスト超)であればAが有利と判断できる。
- ア(○):①投資案A、②差額投資案A−Bを計算し、その内部収益率または正味現在価値を計算する。
- イ(×)「内部収益率を資本コストとして正味現在価値を計算する」は手法として不適切。
- ウ(×)・エ(×):①が投資案Bで結論が誤り。
よって 設問1=ウ、設問2=ア。