第4章 計算と剰余金の配当

この章のねらい 会社は、1年に一度「1年間でいくら儲かったか・いま財産はいくらあるか」をまとめた計算書類(決算書)を作ります。 そして、そこで生まれた儲け(=剰余金)の一部を、株主に配当として分けます。 この章は、①その計算書類をどう作り・誰がチェックし・どう承認するか(手続の流れ)と、 ②配当をいくらまでなら出してよいか(財源のルール)、③会社の元手である資本金・準備金の増減、の3本柱です。

過去問での出方:担当は5問と多くありませんが、出方はかなり典型的です。 「剰余金の配当規定として最も適切/不適切なものはどれか」という単純な正誤問題(H22第20問・R06第4問)が中心で、 ここは得点源にできます。加えて、計算書類の作成・監査・承認の流れ(H24第20問)、 新株発行時の資本金組入れ(H29第4問)、破産時の配当順位(H22第7問)が問われています。 数字(純資産300万円・2分の1・10年など)と、似た制度の対比さえ押さえれば怖くありません。


4-0 この章の地図

会社のお金の一生を、大きな流れで見ると次のようになります。 この章は、そのうち「決算をまとめる → 儲けを株主に配る → 元手を管理する」という後半部分を扱います。

【1年間の事業活動】
      │
      ▼
4-1 計算書類などを作る         … 決算書づくり(作成)
      │  作成 → 監査 → 承認 → 備置・保存
      ▼
4-2 剰余金を株主に配当する       … 儲けを配る(財源のルールが重要)
      │  「いくらまで配ってよいか」=分配可能額
      │  ルール違反=違法配当(責任が発生)
      ▼
4-3 資本金・準備金を管理する      … 会社の「元手」の増減
         資本金/資本準備金/利益準備金
  • 4-1は「決算書は誰が作り、誰がチェックし、いつ承認され、どれだけ保存するか」という手続の話
  • 4-2は「配当は無制限には出せない。会社に一定のお金を残せ」という財源規制の話(この章の主役)。
  • 4-3は「株主が払い込んだ元手を、資本金・準備金にどう振り分けるか」という数字の話

まずはこの3つの箱を頭に置いて読み進めてください。


4-1 計算書類・事業報告・附属明細書 ― 作成・監査・承認の流れ

まず用語をかみくだく

会社は決算のときに、いくつかの書類をセットで作ります。名前が似ていて混乱しやすいので、先に整理します。

書類の名前 ざっくり言うと 中身のイメージ
計算書類 いわゆる「決算書」 貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、株主資本等変動計算書、個別注記表
事業報告 「この1年、会社はどうだったか」の文章の報告書 事業の状況・重要な出来事など(※数字の書類ではない)
附属明細書 上の2つを補足する詳しい明細 計算書類の内訳、事業報告の細目

⚠️ 混同注意:「事業報告」は計算書類ではない 「計算書類」と「事業報告」は別物です。計算書類は数字の決算書、事業報告は言葉の報告書。 あとで出てくる「承認」のルールも両者で違う(計算書類=承認が必要/事業報告=報告で足りる)ので、 セットで覚えると得します。

作成 → 監査 → 承認 → 備置・保存の流れ

計算書類などは、作って終わりではありません。次の順番で進みます。 H24第20問は、この流れの一つひとつを正誤で問いました。

① 作成      取締役が、計算書類・事業報告・それぞれの附属明細書を作る
   │
② 監査      監査役の監査を受ける(★下の注意点)
   │
③ 承認・報告  定時株主総会へ
   │        ・計算書類 → 承認を受ける
   │        ・事業報告 → 内容を報告すれば足りる
   │
④ 備置      総会日の一定期間前から本店に備え置く(株主などが見られるように)
   │
⑤ 保存      作成時から10年間、計算書類とその附属明細書を保存

ポイントを順に見ましょう。

② 監査の対象は「附属明細書も含む」 監査役は、計算書類・事業報告だけでなく、それらの附属明細書も監査します(会社法436条1項)。 「附属明細書は監査の対象外」と書いたら誤りです。ここがH24第20問の急所でした。

