第4問
他社と連携を考慮する企業にとって、企業としての独立性を維持し、企業間に緩 やかで柔軟な結びつきをつくるには、戦略的提携が有効な戦略オプションのひとつ である。戦略的提携に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア 企業の評判に悪影響が起こる可能性は、戦略的提携における裏切りのインセン ティブを抑制する要素となる。
- イ 戦略的提携が希少性を有しても、低コストでの代替が可能であれば、その戦略 的提携は持続的な競争優位をもたらさない。
- ウ 戦略的提携によって、新たな業界もしくは業界内の新しいセグメントへ低コス トで参入しようとするのは、企業間のシナジーを活用する試みとなる。
- エ 戦略的提携を構築する際、その主要な課題はパートナーが提携関係を裏切る可 能性を最小化しつつ、提携による協力から得られる恩恵を最大限に享受すること である。
- オ 内部開発による範囲の経済を実現するコストが戦略的提携によるコストよりも 小さい場合、内部開発は戦略的提携の代替とはならない。 DKJC-1C
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正解:オ
解答:オ
バーニー(RBV)の戦略的提携論からの出題。「最も不適切なもの」を選ぶ。提携の裏切り(機会主義)抑制、希少性・模倣困難性(VRIO)、内部開発との代替関係などが論点。
- ア(○):評判への悪影響(評判メカニズム)は、提携相手を裏切ると将来の取引機会を失うため、裏切りのインセンティブを抑制する。適切。
- イ(○):提携が希少であっても、低コストで容易に代替・模倣できるなら持続的競争優位はもたらさない。VRIOの模倣困難性の観点から適切。
- ウ(○):提携を通じて新業界・新セグメントへ低コストで参入するのは、企業間のシナジー(範囲の経済)を活用する試みである。適切。
- エ(○):提携構築の主要課題は、パートナーの裏切りの可能性を最小化しつつ協力からの恩恵を最大化することである。適切。
- オ(×・最も不適切):内部開発で範囲の経済を実現するコストが提携によるコストより「小さい」なら、内部開発の方が有利であり、内部開発は提携の代替(より良い選択肢)となる。記述は「代替とはならない」としており、論理が逆。これが最も不適切。
よって オ。