企業経営理論 H22年度 第2問

第2問

どの業種にもいわゆる勝ち組と負け組が見られる。激しい競争にもかかわらず他 社よりも優れた業績をあげている企業の特徴に関する記述として、最も不適切なも のはどれか。

  1. ある通信機器メーカーでは、生産を国内工場に集約して生産現場で厳格な品質 管理体制をとり、堅牢な機器と先進的なデータ処理を売りに、顧客の信頼を得な がら業界水準よりも高い価格で売り上げを伸ばしている。
  2. ある町工場では単品物の受注に特化しているが、熟練を活かした加工技術を武 器に、あらゆる注文に応えられる受注生産体制を敷いて、特定業種にこだわらな い受注先を確保している。
  3. 健康食品を製造販売しているある企業では、顧客からのダイレクトな注文や問 い合わせに応えるべく、コールセンターの充実を図るとともに、それを基にした 顧客データベースを活かして、逆に顧客への情報発信を行い、顧客との強い信頼 関係の構築を目指している。
  4. 創業間もない中小化粧品メーカーでは、肌に潤いを与える希少な天然素材を活 用した高価な基礎化粧品に絞り込んで、全国的な広告宣伝と大手百貨店や量販店 への出店を目指している。
  5. 激しい価格競争と急激な利益率低下のため大手の電子機器メーカーが撤退した 市場で、ある中堅メーカーでは海外企業からの低価格な中間財の調達と自社が得 意とする実装技術を活かして、実用本位の機能に絞り込んだ低価格製品で安定し た売り上げを確保している。 ― 2― ◇M3(295―53)
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正解:

解答:エ

〔リード〕競争優位を確立している企業の特徴として「最も不適切」なものを選ぶ。経営資源と戦略の整合性、特に中小企業の規模に見合った戦略集中の観点で判断する。

  • ア(×):国内集約による厳格な品質管理と堅牢性・先進性を武器に、業界水準より高価格で売上を伸ばす差別化戦略は、明確な競争優位の例で適切。
  • イ(×):町工場が熟練加工技術を活かし、あらゆる単品受注に応える受注生産体制で特定業種に縛られない受注先を確保するのは、技術を核とした適切な競争戦略。
  • ウ(×):コールセンターと顧客データベースを活かして双方向の情報発信を行い、顧客との強い信頼関係を構築するのは、データベース・マーケティングによる適切な差別化。
  • エ(○:最も不適切):創業間もない経営資源の乏しい中小化粧品メーカーが、高価格の基礎化粧品に絞り込むのは集中戦略として妥当だが、その販路として「全国的な広告宣伝」と「大手百貨店・量販店への出店」を目指すのは、巨額の宣伝費と大手チャネルの取引条件・販売力に対応できず、絞り込み戦略と矛盾する。経営資源と整合せず、優れた業績を支える特徴として最も不適切。
  • オ(×):大手が撤退した市場で、安価な海外中間財調達と得意の実装技術を組み合わせ、実用本位の機能に絞った低価格製品で安定収益を確保するのは、ニッチを突いた適切な戦略。

よって

#競争戦略#経営資源・RBV#マーケティング戦略#プロモーション

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