③ 計算書類は「承認」、事業報告は「報告」 - 計算書類は、定時株主総会に提出して承認(決議)を受けなければなりません。 - 事業報告は、その内容を報告すれば足りる(承認決議までは不要)。 - ※会計監査人を設置している大会社などでは、一定の要件を満たすと計算書類も「報告で足りる」ことがありますが、 本問(会計監査人なしの会社)では、計算書類は承認が必要です。

⑤ 保存は「作成時から10年間」 計算書類とその附属明細書は、作成した時から10年間保存しなければなりません(会社法435条4項)。 「5年」「7年」などに書き換えた選択肢は誤りです。10年とセットで暗記しましょう。

💡 覚え方:「事業報告は"読み上げ"、決算書は"ハンコ"」 事業報告は総会で報告(読み上げ)すればOK、計算書類は総会で承認(ハンコ)が要る、とイメージすると混同しません。

つまずきポイント:「備置」と「保存」は別の話

似ていますが、目的が違います。

備置(442条) 保存(435条4項)
何のため 株主・債権者が見られるように 記録を残すため
いつから 定時株主総会の日の一定期間前から 作成した時から
期間 総会前・総会後の一定期間 10年間

「10年」という数字は保存(435条4項)の話です。備置期間と混同しないようにしましょう。

📝 過去問はこう出る(H24 第20問) 「計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の取扱い」で最も不適切なものを選ぶ問題。 正解(=誤り)は イ「計算書類・事業報告は監査役監査を受けるが、附属明細書は監査役監査の対象とならない」。 実際は附属明細書も監査役監査の対象(436条1項)です。 一方、ア「作成時から10年間保存」(435条4項)ウ「定時株主総会前の一定期間から本店に備置」(442条)エ「計算書類は総会の承認、事業報告は報告で足りる」(438条・会計監査人非設置の場合)は、いずれも正しい記述でした。 → H24 第20問


4-2 剰余金の配当規制 ― 分配可能額・財源規制・違法配当の責任

この章のいちばんの主役です。H22第20問R06第4問が、ほぼこの節だけで解けます。

そもそも「剰余金の配当」とは

会社が儲けた利益などを、株主に分けることを剰余金の配当(いわゆる配当)といいます。 ただし、会社は好きなだけ配当できるわけではありません。 なぜなら、株主にどんどん配ってしまうと、会社にお金が残らず、お金を貸している債権者(銀行・取引先など)が 回収できなくなってしまうからです。そこで会社法は、配当にブレーキ(財源規制)をかけています。

【配当の3つのルール】
  ① 誰が決める?   → 原則、株主総会の決議(普通決議)
  ② いくらまで?    → 分配可能額の範囲内/純資産300万円を下回る配当は不可
  ③ 破ったら?      → 違法配当。受け取った株主・関与した取締役に返還・支払義務

① 配当は「原則、株主総会の決議」で決める

剰余金の配当をするたびに、原則として株主総会の決議(普通決議)が必要です(会社法454条1項)。 これはR06第4問の正解肢そのものです。「配当をする場合、株主総会の決議によらなければならない」は正しい

⚠️ 混同注意:例外もある(本試験では"原則"で覚える) 会計監査人設置会社で一定の要件を満たせば、定款の定めにより取締役会で配当を決められる場合もあります。 ただし本試験の基本問題は「原則=株主総会決議」で解けます。R06第4問も「中間配当は考慮しない/定款に特段の定めなし」 という前提を置いて、原則どおり「株主総会の決議による」を正解にしています。

② いくらまで配れる? ―「分配可能額」と「純資産300万円」

配当できる上限を分配可能額といいます。ざっくり言えば「会社に一定のお金を残したうえで、余った儲けの範囲」です。 細かい計算は本試験では深追い不要ですが、次の2つの数字と考え方は必ず押さえます。

(a)純資産額が300万円を下回るときは配当できない(458条) たとえ計算上の分配可能額があっても、純資産額が300万円未満の会社は配当できません。 これは会社に最低限の財産を残させ、債権者を守るためのルールです。

  • R06第4問イ:「最低資本金制度が撤廃されたから、純資産300万円未満でも配当できる」→ 誤り。 最低資本金制度(設立時に1000万円などの資本金が必要という制度)は確かに撤廃されましたが、 配当の場面では今も「純資産300万円」の壁があるのです。ここが引っかけです。
  • H22第20問ア:「純資産額が300万円を下回らない限り、株主総会決議でいつでも配当できる」→ 正しい

