企業経営理論 H20年度 第7問

第7問

技術イノベーションと戦略の関係に関する記述として、最も不適切なものはどれ か。

  1. 開発時の技術が顧客の支持を受けるほど、その後の技術発展の方向が制約され やすく、技術分野が固定化されて企業の競争優位が失われていく。
  2. 技術優位と市場ニーズが合致するとは限らないので、高機能の先端技術製品が 技術的に劣る製品に敗れるという「ダーウィンの海」と呼ばれる現象がしばしば起 こる。
  3. 自社技術の拡散スピードが速い場合、技術優位性は守りにくくなるが、先発者 利得を獲得したり、累積生産量を大きくして製品の差別化を持続的に確立するこ とができる。
  4. 市場ニーズに適合的な技術に基づく製品は、企業の成長に貢献すればするほ ど、革新的な技術の製品が新しい市場を築き始めると、急速に市場を失うことが ある。
  5. 部門内に蓄積された大量の情報や暗黙知などは、技術部門と営業部門の交流を 阻むので、市場ニーズから遊離した製品が開発されやすくなる。 ― 8― ◇M3(743―55)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕技術イノベーションと戦略の関係。「最も不適切」を選ぶ。

  • ア(○):開発時の技術が顧客に支持されるほど、その技術への依存(経路依存・コンピテンシートラップ)が生じ、後の技術発展の方向が制約され固定化されて優位を失いうる。妥当。
  • イ(○):技術優位と市場ニーズは必ずしも一致せず、高機能な先端製品が技術的に劣る製品に敗れることがある(事業化と市場の谷=「ダーウィンの海」)。妥当。
  • ウ(×):自社技術の拡散スピードが速ければ模倣されやすく技術優位は守りにくい。にもかかわらず「製品の差別化を持続的に確立できる」と結論づけるのは矛盾しており誤り。拡散が速い状況では持続的な差別化はむしろ困難である。
  • エ(○):市場ニーズに適合した技術製品で成長するほど、革新的技術が新市場を築き始めると急速に市場を失う(イノベーターのジレンマ/破壊的イノベーション)。妥当。
  • オ(○):部門内に蓄積された情報・暗黙知が技術部門と営業部門の交流を阻むと、市場ニーズから遊離した製品が開発されやすい。組織のセクショナリズムの弊害として妥当。

よって、最も不適切な

#競争戦略#技術経営・イノベーション#組織文化・組織学習#人的資源管理

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