第29問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
設問1
) 文中の下線部に関する以下の文章の空欄A~Cにあてはまる語句の組み合わ せとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。 知覚品質とは、消費者が A にとらえる品質のことである。消費者が高 品質を知覚する製品は、その品質連想によって価格 B が生み出されるた め、その価格を下げたとしても需要数量に大きな変化が生じないことがある。こ のことは同製品の需要の価格 C が小さい状況を意味する。また、同種製 品市場で事業を展開する他社が類似製品の値下げを行ったとしても、同製品の需 要数量に大きな変化が生じないことがある。これは、同製品の交差(交叉) C の低さを示しているといえる。
- ア A:社会的 B:エクイティ C:弾力性
- イ A:主観的 B:ノベルティ C:有効性
- ウ A:主観的 B:プレミアム C:弾力性
- エ A:主体的 B:レバレッジ C:有効性
- オ A:能動的 B:レバレッジ C:差別性 ― 34― ◇M3(295―85) (
設問2
) 文中の下線部に関する以下の文章の空欄A~Dにあてはまる語句の組み合わ せとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。 市場が成熟し、ひとつの製品市場に多くのブランドが登場するようになると、 競争関係にあるブランドの製品との A を保ちながら、多くの消費者の B に近接したポジションを見出すことは難しくなる。つまり、有効な C を行うことのできるブランド・ポジショニングが、ますます困難にな るということである。このような状況を打開するためには、 D の活用が 必要になってくる。
- ア A:カテゴリ同調性 B:カテゴリ認識点 C:市場細分化 D:製品差別化
- イ A:関 連 B:欲求充足点 C:製品差別化 D:ライフスタイル・セグメンテーション
- ウ A:競合性 B:関与増加点 C:顧客指向化 D:機動的な営業力
- エ A:距 離 B:欲求理想点 C:製品差別化 D:市場細分化
- オ A:類似性 B:カテゴリ認識点 C:市場細分化 D:異質需要に関する知識 ― 35― ◇M3(295―86) (
設問3
) X 社はパソコン市場への参入に際して、自社の資源・能力の特異性であるデザ イン創造力を考慮し、パソコンの「本体のサイズ」と「マルチメディア対応度」をも とに消費者の知覚マップを作成した。他のメーカーの製品導入状況を分析しなが ら、自社製品のポジショニングの検討を行っている。この段階で用いられている 資料は下図のとおりである。この図をもとにX 社が計画している新製品開発と そのポジショニングについての記述として、最も不適切なものを下記の解答群か ら選べ。 なお、図中の小さな四角(■)は消費者の選好分布を、白抜きの大きな四角() は、他のメーカーによる既存製品のポジショニングを示している。X 社が開発を 検討している製品が想定するポジションは図中の大きな丸印(〇)によって表示さ れている。図中の縦軸はマルチメディア対応度の高低を、横軸は本体サイズ(本 体を設置した時の容積)の大小を指している。 ― 36― ◇M3(295―87)
- ア X 社が開発を検討している製品はインテリア性が高く、家庭のリビング ルームに設置し、テレビの地上デジタル放送の視聴や音楽ファイルの再生、 電子マネーをつかったインターネット・ショッピングが可能なだけでなく、 仕事や勉強にも快適に活用できるスペックを備えている。
- イ X 社のポジショニング計画は、いわゆるブルー・オーシャン(Blue Ocean)戦略としてとらえられるが、その市場成果はここでのブランド化に よって吸収可能な消費者の数に依存している。
- ウ X 社は、種々の汎用部品を用いてコンパクトでスタイリッシュなシェル (筺体)仕様にすることにしたが、その際の大幅な費用増を相殺するために、 パソコン用液晶ディスプレイ・メーカーと長期契約を交わし、特定モデルの 液晶部品を割引価格で調達しようとしている。
- エ X 社は競争相手による対応が行われていない未開拓のニーズに着目し、多 機能がコンパクトにビルトインされた小型製品を開発し、象限の標的市場 での早期の製品普及後、象限の大規模市場からの遷移顧客の獲得を企図し ている。
- オ マップ上の象限に位置する企業は象限にも参入することが可能であ る。したがって、X 社には先発の利益を獲得・維持するための工夫が必要と される。 ― 37― ◇M3(295―88)
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正解: 設問1 ウ 設問2 オ 設問3 エ
解答:設問1=ウ、設問2=オ、設問3=エ
〔リード〕知覚品質・ブランド連想・ポジショニングと知覚マップに関する3設問。設問3は「最も不適切」を選ぶ。
設問1(空欄A〜C)
知覚品質とは消費者が「主観的(A)」にとらえる品質である。高品質を知覚させる製品は品質連想により価格「プレミアム(B)」を生み出すため、値下げしても需要数量が大きく変化しない=需要の価格「弾力性(C)」が小さい。他社の類似製品値下げにも需要が大きく動かないのは交差弾力性の低さを示す。
- ア(×):A:社会的 B:エクイティ C:弾力性。Aが誤り(知覚品質は主観的)。
- イ(×):A:主観的 B:ノベルティ C:有効性。B・Cが誤り。
- ウ(○):A:主観的 B:プレミアム C:弾力性。すべて整合。正しい。
- エ(×):A:主体的 B:レバレッジ C:有効性。誤り。
- オ(×):A:能動的 B:レバレッジ C:差別性。誤り。
設問2(空欄A〜D)
市場成熟・多ブランド化により、競合製品との「類似性(A)」を保ちつつ多くの消費者の「カテゴリ認識点(B)」に近接したポジションを見出すのは難しくなる。有効な「市場細分化(C)」を行えるブランド・ポジショニングが困難になり、これを打開するには「異質需要に関する知識(D)」の活用が必要になる。
- ア(×):A:カテゴリ同調性…D:製品差別化。語の組合せが不適。
- イ(×):A:関連…D:ライフスタイル・セグメンテーション。不適。
- ウ(×):A:競合性…D:機動的な営業力。不適。
- エ(×):A:距離…B:欲求理想点…D:市場細分化。Aの「距離」等が文意に不整合。
- オ(○):A:類似性 B:カテゴリ認識点 C:市場細分化 D:異質需要に関する知識。文意に最も整合。正しい。
設問3(知覚マップとポジショニング、最も不適切)
- ア(○):X社の検討製品はインテリア性が高くリビング設置に向き、地デジ視聴・音楽再生・電子マネー利用に加え仕事・勉強にも使える多機能スペックを備える、という記述は図のポジショニング(高マルチメディア対応・コンパクト)と整合。適切。
- イ(○):競合不在の領域を狙う点でブルー・オーシャン戦略ととらえられ、その成果はブランド化で吸収できる消費者数に依存する。適切。
- ウ(○):汎用部品でコンパクト・スタイリッシュな筺体にする際の費用増を相殺するため、液晶メーカーと長期契約し特定モデルの液晶を割引調達する、という費用対応は合理的。適切。
- エ(×・最も不適切=正解):本肢は「象限(小型・多機能)の市場で早期普及後、別象限の大規模市場からの遷移顧客の獲得を企図」とするが、X社の戦略は自社の特異性(デザイン創造力)を活かした未開拓ニッチでの先発優位の確立にあり、想定されるポジショニングや顧客遷移の方向と整合しない。図の前提・戦略意図に反する記述として最も不適切。
- オ(○):大規模象限に位置する企業がニッチ象限にも参入可能である以上、X社は先発の利益を獲得・維持する工夫が必要となる。適切。
よって 設問1=ウ、設問2=オ、設問3=エ。