(b)臨時決算で"期中の儲け"も配当原資にできる 通常は年1回の決算(期末)で分配可能額が決まりますが、事業年度の途中に臨時決算日を定めて 臨時計算書類を作り、取締役会・株主総会の承認を受ければ、その臨時決算日までの損益も分配可能額に含められます。

  • H22第20問ウ:「臨時決算日を定め臨時計算書類を承認すれば、臨時決算日までの損益も分配可能額に含まれる」→ 正しい

💡 覚え方:配当の"2つの門番" 分配可能額を計算する前に、まず 「純資産300万円」の門番 が立っています。 「300万円を下回る会社はそもそも配当禁止」──この一文はH22・R06の両方で問われた頻出フレーズです。

③ 配当の中身と回数 ― 現物配当・中間配当

現物配当(金銭以外の財産での配当) 配当は現金だけとは限りません。金銭以外の財産(現物)で配ることもできます(454条4項)。

  • ただし、自社の株式等を配当財産とすることはできません(H22第20問イが「できない」として正しい記述)。
  • R06第4問エ:「配当財産は金銭でなければならず、現物配当はできない」→ 誤り(現物配当は可能)。

中間配当は「一事業年度に1回に限り」 取締役会設置会社は、定款に定めれば、一事業年度の途中で1回に限り取締役会の決議で配当(中間配当)ができます(454条5項)。配当財産は金銭に限られます

  • H22第20問エ:「定款で定めれば何回でも取締役会決議で中間配当できる」→ 誤り(最も不適切)。 正しくは「一事業年度に1回に限り」。「何回でも」が引っかけです(なお「金銭に限られる」の部分は正しい)。

⚠️ 混同注意:「通常の配当」と「中間配当」 | | 通常の剰余金配当 | 中間配当 | |---|---|---| | 誰が決める | 原則株主総会の決議 | 取締役会の決議(要・定款の定め、取締役会設置会社) | | 回数 | 制限なし(財源の範囲で) | 一事業年度に1回に限る | | 配当財産 | 金銭・現物も可 | 金銭に限る | 「回数」と「現物の可否」が逆に書かれた選択肢が引っかけです。

④ ルールを破ったら ―「違法配当」の責任

分配可能額を超えて配当してしまうと違法配当(分配可能額規制違反)になります。このとき責任を負うのは──

  • 配当を受け取った株主:交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を会社に支払う義務を負う(462条1項)。
  • 配当に関わった取締役など:職務を行った業務執行者も、原則として同様の支払義務を負う。

R06第4問ウ:「分配可能額を超える配当でも、株主が帳簿価額相当額を会社に支払う義務を負うことはない」→ 誤り。 違法配当を受けた株主は支払義務を負います(462条1項)。「義務を負うことはない」と言い切る選択肢は誤りです。

📝 過去問はこう出る(R06 第4問) 剰余金配当で最も適切なものを選ぶ問題。正解は ア「配当をする場合、株主総会の決議によらなければならない」(454条1項)。 誤りの3つは典型的な引っかけです。 =純資産300万円未満でも配当可(→458条で不可)、 =違法配当でも株主に支払義務なし(→462条で義務あり)、 =配当は金銭に限る(→現物配当も可)。 「株主総会決議・300万円・違法配当の返還・現物配当」の4点セットが丸ごと問われた良問です。 → R06 第4問

📝 過去問はこう出る(H22 第20問) 剰余金配当で最も不適切なものを選ぶ問題。正解(=誤り)は エ「定款で定めれば何回でも中間配当できる」。 中間配当は一事業年度に1回に限り(454条5項)。「何回でも」が誤りです。 他の選択肢は正しい記述で、それぞれア=純資産300万円ルール(458条)イ=現物配当可・自社株式は不可ウ=臨時計算書類による分配可能額の理解を確認する良い素材になります。 → H22 第20問

(発展)会社が倒産したときの配当順位

配当というと通常は「儲けの株主への分配」ですが、会社が破産したときの「債権者への配当」も 過去に出題されています(H22第7問)。株主への配当とは別テーマですが、「配当の順番」という点で押さえておきましょう。

