企業経営理論 H19年度 第16問

第16問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 現代の企業は、必要な経営資源のすべてを自社内に所有することはほとんど不可 能であり、企業の外部にある経営資源をコントロールする必要がある。そのため に、 他の組織と望ましい組織間関係を構築したり、 ドメインに影響を与え経営環境 を操作しようとする。 (

設問1

) 文中の下線部の組織間関係の構築に関する記述として、最も不適切なものは どれか。

  1. ある企業の取締役が、資源依存関係にある他の企業の取締役に就任すること を通じて、両社の利害関係を調整したり、経営政策や意思決定に影響を与える ことができる。
  2. 企業は買収を通じて、他の企業の一部または全部の経営資源を直接コント ロールする権利を手にすることができる。
  3. 企業はライセンス契約を通じて、自社の独立性を確保しつつ、不足する経営 資源に関する不確実性を軽減することができる。
  4. 相互に補完的関係にある複数の企業が、共同で独立した合弁企業を作ること を通じて、その合弁企業の親会社の影響を受けずに、イノベーションや事業に 関するリスクとコストを分散することができる。 ― 20― ◇M3(023―61) (

設問2

) 文中の下線部のドメインに影響を与える環境操作戦略に関する記述として、 最も不適切なものはどれか。

  1. 同じような利害をもつ他の企業と共同で業界団体などの組織をつくることを 通じて、企業は自らの製品やサービスの正当性を確保することができる。
  2. 広報活動は企業が情報を提供することを通じて、利害関係者集団に影響を与 え、企業に対して好ましいイメージを持ってもらうために行われる。
  3. 戦略的選択とは、企業が多角化や事業の売却、資源調達先の多様化を通じ て、ドメインそのものを変化させることをいう。
  4. 法律や行政による規制は、企業が獲得・利用できる資源に重要な影響を与え るが、内部資源にはその影響が及ばないため、企業は内部資源を増やす傾向に ある。 ― 21― ◇M3(023―62)
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=エ、設問2=エ

設問1(組織間関係の構築に関して最も不適切なもの)

  • ア(×=適切):資源依存関係にある他社の取締役に就任する(インターロッキング・ディレクトレート、役員兼任)ことで利害調整や意思決定への影響が可能。妥当。
  • イ(×=適切):買収により他社の経営資源を直接コントロールする権利を獲得できる。妥当。
  • ウ(×=適切):ライセンス契約により自社の独立性を保ちつつ不足する経営資源に関する不確実性を軽減できる。妥当。
  • エ(○=最も不適切):合弁企業(ジョイント・ベンチャー)は親会社が共同で出資・コントロールする組織であり、「親会社の影響を受けずに」運営されるわけではない。記述が誤りで正解。

よって

設問2(ドメインに影響を与える環境操作戦略に関して最も不適切なもの)

  • ア(×=適切):同様の利害をもつ企業と業界団体を作ることで製品・サービスの正当性を確保できる(協調戦略)。妥当。
  • イ(×=適切):広報活動は情報提供を通じて利害関係者に好ましいイメージを持ってもらう環境操作戦略。妥当。
  • ウ(×=適切):戦略的選択は多角化・事業売却・調達先多様化などでドメインそのものを変化させること。妥当。
  • エ(○=最も不適切):法律や行政の規制は獲得・利用できる資源に影響するが、その影響は外部資源にとどまらず、内部資源の運用や調達にも及ぶ。「内部資源には影響が及ばないため内部資源を増やす傾向にある」という記述は誤り。よって正解。

よって

#経営戦略・全社戦略#経営資源・RBV#M&A・提携#組織理論・コンティンジェンシー

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