第1問
ドメインは全社レベルと事業レベルに分けて考えられるが、ドメインの定義なら びに再定義に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア D.エーベル(Abell)の「顧客層」 「顧客機能」 「技術」という次元による事業ドメ
- イ ンの定義では、各次元の「広がり」と「差別化」によってドメインの再定義の選択 ができる。
- ウ 事業ドメインは将来の事業展開をにらんだ研究開発分野のように、企業の活動 の成果が外部からは見えず、潜在的な状態にとどまっている範囲も指す。
- エ 自社の製品ラインの範囲で示すような事業ドメインの物理的定義では、事業領 域や範囲が狭くなってT.レビット(Levitt)のいう「近視眼的」な定義に陥ってし まうことがしばしば起こる。
- オ 全社ドメインの定義によって企業の基本的な性格を確立できるが、製品やサー ビスで競争者と競う範囲は特定できない。
- 単一事業を営む場合には製品ラインの広狭にかかわらず事業レベルの定義がそ のまま全社レベルの定義となるが、企業環境が変化するためにドメインも一定不 変ではない。 ― 1― ◇M3(688―46)
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正解:エ
解答:エ
ドメイン定義は企業の生存領域を規定するもの。全社レベルは「企業全体としての活動範囲・基本性格」、事業レベルは「個々の事業の競争領域」を扱う。選択肢の記号はア〜オに対応する。
- ア(○):エーベルの「顧客層・顧客機能・技術」の3次元による事業ドメイン定義では、各次元の広がり(範囲)と差別化の程度によって再定義の選択肢を構想できる。妥当。
- イ(○):事業ドメインは現に展開中の事業だけでなく、研究開発分野のように成果が外部から見えず潜在状態にとどまる範囲も含む。将来の事業展開をにらむという意味で妥当。
- ウ(○):自社の製品ラインで示す「物理的定義」は領域が狭くなり、レビットのいう「近視眼的(マーケティング・マイオピア)」な定義に陥りやすい。妥当。
- エ(×):全社ドメインの定義によって企業の基本的性格は確立できるが、「製品やサービスで競争者と競う範囲は特定できない」とするのは誤り。競争する具体的範囲(事業レベル)も全社ドメインの方向づけのもとで規定されるべきもので、「特定できない」と断ずるのは不適切。これが最も不適切な記述。
- オ(○):単一事業を営む場合は製品ラインの広狭にかかわらず事業レベル定義がそのまま全社レベル定義となるが、環境変化によりドメインも一定不変ではない。妥当。
よって最も不適切なものは エ。