企業経営理論 H21年度 第24問

第24問

ほぼ100%をPB(プライベート・ブランド)による品揃えとする、高級食品スー パーマーケット・チェーンを運営するA 社は、ある県の小売市場で急成長を遂げ ている。その県内で全12店舗を展開し、専用物流センターを活用しているA 社 は、提携する地域生産者および自社工場の稼働率を上げ、一定の規模の経済性を達 成することを目指して、店舗網を拡大し、近隣都道府県へ進出することを計画して いる。A 社が現在検討している進出案に関する以下の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。

  1. A 社が使用する専用物流センターの効率的な稼働を考慮し、店舗網の拡大は、 現在使用している物流センターのサービス範囲への集中出店(ドミナント出店)方 式をとる。
  2. A 社の小売事業ブランド化は、強大な購買支配力(バイイング・パワー)をもと に展開されたものではなく、地域生産者とのパートナーシップによって支えられ てきたので、店舗網の拡大後も、これらの生産者の成長を支援する役割が期待さ れる。
  3. A 社は、近隣都道府県への進出の一案としてフランチャイズ展開を計画してい る。それは、企業型垂直マーケティング・システム(企業型VMS)の一形態であ る。
  4. A 社は、店舗網がある一定の地理的範囲を超えて、近隣都道府県の外部まで達 した段階では、有休生産設備をもつNB(ナショナル・ブランド)メーカーや進出 先地域の生産者との間に新たに製造委託契約を交わすことができる。
  5. A 社は、より多くの地域に出店を進めることで、店舗業務や店舗支援業務が複 雑になるので、より明確な目的意識をもってチャネル・リーダー(チャネル・
  6. ャプテン)としての役割を果たさなければならない。 ― 32― ◇M3(557―80)
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正解:

解答:ウ

PB主体の高級食品スーパーA社の出店戦略・チャネル論に関する出題。「最も不適切」型なので、正解=誤った記述を選ぶ。

  • ア(○):専用物流センターの効率的稼働を考慮し、センターのサービス範囲内に集中出店するドミナント出店方式をとるのは合理的。物流効率・地域認知の向上に資する。正しい。
  • イ(○):A社のブランド化は強大なバイイング・パワーではなく地域生産者とのパートナーシップに支えられてきたため、店舗網拡大後も生産者の成長支援が期待される、という記述は事例の前提と整合的。正しい。
  • ウ(×:最も不適切=正解):フランチャイズ展開は、本部と加盟店が契約によって結びつく契約型垂直マーケティング・システム(契約型VMS)の代表例である。資本所有によって流通段階を統合する企業型VMS(コーポレートVMS)とは異なる。「企業型VMSの一形態」は誤り。
  • エ(○):店舗網が物流センターの地理的範囲を超えて拡大した段階では、有休生産設備を持つNBメーカーや進出先地域の生産者と新たに製造委託契約を結ぶ、というのはPB調達体制の拡張として妥当。正しい。
  • オ(○):出店地域が増え店舗業務・支援業務が複雑化するなか、チャネル・リーダー(チャネル・キャプテン)として明確な目的意識のもとチャネル全体を統率する役割を果たす必要がある、という記述は適切。正しい。

よって最も不適切なものは

#競争戦略#M&A・提携#マーケティング戦略#製品・ブランド戦略#価格・チャネル戦略

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