企業経営理論 H21年度 第10問

第10問

変化の激しい市場環境の下では、新製品開発にもスピードと柔軟性が求められ る。そのため、概念設計、機能設計、生産設計、量産設計などの設計プロセスや生 産計画の立案などの各フェイズに、関連する部門が重複して参加・協働する知識創 造の場として、自己組織化を促進する開発方式がとられることがある。このような 新製品開発活動が成功する条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 各部門の責任・権限関係に混乱が生じないよう、あらかじめ明確に分業関係を 構築しておく必要がある。
  2. 個人・集団・企業といった異なるレベルの学習とともに、異なる職能間での学 習も促進する必要がある。
  3. それぞれのフェイズでチェックポイントを設け、それをクリアした後で次の フェイズに進めるようにし、各部門管理者は自己のフェイズに責任を負う必要が ある。
  4. 複数の部門が製品開発の目標を共有できるよう、トップは詳細な設計に関する 具体的な基準を設定する必要がある。
  5. 複数の部門間での調整に混乱が生じないよう、命令の一元性を徹底して管理す る必要がある。 ― 15― ◇M3(557―63)
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:イ

〔自己組織化を促す重複型(コンカレント/ラグビー方式)新製品開発が成功する条件として最も適切なもの〕 設問は、各フェイズに関連部門が重複して参加・協働する自己組織化型開発の成功条件を問う。重要なのは、部門横断の知識創造・学習と情報共有である。

  • ア(×):「あらかじめ明確に分業関係を構築」は、フェイズを分断し重複・協働を妨げる発想で、自己組織化型開発の趣旨に反する。
  • イ(○=最も適切):個人・集団・企業という異なるレベルの学習に加え、異なる職能間の学習(部門横断の知識創造)を促進する必要がある、は自己組織化型開発の成功条件として妥当。
  • ウ(×):フェイズごとにチェックポイントを設けクリア後に次へ進める、各部門管理者が自フェイズに責任を負う、はウォーターフォール型(逐次型)の発想で、重複・協働を前提とする本方式に合わない。
  • エ(×):トップが詳細な設計基準を具体的に設定するのは、現場の自己組織化・自律的調整を阻害する。トップは方向性・ビジョンを示すべきで、詳細統制は不適切。
  • オ(×):「命令の一元性の徹底」は、部門横断の相互調整・自己組織化と相容れず不適切。

よって

#組織構造#組織文化・組織学習#組織行動・コミットメント#製品・ブランド戦略

← 企業経営理論の一覧へ戻る