第20問
企業価値評価に関する次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 企業価値評価では、一般的に ① PBR やPER などの諸比率を用いた に代 表されるマーケット・アプローチと呼ばれる手法のほか、企業の期待キャッシュフ ローの割引現在価値によって評価額を推計する ② DCF アプローチ、企業の保有する 資産や負債の時価などから企業価値を評価するコスト・アプローチといった手法も 用いられている。
設問1
; 文中の空欄に入る語句として、最も適切なものはどれか。
- ア 収益還元法
- イ 純資産価額法
- ウ マルチプル法8乗数法;
- エ リアルオプション法
設問2
; 文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア PBR とは、株価を 株当たり売上総利益で除して求められる。
- イ PBR とは、株価を 株当たり売上高で除して求められる。
- ウ PBR とは、株価を 株当たり純資産で除して求められる。
- エ PBR とは、株価を 株当たり当期純利益で除して求められる。 DKJC-1B
設問3
; 文中の下線部②について、以下の問いに答えよ。 A 社の財務データは以下のとおりである。なお、A 社の営業利益は、利息・ 税引前キャッシュフローに等しく、将来も永続的に期待されている。A 社は負 債を継続的に利用しており、その利息は毎年一定である。また、A 社の法人税 率は40 %であり、税引後利益はすべて配当される。負債の利子率が5 %、株式 の要求収益率が9 %であるとき、負債価値と株主資本価値とを合わせたA 社の 企業価値をDCF 法によって計算した場合、最も適切な金額を下記の解答群から 選べ。 (A 社のデータ) 8単位:万円; 営業利益 1,100 支払利息 500 税引前利益 600 法人税8税率:40 %; 240 税引後利益 360 V解答群X
- ア 4,000 万円
- イ 6,000 万円
- ウ 14,000 万円
- エ 14,333 万円 DKJC-1B
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正解: 設問1 ウ 設問2 ウ 設問3 ウ
解答:設問1=ウ、設問2=ウ、設問3=ウ
設問1
マーケット・アプローチは、類似上場企業のPBRやPERといった倍率(マルチプル)を評価対象企業に当てはめて株価・企業価値を推計する手法である。
- ア(×):収益還元法は将来利益を還元利率で割り引くインカム・アプローチ系の手法。
- イ(×):純資産価額法は資産・負債の時価から評価するコスト・アプローチ。
- ウ(○):マルチプル法(乗数法)。PBR・PERなどの倍率を用いるマーケット・アプローチの代表で正しい。
- エ(×):リアルオプション法は事業の選択権の価値を評価する手法で、ここでの空欄には当たらない。
設問2
- ア(×):株価÷1株当たり売上総利益という指標は一般的でない。
- イ(×):株価÷1株当たり売上高はPSR(株価売上高倍率)であり、PBRではない。
- ウ(○):PBR(株価純資産倍率)= 株価 ÷ 1株当たり純資産。正しい。
- エ(×):株価÷1株当たり当期純利益はPER(株価収益率)であり、PBRではない。
設問3
DCF法で企業価値 = 株主資本価値 + 負債価値。永続CFは「CF ÷ 割引率」で資本還元する。
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株主資本価値 = 税引後利益360 ÷ 株式要求収益率0.09 = 4,000万円
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負債価値 = 支払利息500 ÷ 負債利子率0.05 = 10,000万円
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企業価値 = 4,000 + 10,000 = 14,000万円
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ア(×):4,000万円。株主資本価値のみ。
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イ(×):6,000万円。算定基礎の誤り。
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ウ(○):14,000万円。正しい。
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エ(×):14,333万円。割引率等の取り違え。
設問1=ウ、設問2=ウ、設問3=ウ。