企業経営理論 R05年度 第8問

第8問

新事業や新市場の創出に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. E. リースの「リーン・スタートアップ」理論に基づけば、不確実性が非常に高 い事業の場合、成功要因の把握は非常に難しいため、多額の調査費を投入して潜 在的な需要を把握し、時間をかけて綿密な計画を立てる必要がある。
  2. G. A. ムーアの「キャズム」理論に基づけば、イノベーターとアーリー・アドプ ターはテクノロジーに対する姿勢は共通するが、実用性志向の程度が異なり、そ の相違によって新市場の拡大において越えることが最も難しい大きな溝(キャズ ム)が生み出されている。
  3. S. D. サラスバシーの「エフェクチュエーション」理論に基づけば、熟達した起 業家は、事前に市場を明確に定義して、セグメンテーションやターゲティング、 ポジショニングを設定することによって、不確実性の高い状況でも新事業を創出 することができる。
  4. W. チャン・キムとR. A. モボルニュの「ブルーオーシャン戦略」に基づけば、 顧客価値を高める差別化の要素を持つことと、コストを押し下げることを併せ持 つことが、新市場の創出に重要である。
  5. 他社に先駆けてデファクト・スタンダードを獲得することは新事業における競 争優位につながるため、デファクト・スタンダードの決定に重要な役割を果たす ISO のような国際的な標準化機関との間で調整や協議を進める必要がある。
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正解:

解答:エ

新事業創出の主要理論を問う。ブルーオーシャン戦略の「差別化と低コストの同時追求(バリュー・イノベーション)」が正しい記述。

  • ア(×):リーン・スタートアップは、不確実性が高い状況でMVPによる構築-計測-学習を高速に回す手法。多額の調査費と綿密な事前計画を求める記述は理論と正反対。
  • イ(×):キャズム(最も深い溝)はアーリー・アドプター(初期採用者)とアーリー・マジョリティ(前期多数派)の間に生じる。イノベーターとアーリー・アドプターの間ではない。
  • ウ(×):エフェクチュエーションは、目的を先に固定せず手持ちの手段から出発する(コーゼーションの逆)。事前にSTPを設定するのはコーゼーションの説明で、理論の趣旨に反する。
  • エ(○):ブルーオーシャン戦略は、顧客価値を高める差別化と低コストを同時に実現するバリュー・イノベーションにより新市場を創出する。記述として適切。
  • オ(×):デファクト・スタンダードは市場競争を通じて事実上の標準となるもので、ISOのような公的標準化機関が決定するデジュール・スタンダードとは異なる。両者を混同しており誤り。

よって

#競争戦略#技術経営・イノベーション#人的資源管理#マーケティング戦略

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