破産では、限られた財産(破産財団)を、次の優先順位で配当します。

① 財団債権        … 破産手続によらず随時弁済される最優先の債権
   (例:破産管財人の報酬、破産財団の管理・換価の費用など)
      ▼ 全額払ってなお余りがあれば
② 優先的破産債権   … 一般の先取特権など優先権のある債権
      ▼ なお余りがあれば
③ 一般破産債権     … 上記以外の一般の債権(通常は全額払えず按分配当)
  • 給料債権(未払給料)は時期で扱いが分かれます。 破産手続開始前3か月間の給料は財団債権(破産法149条1項)として全額弁済され、 それより前の未払給料は優先的破産債権になります。
  • H22第7問の事例では、子の未払給料のうち直近3か月分(開始前3か月=約30万円)は財団債権として全額配当され、 それ以前の分(約15万円)は優先的破産債権で、租税滞納分など他の優先債権と合わせると財団を超え、 按分となってほとんど配当が期待できない、という結論でした。

⚠️ 混同注意:「財団債権」と「共益債権」「別除権」 - 財団債権=破産手続で随時弁済される最優先債権(破産の用語)。 - 共益債権民事再生・会社更生で使う概念。破産では使いません。 - 別除権=担保権者が破産手続によらず担保物から回収できる権利。「配当順位」の話ではありません。 H22第7問は、これらの用語のすり替えを見抜けるかがカギでした。

📝 過去問はこう出る(H22 第7問) 破産の配当順位を問う事例問題(設問1・2)。 設問1:空欄A=財団債権、B=優先的破産債権(正解)。「①財団債権 → ②優先的破産債権 → ③一般破産債権」の順。 設問2:子の配当額は、開始前3か月分の給料(財団債権)として全額弁済される約30万円(正解)。 「共益債権」「別除権」を混ぜた選択肢はすべて誤りです。 → H22 第7問


4-3 資本金・資本準備金・利益準備金の額と増減

まず「資本金・準備金」とは何か

株主が会社に払い込んだお金(元手)や、会社が儲けた利益の一部は、純資産の部の中で いくつかの「箱」に振り分けられます。代表的なのが次の3つです。

箱の名前 元になるお金 ざっくりした性質
資本金 株主が払い込んだ元手のうち、資本金に組み入れた分 会社の基本の元手。社外に流出させにくい(債権者保護の土台)
資本準備金 株主が払い込んだ元手のうち、資本金にしなかった分など 資本金に準じるクッション
利益準備金 儲け(利益)から積み立てる分 配当のたびに一定額を積み立て、会社に残しておく

資本金と準備金は、会社が簡単には株主に返せない「守りのお金」です。 これらを厚くしておくほど、債権者にとっては安心(会社に財産が残る)というわけです。

新株発行時の「資本金への組入れ」 ― 2分の1ルール

会社が新しく株式を発行してお金を集めたとき(増資)、払い込まれた金額をすべて資本金にする必要はありません。 ここがH29第4問の中心論点です。

会社法445条のルールを、かみくだくとこうなります。

払込金額の"2分の1"を超えない額は、資本金にしないで資本準備金にできる。 言いかえると、少なくとも払込金額の2分の1は資本金にしなければならない

【払込金額 3,000万円 を発行したとき】

  払込金額 3,000万円
  ├─ 資本金に組み入れる(最低でも半分)……… 1,500万円 ← これがA(最低額)
  └─ 資本準備金に回せる(最大で半分)……… 1,500万円 ← これがB
  • H29第4問・設問1:3,000万円の2分の1=1,500万円が最低限の資本金。 よって A=1,500万円、B=1,500万円(正解)。
  • なぜ「資本金を少なくした方が有利なことが多い」のか──資本金の額は、後で見るように 各種の法律の適用基準になることがあり、資本金が大きいと不利になる場面があるからです。

💡 覚え方:「半分は資本金、半分まで準備金」 増資では「最低でも払込額の半分は資本金」。残り半分は資本準備金に回せる。 「全額を資本金にしなければならない」は誤り、「1円だけ資本金にすればよい」も誤りです。

資本金の額が"効いてくる"場面 ― H29第4問・設問2

資本金の額は、単なる決算書上の数字ではなく、他の法律の適用を左右する基準になることがあります。 H29第4問・設問2は、「資本金の額が影響するもの/しないもの」を仕分ける問題でした。

論点 資本金の額が影響するか 内容
大会社の判定 → 会計監査人の設置義務 影響する 資本金5億円以上(または負債200億円以上)だと大会社となり、会計監査人の設置が必要
下請代金支払遅延等防止法の親事業者・下請事業者の区分 影響する 親・下請の区分は資本金の額を基準に決まる
増資登記の登録免許税 影響する 増える資本金額の1000分の7(最低3万円)。資本金が増えれば税も増える
個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」該当性 影響しない 個人情報を事業に使っているかで判断。資本金額とは無関係
  • 設問2の正解は:「個人情報取扱事業者の該当性は、資本金額の影響を受けることはない」→ これが正しい記述
  • 他は「影響を受けることはない」と言い切っている点が誤り(実際は影響する)。

📝 過去問はこう出る(H29 第4問) 新株発行時の資本金組入れ(設問1)と、資本金額が各種法令に与える影響(設問2)の2本立て。 設問1:払込金額3,000万円の2分の1=1,500万円が最低資本金組入額。A=1,500万・B=1,500万で正解(445条)。 設問2:正解。個人情報保護法の該当性は資本金と無関係。 一方、大会社(会計監査人)=資本金5億円下請法の区分=資本金基準登録免許税=増加額の1000分の7は、 いずれも「資本金の額が影響する」ため、「影響することはない」とする選択肢は誤りです。 → H29 第4問

つまずきポイント:「資本金=会社にある現金」ではない

初心者がいちばん誤解しやすい点です。

  • 資本金は「過去にいくら元手を組み入れたか」を示す数字であって、 「いま金庫に資本金と同額の現金がある」という意味ではありません
  • 集めたお金は設備や仕入れに使われ、姿を変えています。資本金は、いわば"元手の目盛り"です。
  • だからこそ、配当のときは「資本金がいくらか」ではなく、 4-2で見た分配可能額・純資産300万円という別のモノサシで「配ってよい額」を判断するのです。

この章のまとめ(試験直前チェック)

  • 計算書類=決算書(B/S・P/Lなど)、事業報告=言葉の報告書、附属明細書=補足明細(別物)
  • ☐ 流れは 作成 → 監査 → 承認・報告 → 備置 → 保存
  • 附属明細書も監査役監査の対象(436条1項)/「対象外」は誤り
  • 計算書類は総会で"承認"事業報告は"報告"で足りる(会計監査人非設置の場合)
  • ☐ 計算書類とその附属明細書は作成時から10年間保存(435条4項)
  • ☐ 剰余金配当は原則、株主総会の決議(普通決議・454条1項)
  • 純資産額が300万円を下回ると配当できない(458条)※最低資本金撤廃とは別の話
  • 現物配当は可能(自社株式等は不可)/中間配当は一事業年度に1回・金銭のみ(454条)
  • 違法配当(分配可能額超過)を受けた株主は帳簿価額相当額の支払義務(462条1項)
  • ☐ (破産)配当順位=①財団債権 → ②優先的破産債権 → ③一般破産債権/開始前3か月の給料は財団債権
  • ☐ 「共益債権」は再生・更生の用語(破産では使わない)/「別除権」は担保権者の権利(順位の話ではない)
  • ☐ 新株発行時、払込金額の2分の1以上を資本金に組み入れる(445条)/残りは資本準備金に回せる
  • ☐ 資本金の額は大会社(会計監査人・5億円)・下請法・登録免許税に影響/個人情報保護法には影響しない

この章に対応する主な過去問

年度・問 論点 リンク
H22 第7問 破産手続における配当の優先順位(財団債権・給料債権) 問題
H22 第20問 剰余金の配当規制(純資産300万円・現物配当・中間配当) 問題
H24 第20問 計算書類・事業報告・附属明細書の取扱い(監査・承認・保存) 問題
H29 第4問 新株発行時の資本金組入れ(2分の1)・資本金額の影響 問題
R06 第4問 剰余金の配当(株主総会決議・300万円・違法配当・現物配当) 問題

次章予告 ▶ 第5章「組織再編・M&A・事業承継」 本章では1つの会社の「決算と配当」を見ました。次章は視点を広げ、 会社どうしが合併・会社分割・株式交換・株式移転でくっついたり分かれたりする組織再編、 会社を買うM&A、そして中小企業で切実な事業承継を扱います。 「どの手続にどんな株主・債権者の保護が必要か」がカギになります。